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ARISTOTLE-J Apixaban for Reduction in Stroke and Other Thromboembolic Events in Atrial Fibrillation-J
結論 日本人の心房細動患者において,apixaban 2.5mg,5mg各1日2回,12週間投与は忍容性が認められた。
コメント ARISTOTLE-Jは日本人を対象としたphase II試験であるが,phase IIIのARISTOTLE試験と平行して行われた。本来,日本人がphase IIIの国際共同試験に入るにはphase II試験の結果を見てからが望まれるが,忍容性について海外と同じdoseで確認できたことは意義がある。(是恒之宏

目的 日本人の非弁膜症性心房細動患者において,apixabanの2つの用量(2.5mg,5mg各1日2回)の安全性をwarfarinと比較する。一次エンドポイント:ISTH出血基準の大出血および大出血ではないが臨床的に意味のある出血の複合。有効性のエンドポイント:脳卒中および全身性塞栓症の複合,脳卒中,全身性塞栓症,全死亡の複合,心筋梗塞および全死亡の複合。
デザイン ランダム化,二重盲検(apixaban),オープン(warfarin),phase II試験。安全性の解析対象は試験薬の1回以上の投与を受けた患者。有効性はintention-to-treat解析。NCT00787150。
セッティング 多施設(23施設),日本。
期間 試験薬投与期間中央値はapixaban各群85日,warfarin群84日。
対象患者 222例。20歳以上,確定診断を受けた非弁膜症性心房細動患者で,脳卒中リスク因子*を1つ以上有する者。12ヵ月以内に1分以上続く心房細動の発作が2週間以上間隔を空けて複数回起きた症例を対象とした(心電図,ホルター心電図,心内心電図で確認)。
*:年齢75歳以上,うっ血性心不全(LVEF≦40%),薬物療法を必要とする高血圧/糖尿病,脳梗塞または一過性脳虚血発作(TIA)既往。
【除外基準】最近の脳梗塞(TIAを含む),心臓弁膜症,洞不全症候群または重度の伝導障害,aspirin>100mg/日もしくはaspirin+抗血小板薬併用を必要とする非心原性脳梗塞,warfarin禁忌(血小板減少性紫斑病,頭蓋内出血の疑い,血管症による出血傾向,血友病などの血液凝固障害,最近の大手術,消化性潰瘍,認知症など),重度または難治性の高血圧,NYHA class IVの心不全,血小板減少症罹患(血小板数<10万/μLまたはヘモグロビン<10g/dL),肝機能異常(ALTまたはASTの正常値上限2倍以上の上昇),腎機能障害(クレアチニンクリアランス<25mL/分),遺伝性出血傾向,試験期間中に電気的/薬物的/外科的除細動を予定。
【患者背景】平均年齢は2.5mg,1日2回群69.3歳,5mg,1日2回群70.0歳,warfarin群71.7歳。各群の男性85.1%,82.4%,81.1%。BMI 25.3kg/m 2,24.5kg/m2,24.4kg/m2。血圧131/77mmHg,125/74mmHg,126/75mmHg。warfarin服用経験84.7%,87.3%,84.0%。試験期間中のaspirin併用20.8%,28.2%,25.3%。CHADS2スコア(平均)1.8,2.1,1.9。糖尿病28.4%,21.6%,20.3%。脳梗塞既往(TIAを含む)21.6%,35.1%,27.0%。
治療法 apixaban 2.5mg 1日2回群(74例),5mg 1日2回群(74例),warfarin群(74例)にランダム化。
試験開始前にwarfarinを投与されていた患者は,登録からランダム化までの観察期間(3~14日間)にPT-INR<2.0を達成するように用量を調整するか,あるいは投与を中止した。
warfarin群の目標PT-INRは≦70歳の場合は2~3,>70歳は2.0~2.6とした。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
warfarin群の60%以上が治療期間の60%においてPT-INR 2.0~3.0内であった。
一次エンドポイント(大出血および大出血ではないが臨床的に意味のある出血)はapixaban 2.5mg 群1/72例(1.4%),5mg群1/71例(1.4%),warfarin群4 /75例(5.3%)で,同等であった。大出血はwarfarin群のくも膜下出血1例のみであった。
apixaban群では脳卒中,全身性塞栓症,心筋梗塞は認められなかったが,warfarin群では脳卒中3例(脳梗塞2例,くも膜下出血1例)がみられた。死亡はapixaban群,warfarin群とも0例であった。

●有害事象
最も多くみられた試験薬に関連する有害事象は鼻出血であった(apixaban 2.5mg 群4.2%,5mg群2.8%,warfarin群5.3%)。
ほとんどの有害事象は軽度~中等度であった。肝アミノトランスフェラーゼの正常値上限3倍以上の上昇は認められなかった。

文献: Ogawa S, et al. Safety and efficacy of the oral direct factor xa inhibitor apixaban in Japanese patients with non-valvular atrial fibrillation. -The ARISTOTLE-J study-. Circ J 2011; 75: 1852-9. pubmed
関連トライアル ADVANCE, ADVANCE-2, AMADEUS, AMPLIFY, AMPLIFY-EXT, APPRAISE, APPRAISE-2, APROPOS, ARISTOTLE, ARISTOTLE cardioversion, ARISTOTLE concomitant aspirin use, ARISTOTLE previous stroke/TIA, ARISTOTLE renal function, ARISTOTLE risk score, ARISTOTLE time in therapeutic range, ARISTOTLE type and duration of AF, AVERROES, AVERROES bleeding, AVERROES previous stroke/TIA, BAATAF, Botticelli, EINSTEIN-DVT and EINSTEIN-Extension, HAT 1, Hylek EM et al, J-RHYTHM Registry anticoagulation, J-RHYTHM target INR values, J-ROCKET AF, J-ROCKET AF renal impairment, JNAF-ESP, Pengo V et al, Poli D et al, PROTECT AF, RE-LY Asian subgroup, RE-LY Japanese population, ROCKET AF previous stroke/TIA, ROCKET AF renal dysfunction, SPAF II 1996, SPAF III 1996, SPORTIF elderly patients, SPORTIF II , SPORTIF III, SPORTIF INR control, SPORTIF pooled analysis, SPORTIF risk of bleeding, SPORTIF V
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