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RE-LY intracranial hemorrhage
結論 RE-LY対象患者において,頭蓋内出血の臨床像はdabigatran群とwarfarin群で同様であった。頭蓋内出血,致死的頭蓋内出血,外傷性頭蓋内出血の絶対発生率は,dabigatran群のほうがwarfarin群に比し低かった。頭蓋内出血のもっとも重要な修正可能な独立予測因子はaspirinの併用であった。
コメント RE-LY研究サブ解析で頭蓋内出血関連要因として「ワルファリン」,「年齢上昇」,「アスピリン併用」,および「白人でないこと」が示されたことは重要であり,抗血栓療法の実践に注意を払いたい。このグローバル研究で頭蓋内出血発症率に人種差があることが示されており,本邦では頭蓋内出血に配慮した抗凝固療法が一層必要と考えられる。(矢坂正弘

目的 高齢の心房細動患者において,頭蓋内出血はwarfarin療法のもっとも恐るべき合併症である。RE-LYでは,dabigatranはwarfarinに比し頭蓋内出血を抑制したが,dabigatranを投与された心房細動患者における頭蓋内出血の臨床像については明確になっていない。本サブ解析では,RE-LY対象患者における頭蓋内出血の発生部位,発生率,リスク因子,外傷との関連,転帰について検討する。
デザイン 本論文はRE-LYのサブ解析。
セッティング RE-LYは多施設(951施設),44ヵ国。
期間 RE-LYの登録期間は2005~2007年。追跡期間は平均2.0年。
対象患者 18,113例。脳卒中のリスク因子を1つ以上有する心房細動患者。
【除外基準】―
【患者背景】平均年齢は頭蓋内出血発生群75歳,非発生群71.5歳(p<0.001)。男性65%,64%。高血圧84%,79%。糖尿病26%,23%。心不全24%,32%(p=0.02)。脳卒中/一過性脳虚血発作(TIA)既往31%,20%(p=0.001)。発作性心房細動36%,33%。62日を超えるビタミンK拮抗薬の使用歴53%,50%。warfarin群への割付59%,33%(p<0.001)。
治療法 RE-LYは(dabigatran 150mg群:150mg,1日2回投与),dabigatran 110mg群(110mg,1日2回投与),warfarin群(PT-INR 2.0~3.0を維持するよう用量調節投与)の3群に無作為割付。
追跡完了率
結果

●評価項目
初回追跡時のaspirin併用は28%,warfarin群におけるTTRは64%であった(平均INR値2.41)。
頭蓋内出血の発生は153例,154件[脳内出血46%(死亡率49%),硬膜下出血45%(死亡率24%),くも膜下出血8%(死亡率31%)]であった。

頭蓋内出血発生率は,dabigatran 150mg群0.31%/年(RR 0.40,95%CI 0.27-0.59),110mg群0.23%/年(RR 0.30;0.19-0.45)で,warfarin群0.76%/年に比し低かった(両用量ともwarfarinに比しp<0.001)。
このうち致死的頭蓋内出血はdabigatran 150mg群13例,110mg群11例で,warfarin群32例に比し少なかった(両用量ともwarfarinに比しp<0.01)。
外傷性頭蓋内出血はdabigatran各群11例で,warfarin群24例に比し少なかった(両用量ともwarfarinに比しp<0.05)。

頭蓋内出血の内訳は以下の通り(RRはいずれもvs. warfarin群)。
脳内出血:dabigatran 150mg群0.09%/年(RR 0.23;0.12-0.45),110mg群0.12%/年(RR 0.30;0.16-0.54),warfarin群0.39%/年。
硬膜下出血:dabigatran 150mg群0.20%/年(RR 0.65;0.39-1.1),110mg群0.08%/年(RR 0.27;0.12-0.55),warfarin群0.31%/年。
くも膜下出血:dabigatran 150mg群0.02%/年(RR 0.24;0.05-1.2),110mg群0.03%/年(RR 0.37),warfarin群0.06%/年。

頭蓋内出血の独立予測因子は,warfarinへの割付け(RR 2.9,p<0.001),aspirin 使用(RR 1.6,p=0.01),年齢(1歳上昇ごと,RR 1.1,p<0.001),脳卒中/TIA既往(RR 1.8,p=0.001),白人種(RR 0.68,p=0.02)。

●有害事象

文献: Hart RG, et al. Intracranial Hemorrhage in Atrial Fibrillation Patients During Anticoagulation With Warfarin or Dabigatran: The RE-LY Trial. Stroke 2012; 43: 1511-7. pubmed
関連トライアル AFASAK 2 1999, ARISTOTLE, ATRIA on and off anticoagulants, BAATAF, dabigatranの急性冠イベントリスク, GWTG-Stroke Registry risk of sICH, Hylek EM et al, Kaseno K et al, Lakkireddy D et al, Larsen TB et al, Majeed A et al, Pengo V et al, RE-ALIGN, RE-COVER, RE-LY, RE-LY Asian subgroup, RE-LY cardioversion, RE-LY concomitant use of antiplatelet, RE-LY exposure of VKA, RE-LY Japanese population, RE-LY periprocedural bleeding, RE-LY previous TIA or stroke, RE-LY quality of INR control, RE-LY risk of bleeding, RE-MEDY & RE-SONATE, RELY-ABLE, ROCKET AF renal dysfunction, SPAF, SPAF II 1996, SPAF III 1996, SPORTIF risk of bleeding, SPORTIF V, WASID
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