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AVERROES previous stroke/TIA
結論 ビタミンK拮抗薬(VKA)不適応の心房細動患者における脳卒中予防について,apixabanは脳卒中/一過性脳虚血発作(TIA)の有無にかかわらず同様に有効であった。脳卒中/ TIAの既往を有する患者は脳卒中リスクが高いため,apixabanの絶対ベネフィットはより大きいと考えられた。
コメント 心房細動に対して抗凝固療法が必要と考えられる患者の約半数において,ワルファリン不適応または何らかの理由でワルファリンは用いられていない。AVERROESはその現実を見据えた新規抗凝固薬とアスピリンとの比較試験である。本論文は脳卒中・TIAの既往の有無に注目したサブ解析で,より高リスクの既往群で大出血を増やさず,より大きい効果を示したことはapixabanの有用性を一層確立したといえるであろう。(岡田靖

目的 AVERROES試験(VKA不適応の心房細動患者において,apixabanの脳卒中/全身性塞栓症予防効果をaspirinと比較)の事前に予定されたサブグループ解析として,試験全体におけるapixabanの有効性,安全性が脳卒中/TIA既往患者における結果と一致しているか検討。有効性の一次エンドポイント:脳卒中(虚血性/出血性)または全身性塞栓症。安全性の一次エンドポイント:大出血。
デザイン AVERROES試験はランダム化,二重盲検,ダブルダミー。intention-to-treat解析。NCT00496769。
セッティング AVERROES試験は多施設(522施設),36カ国。
期間 登録期間は2007年9月10日~2009年12月23日。本試験は2010年5月28日に早期中止,平均追跡期間は1.1年。
対象患者 5,599例。50歳以上,6カ月以内に確定診断されたか,スクリーニング当日に12誘導心電図にて確認された心房細動患者で,脳卒中リスク因子(脳卒中またはTIAの既往,年齢75歳以上,高血圧,糖尿病,心不全,LVEF≦35%,確定診断された末梢動脈疾患)を有し,VKA投与不可か,不適応と考えられた症例。
【除外】心房細動以外に長期抗凝固療法を必要とする病態,手術を必要とする弁膜症,重篤な出血イベント発生後6ヵ月以内または出血高リスク。
【患者背景】年齢は脳卒中/TIA既往あり71.7±9.7歳,既往なし69.6±9.5歳(p<0.0001)。男性56%,59%。CHADS2スコア 3.8±0.9,1.8±0.8。治療中の糖尿病20%,20%。治療中の高血圧81%,87%(p<0.0001)。ベースライン時のaspirin使用28%,28%。ビタミンK拮抗薬前投与43%,39%(p=0.02)。ベースライン時のスタチン使用37%,33%(p=0.02)。apixabanの用量:2.5mg 1日2回8%,6%,5mg 1日2回92%,94%。既往あり:前回の脳卒中から1年以内25%,1年以上経過75%,前回のTIAから1年以内31%,1年以上経過69%。
治療法 以下の2群にランダム化。
apixaban群:2,808例。apixaban 5mg(80歳以上,60kg以下,血清クレアチニン≧1.5mg/dLの症例には2.5mg)を1日2回投与。
aspirin群:2,791例。81~324mg/日投与。
追跡完了率
結果

●評価項目
apixaban群390例(14%),aspirin群374例(13%)が脳卒中またはTIAの既往を有していた。
脳卒中/全身性塞栓症発症率は,脳卒中/TIA既往例:apixaban群10/390例(累積発症率 2.39%/年),aspirin群33/374例(9.16%/年)(HR 0.29,95%CI 0.15-0.60),既往なし:apixaban群41/2,417例(1.68%/年),aspirin群80/2,415例(3.06%/年)(HR 0.51,95%CI 0.35-0.74)で,いずれもapixaban群のほうが少なかった。交互作用は認められなかった(p=0.17)。
虚血性脳卒中または病型不明の脳卒中は,脳卒中/TIA既往例:apixaban群累積発症率 2.12%/年,aspirin群7.46%/年(HR 0.33,95%CI 0.15-0.69),既往なし:apixaban群1.42%/年,aspirin群2.67%/年(HR 0.48,95%CI 0.32-0.73)(交互作用p=0.36)。

●有害事象
大出血発生率は,脳卒中/TIA既往例:apixaban群14/390例(累積発生率4.10%/年),aspirin群11/374例(2.89%/年)(HR 1.28,95%CI 0.58-2.82),既往なし:apixaban群30/2,417例(1.26%/年),aspirin群28/2,415例(0.98%/年)(HR 1.08,95%CI 0.64-1.80)で,いずれも同等であった。交互作用は認められなかった(p=0.73)。

文献: Diener HC, et al.; for the AVERROES steering committee and investigators. Apixaban versus aspirin in patients with atrial fibrillation and previous stroke or transient ischaemic attack: a predefined subgroup analysis from AVERROES, a randomised trial. Lancet Neurol 2012; 11: 225-31. pubmed
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