抗血栓トライアルデータベース
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メタ解析
warfarinによるNVAF患者の脳卒中予防
結論 脳卒中予防のためwarfarinを使用している心房細動患者において,脳卒中または非中枢神経系塞栓症リスクは1.66%/年程度であった。この20年間にTTRは大きく向上し,脳卒中発症率は低下した。

目的 非弁膜症性心房細動患者における脳卒中予防については,warfarinの代替薬がいくつか開発されてきているものの,多くの患者がwarfarinを用いる状況は今後も続くと考えられる。本解析では,2001~2011年の間に行われたRCTのデータを用い,warfarinの有効性および安全性を検討した。
方法 MEDLINE,EMBASE,Cochrane databaseにて,2001~2011年の間に,非弁膜症性心房細動患者における脳卒中の一次/二次予防として,warfarinの安全性および有効性を代替レジメンとの比較したすべてのRCTを評価。検索語はwarfarin,vitamin K antagonists,atrial fibrillation,atrial arrhythmiasとstroke,cerebrovascular accident,transient ischemic attack,TIAを組み合わせた。なお検索は,英語で発表,ハイクオリティ(Jadadスコア≧3),warfarin群の患者数が400例以上の論文に限定した。
対象 8試験(32,053例,55,789患者・年)。
表記は順に,比較薬,warfarin群におけるTTR,脳卒中/非中枢神経系塞栓症の年間発症率,大出血の年間発症率。
ACTIVE W
aspirin+clopidogrel,63.8%,1.40%/年,2.21%/年。
SPORTIF V
ximelagatran,68%,1.2%/年,3.10%/年。
BAFTA
aspirin,67%,1.68%/年,1.89%/年。
Amadeus
idraparinux,63%,1.3%/年,1.40%/年。
SPORTIF III
ximelagatran,66%,2.3%/年,1.80%/年。
RE-LY
dabigatran,64%,1.69%/年,3.36%/年。
ROCKET AF
rivaroxaban,55%,2.2%/年,3.40%/年。
ARISTOTLE
apixaban,62.2%。1.60%/年,3.09%/年。
主な結果 ・TTR
試験により55~68%と異なっていた。

・脳卒中/非中枢神経系塞栓症
warfarin群における統合年間発症率は1.66%(95%CI 1.41-1.91)であった。出版バイアスは認められなかった。
脳卒中/非中枢神経系塞栓症の年間発症リスクは下記の項目で高かった。
75歳以上:75歳未満1.62%/年 vs. 75歳以上2.27%/年,RR 1.44,95%CI 1.18-1.76,p<0.001。
女性:男性1.60%/年 vs. 女性2.12%/年,RR 1.29,95%CI 1.13-1.49,p<0.001。
脳卒中既往:既往なし1.45%/年 vs. あり2.64%/年,RR 1.88,95%CI 1.31-2.71,p=0.001。
ビタミンK拮抗薬未経験:経験あり1.70%/年 vs. 経験なし1.96%/年,RR 1.16,95%CI 1.01-1.33,p=0.04。
CHADS2スコア:0~1点0.89%/年。(以下のRRは0~1点を基準とした)
2点1.43%/年,RR 1.46,95%CI 1.13-1.89,p=0.004。
3点以上2.50%/年,RR 2.89,95%CI 2.28-3.66,p<0.001。

・大出血
出血の定義が試験により異なるため,統合発症率の算出はできなかった。発症率は1.40%~3.40%/年であった。

・過去に行われたメタ解析(Ann Intern Med 1999; 131: 492 PubMed
脳卒中/非中枢神経系塞栓症は2.09%/年で,今回の解析より高かった。
個々の試験が設定したPT-INRの治療域はさまざまで,TTRは試験により42~83%であった。60%以上であったのは2試験のみであった。
文献: Agarwal S, et al. Current trial-associated outcomes with warfarin in prevention of stroke in patients with nonvalvular atrial fibrillation: a meta-analysis. Arch Intern Med 2012; 172: 623-31; discussion 631-3. pubmed
関連トライアル ACTIVE W CHADS2 score, ACTIVE W paroxysmal vs sustained, AMADEUS, ARISTOTLE, ARISTOTLE previous stroke/TIA, ARISTOTLE renal function, ARISTOTLE risk score, ARISTOTLE time in therapeutic range, ARISTOTLE type and duration of AF, AVERROES, AVERROES bleeding, AVERROES previous stroke/TIA, ENGAGE AF-TIMI 48, Hylek EM et al, J-ROCKET AF, JNAF-ESP, Olesen JB et al, Pearce LA et al, PROTECT AF, RE-LY, RE-LY exposure of VKA, ROCKET AF, ROCKET AF cardioversion/ablation, ROCKET AF post hoc analysis, ROCKET AF previous stroke/TIA, ROCKET AF renal dysfunction, SPAF I-III 1999, SPAF I-III 2000, SPAF II 1996, SPAF III 1996, SPORTIF elderly patients, SPORTIF II , SPORTIF III, SPORTIF pooled analysis, SPORTIF risk of bleeding, SPORTIF V, warfarin投与中のAF患者における脳卒中/全身性塞栓症リスク, 心房細動患者における新規抗凝固薬の有効性および安全性, 心房細動患者に対する脳卒中予防療法における年齢効果, 心房細動患者の脳卒中予防におけるwarfarinの心筋梗塞保護効果, 新規経口抗凝固薬4剤のwarfarinに対する有効性・安全性, 脳卒中/TIA既往を有する心房細動患者における新規抗凝固薬
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