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Lakkireddy D et al Feasibility and Safety of Dabigatran Versus Warfarin for Periprocedural Anticoagulation in Patients Undergoing Radiofrequency Ablation for Atrial Fibrillation: Results from a Multicenter Prospective Registry
結論 アブレーションを行う心房細動患者において,周術期のdabigatran使用はwarfarinを中断せず使用することに比し,出血または出血/血栓塞栓合併症リスクを上昇させた。
コメント 本研究以外にもアブレーション周術期において新規経口抗凝固薬とワルファリンを比較したスタディーがあり,その結果は必ずしも一致していない。周術期中止,再開のプロトコール,dose,あるいはアブレーション手技の習熟度などいくつかの要素が関与しているものと考えられる。今後も報告される結果に注目していきたい。(是恒之宏

目的 心房細動患者に対するアブレーション施行は至適抗凝固管理が必要となる。本研究では,周術期のdabigatran投与の実現可能性および安全性を評価した。安全性の主要評価項目:出血,血栓塞栓事象の複合。
デザイン 観察研究。
セッティング 多施設(8施設)。
期間 試験期間は2010年1月~2011年7月。
対象患者 290例。[dabigatran群]アブレーション施行前に30日以上dabigatran 150mg 1日2回投与を受けていた患者全例。
[warfarin群]dabigatran群と年齢,性別,心房細動の病型を合致させた,アブレーション施行前に30日以上治療域のwarfarin投与を受けた患者。
【除外基準】手技施行時のPT-INRが2.0~3.5の範囲外,リモートナビゲーションシステムによりアブレーションを施行。
【患者背景】平均年齢はdabigatran群60.4±9.6歳,warfarin群60.3±9.6歳。各群の男性79%,79%。心房細動の病型:発作性57%,57%,非発作性43%,43%。手技再施行18%,23%。心房細動罹患期間30±32ヵ月,28±29ヵ月。心不全10%,6%,高血圧52%,50%,糖尿病15%,13%,一過性脳虚血発作(TIA)/脳卒中3%,6%。CHADS2スコア0点35%,40%,1点43%,41%,≧2点23%,19%。CHA2DS2VAScスコア1.6±1.4,1.5±1.3。HAS-BLED出血リスクスコア1.2±0.9,1.1±0.9。薬物療法:aspirin 31%,29%,clopidogrel 3%,5%。急性期手技成功95%,95%。手技時間208±73分,203±61分。
治療法 dabigatran群:145例。アブレーション施行日の朝はdabigatranの服用を中止し,手技後は止血後3時間以内,経口投与可能になってから再開。
warfarin群:145例。warfarinを中断せずにアブレーションを施行。
[アブレーション時の抗血栓薬]経中隔穿刺前に未分画heparin(UFH)10,000単位ボーラス投与を行い,15分後およびその後20分間隔でACTを確認。カテーテルが左心房内にある間はACTが300~400秒を保つよう体重により用量を調整したUFHをボーラス投与した。発作性心房細動には肺静脈前庭部隔離術のみ,持続性心房細動にはcomplex fractionated atrial electrogramを含む追加的基質変容を行った。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
血栓塞栓事象(脳卒中/TIA)はdabigatran群3例(2.1%),warfarin群0例と同等であった(p=0.25)。30日後の追跡では,この3例はすべて神経症状が改善し,後遺障害は認められなかった。
dabigatran群はwarfarin群に比し大出血発生率(6% vs. 1%,p=0.019),全出血発生率(14% vs. 6%,p=0.031),出血+血栓塞栓事象の複合発生率(16% vs. 6%,p=0.009)が高かった。大出血はすべてタンポナーデをともなう心外膜液で,ドレナージを必要とした。
多変量ロジスティック回帰分析によると,dabigatranの使用は出血+塞栓事象(OR 2.76,95%CI 1.22-6.25,p=0.01),出血事象(OR 2.34,95%CI 1.02-5.39,p=0.046)の両方の独立予測因子であった。

●有害事象

文献: Lakkireddy D, et al. Feasibility and safety of dabigatran versus warfarin for periprocedural anticoagulation in patients undergoing radiofrequency ablation for atrial fibrillation: results from a multicenter prospective registry. J Am Coll Cardiol 2012; 59: 1168-74. pubmed
関連トライアル AFASAK 2 1999, AFCAS Registry, ARISTOTLE type and duration of AF, Bjorck S et al, dabigatranの急性冠イベントリスク, Garcia DA et al, HAT 1, JNAF-ESP, Kaseno K et al, Lakkireddy D et al, Larsen TB et al, Majeed A et al, ORBIT-AF, PROTECT AF, RE-ALIGN, RE-COVER, RE-LY, RE-LY cardioversion, RE-LY concomitant use of antiplatelet, RE-LY exposure of VKA, RE-LY intracranial hemorrhage, RE-LY Japanese population, RE-LY periprocedural bleeding, RE-LY previous TIA or stroke, RE-LY quality of INR control, RE-LY risk of bleeding, RE-MEDY & RE-SONATE, RELY-ABLE, ROCKET AF cardioversion/ablation, SPAF II 1996, カテーテルアブレーション施行患者におけるdabigatranの安全性および有効性
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