抗血栓トライアルデータベース
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ACTION Registry-GWTG stratified analysis
結論 米国における在宅warfarin療法中の非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)患者に対する抗血栓療法は,現行の治療ガイドラインで提示されたエキスパートオピニオンから逸れていた。入院時のPT-INR値にかかわらず,早期の抗血栓療法は出血リスクを上昇させた。

目的 在宅warfarin療法中のNSTEMI患者の治療は,出血リスクが上昇する可能性があることから,臨床的に難しい問題をはらんでいる。ACC/AHAガイドラインからのエキスパートオピニオンでは,抗凝固療法を受けているNSTEMI患者に対しては抗凝固薬を中止し,抗血小板薬を開始することが提案されている。本研究では,在宅warfarin療法中のNSTEMI患者を入院時のPT-INR値により層別化し,出血発生リスクを検討する。
デザイン 観察研究,層別解析。
セッティング 多施設(371施設),米国。
期間 登録期間は2007年1月1日~2009年9月30日。
対象患者 5,787例。在宅warfarin療法を受けているNSTEMI(24時間以内に10分以上持続する虚血症状が発症した,心マーカー陽性[トロポニンT/I/クレアチンキナーゼMBが正常値上限を超える上昇,またはベッドサイドトロポニンアッセイ陽性])の患者。
【除外基準】PT-INR値のデータが得られなかった患者。
【患者背景】年齢中央値はPT-INR<2.0群で74歳,2.0~3.0群77歳,>3.0群77歳(p<0.0001)。各群の女性40%,40%,43%。BMI中央値28.1kg/m2,30.0kg/m2,27.1 kg/m2p=0.0001)。病歴:高血圧83.5%,83.1%,83.8%,脂質異常症65.0%,66.1%,66.4%,糖尿病42.1%,43.6%,45.8%,心筋梗塞既往39.7%,40.4%,40.6%,うっ血性心不全既往35.1%,38.8%,45.2%(p<0.0001),PCI歴31.9%,26.2%,28.9%(p=0.0001),CABG歴30.9%,35.0%,37.2%(p=0.0002),過去2週間の心房細動/粗動43.3%,49.5%,49.9%(p<0.01),脳血管疾患26.2%,28.6%,31.4%,脳卒中既往19.4%,21.1%,20.7%,末梢動脈疾患19.6%,23.0%,24.3%(p<0.01)。入院時に心不全の兆候31.2%,36.5%,43.0%(p<0.0001)。24時間以内の薬物療法:抗凝固薬81.8%,52.9%,34.2%(p<0.0001),抗血小板薬90.5%,87.4%,81.4%(p<0.0001)。院内での手技:診断的カテーテル検査84.6%,81.0%,73.2%(p<0.0001)。PCI施行42.9%,45.3%,38.4%(p=0.02)。
治療法 対象者を以下の3群に分け解析を行った。
入院時のPT-INRが治療域未満(<2.0群):2,680例(46.3%)。PT-INR中央値1.4(1.2~1.7)。
治療域内(2.0~3.0群):2,006例(34.7%)。PT-INR中央値2.4(2.2~2.7)。
治療域超(>3.0群):1,101例(19%)。PT-INR中央値3.9(4.4~5.0)。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
大出血発生率は<2.0群(12%)に比し,2.0~3.0群,>3.0群のいずれも高かった。
2.0~3.0群:14.9%;補正後OR 1.25;95%CI 1.03-1.50。
>3.0群:21.8%;OR 1.60;95%CI 1.30-1.97。

全例での検討によると,早期の抗血栓療法は院内大出血リスクを上昇させたが,早期侵襲的治療ではリスクは上昇しなかった。いずれも入院時PT-INR値との交互作用は認められなかった。
早期heparin:OR 1.40;95%CI 1.13-1.74。
早期clopidogrel:OR 1.50;1.22-1.84。
早期GP IIb/IIIa受容体拮抗薬:OR 1.82;1.43-2.32。
早期侵襲的治療:OR 1.09;0.86-1.37。

●有害事象

文献: Subherwal S, et al. Admission International Normalized Ratio Levels, Early Treatment Strategies, and Major Bleeding Risk Among Non-ST-Segment-Elevation Myocardial Infarction Patients on Home Warfarin Therapy: Insights From the National Cardiovascular Data Registry. Circulation 2012; 125: 1414-23. pubmed
関連トライアル ACUITY, AFASAK 2 1999, CathPCI Registry, CRUSADE registry bleeding and mortality, FAST-MI CYP2C19 and PPI, Fukuoka Stroke Registry, GWTG-Stroke Registry risk of sICH, HORIZONS-AMI , J-RHYTHM Registry warfarin use, J-RHYTHM target INR values, OASIS Pilot Study 1998, OASIS-5 and 6, RCTにおけるwarfarinとaspirinの出血リスク, REVERSE PTS substudy, Ruecker M et al, Sørensen R et al, SYNERGY, SYNERGY angiography, TACTICS-TIMI 18 2001, WAPS
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