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EXCELLENT Efficacy of Xience/Promus versus Cypher to Reduce Late Loss after Stenting
結論 薬剤溶出性ステント(DES)植込み後の患者において,6ヵ月間の2剤抗血小板療法(DAPT)は12ヵ月間のそれに比し,12ヵ月間の標的血管不全を増加させなかった。しかし非劣性マージンが大きく,また本試験は死亡/心筋梗塞(MI)については検出力不足であったため,この結果は大規模試験での検証が必要である。

目的 EXCELLENT試験はDESの比較(everolimus vs. sirolimus)とDAPTの至適期間を検討する2×2ファクトリアル試験。本論文は,DES植込み後の患者におけるDAPTの至適期間について,6ヵ月間のDAPTが12ヵ月間のそれに対し非劣性を示すか検討する。一次エンドポイント:12カ月間の標的血管不全(心臓死,MI,標的血管血行再建術の複合)。安全性のエンドポイント:死亡,MI,脳卒中,ステント血栓症(ARC基準)TIMI大出血の複合。
デザイン 無作為割付,オープン,2×2ファクトリアル,非劣性試験(非劣性マージン4.0%)。intention-to-treat解析。NCT00698607。
セッティング 多施設(19施設),韓国。
期間 登録期間は2008年6月~2009年7月。
対象患者 1,443例。参照血管径2.25~4.25mmの固有冠動脈に1つ以上の病変があり,狭窄率が目視にて>50%,心筋虚血の証拠(安定/不安定狭心症,亜急性MI,無症候性虚血,機能検査陽性,虚血に一致するECG上の可逆的変化)を認める患者。狭窄率>75%の病変については虚血の証拠は必須としなかった。病変数,病変長の制限は設けなかった。
【除外基準】72時間以内のSTEMI,EF<25%または心原性ショック,登録前の標的血管へのステント植込み,ヘモグロビン<10g/dLまたは血小板数<10万/μL,血清クレアチニン≧3.0mg/dLまたは透析中,重度の肝疾患,大出血後3ヵ月以内または手術後2ヵ月以内,12ヵ月以内に待機的外科手技を予定,著明な左主幹部病変(狭窄率>50%),慢性完全閉塞,2-stent strategyを要する分岐部病変など。
【患者背景】年齢は6ヵ月群63.0±9.6歳,12ヵ月群62.4±10.4歳。各群の男性65.1%,63.9%。BMI 24.9±3.1,25.1±3.0。糖尿病37.7%,38.6%。高血圧72.7%,73.8%。脂質異常症75.2%,76.3%。現喫煙27.4%,25.8%。MI既往6.5%,3.7%(p=0.02)。臨床所見:無症候性虚血/安定狭心症48.9%,48.0%,不安定狭心症/NSTEMI 48.5%,48.4%,STEMI 2.6%,3.6%。退院時の薬物療法:aspirin 99.4%,99.0%,clopidogrel 98.7%,99.6%,スタチン85.0%,81.9%,ACE阻害薬31.5%,34.2%,AII受容体拮抗薬34.3%,32.5%,β遮断薬60.1%,62.6%。病変背景:1枝疾患48.1%,48.0%,2枝疾患31.3%,32.2%,3枝疾患20.6%,19.8%。治療病変数1.3±0.6,1.4±0.5。植込みステント数1.6±1.0,1.6±0.9。DESのタイプ:everolimus 74.8%,74.8%,sirolimus 25.2%,25.2%。
治療法 診断的血管造影後,PCI試行前に以下の2群に無作為割付。
6ヵ月群:722例。aspirin 100~200mg/日+clopidogrel 75mg/日を6カ月間併用投与し,その後はaspirin単独投与。
12ヵ月群:721例。aspirin 100~200mg/日+clopidogrel 75mg/日を12カ月間併用投与。
PCIは標準的な方法で行い,手技後は全例に対しスタチン,β遮断薬等を含む至適薬物療法を推奨した。clopidogrel以外のP2Y12受容体阻害薬は使用しなかった。臨床転帰の追跡は1,3,6,9,12ヵ月後に実施した。
追跡完了率 一次エンドポイントの追跡完了は6ヵ月群99.1%,12ヵ月群98.8%。
結果

●評価項目
一次エンドポイント(12ヵ月間の心臓死,MI,標的血管血行再建術の複合)は6ヵ月群4.8%,12ヵ月群4.3%で,非劣性基準に合致した(HR 1.14,95%CI 0.70-1.86,p=0.60,差の95%CI上限2.4%,非劣性p=0.001)。
個別のエンドポイントについても両群間で同等であった。
ステント血栓症:6ヵ月群0.9% vs. 12ヵ月群0.1%,HR 6.02,95%CI 0.72-49.96,p=0.10。
死亡/MI:2.4% vs. 1.9%,HR 1.21,95%CI 0.60-2.47,p=0.58。
心臓死:0.3% vs. 0.4%,HR 0.67,95%CI 0.11-3.99,p=0.66。
MI:1.8% vs. 1.0%,HR 1.86,95%CI 0.74-4.67,p=0.19。
標的血管血行再建術:3.1% vs. 3.2%,HR 1.00,95%CI 0.56-1.81,p=0.99。
糖尿病合併と転帰の間に交互作用がみられた(交互作用p<0.001)。糖尿病患者では6ヵ月群のほうが一次エンドポイント発生が多く(HR 3.16,95%CI 1.42-7.03,p=0.005),非糖尿病患者では逆であった(HR 0.44,95%CI 0.21-0.94,p=0.03)。

●有害事象
安全性のエンドポイント(死亡,MI,脳卒中,ステント血栓症,TIMI大出血の複合)は6ヵ月群3.3%,12ヵ月群3.0%(HR 1.15,95%CI 0.64-2.06,p=0.64)。
TIMI大出血は0.3% vs. 0.6%(HR 0.50,95%CI 0.09-2.73,p=0.42)。

文献: Gwon HC, et al. Six-Month Versus 12-Month Dual Antiplatelet Therapy After Implantation of Drug-Eluting Stents: The Efficacy of Xience/Promus Versus Cypher to Reduce Late Loss After Stenting (EXCELLENT) Randomized, Multicenter Study. Circulation 2012; 125: 505-13. pubmed
関連トライアル ACDC, BASKET-LATE, CHARISMA bleeding complications, COURAGE, CREDO, DECLARE-DIABETES, DECLARE-LONG II, DES LATE, DES留置後のDAPT延長投与, EVENT, KAMIR, Migliorini A et al, Müller C et al, OPTIMIZE, PARIS, PRODIGY, PRODIGY type of stent, PRODIGY in-stent restenosis, REAL-LATE / ZEST-LATE, RESET, Sarafoff N et al, SPIRIT III, TRA 2P-TIMI 50 prior ischemic stroke, TRITON-TIMI 38 PCI, TRIUMPH nuisance bleeding, Varenhorst C et al, Yoon Y et al
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