抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
SAMURAI rtPA Registry SITS-MOST criteria
結論 alteplase 0.6mg/kg静注を受けた日本人脳梗塞患者において,SITS-MOST基準に合致していなかった患者の3ヵ月後の機能的転帰および生存率は基準に合致していた患者に比較するとやや不良であったが,脳内出血リスクは認められなかった。

目的 欧州におけるalteplase市販後調査であるSITS-MOST registryでは,十分な論理的根拠にもとづかずにNational Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコア≧25,年齢>80歳および脳卒中既往に糖尿病を合併する患者が除外された。本解析は,発症から3時間以内の日本人脳梗塞患者において,alteplase 0.6mg/kg静注の安全性,有効性を,SITS-MOST基準により検討する。
デザイン 観察研究。
セッティング 多施設,日本。
期間
対象患者 600例。日本のガイドラインにもとづいてalteplase静注を行った脳梗塞患者。ガイドラインでは≧75歳,NIHSSスコア≧23,脳卒中既往,コントロール不良の糖尿病患者は慎重投与となっているが,除外はしなかった。
【除外基準】日本のガイドラインにもとづく。
【患者背景】年齢は非合致群81.7±8.6歳,合致群67.7±10.5歳(p<0.001)。各群の男性47.8%,69.2%(p<0.001)。リスク因子:高血圧68.0%,68.6%(p<0.05),糖尿病23.6%,16.2%(p<0.05),脂質異常症17.0%,22.8%,心房細動52.8%,39.9%。脳卒中の病型:心原性塞栓症70.8%,60.2%,大血管アテローム血栓10.7%,17.1%,小血管閉塞3.9%,5.2%,その他14.6%,17.5%。発症から治療までの経過時間150(IQR 125~170)分,145(120~165)分。開始時のNIHSS 16(IQR 10~23.25),11(7~17)(p<0.001)。ASPECTS 9(IQR 8~10),9(8~10)。内頸動脈閉塞23.2%,12.0%(p<0.001)。
治療法 発症から3時間以内にalteplase 0.6mg/kgの10%をボーラス静注後,残りを1時間以上かけて静注。
本解析では,SITS-MOST基準に合致していなかった患者を非合致群(178例),合致していた患者を合致群(422例)として比較検討を行った。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
非合致群は全脳内出血と逆相関が,転帰不良(mRS 5~6),死亡と正の相関がみられた。
全脳内出血:adjusted OR 0.50,95%CI 0.29-0.84,p<0.05。
転帰不良:adjusted OR 2.48,95%CI 1.55-3.94,p<0.001。
死亡:adjusted OR 2.04,95%CI 1.02-4.04,p<0.05。
症候性脳内出血,完全自立(mRS 0~1)との関連はみられなかった。
症候性脳内出血:adjusted OR 0.53,95%CI 0.11-1.79。
完全自立:adjusted OR 0.65,95%CI 0.40-1.03。

●有害事象

文献: Koga M, et al. Low-Dose Intravenous Recombinant Tissue-Type Plasminogen Activator Therapy for Patients With Stroke Outside European Indications: Stroke Acute Management with Urgent Risk-factor Assessment and Improvement (SAMURAI) rtPA Registry. Stroke 2012; 43: 253-5. pubmed
関連トライアル CASES elderly patients, Chen CH et al, Cronin CA et al, ECASS III, ECASS-II blood pressure, ICARO, J-ACT, J-MARS, Kellert L et al, Madrid Stroke Network, Murthy SB et al, NINDS rt-PA Stroke Study 1995, rtPA血栓溶解療法の転帰における性差, rtPA静注後の頭蓋内出血に関するリスク因子, SAINT postthrombolysis ICH, SAMURAI, SAMURAI CT versus DWI, Saqqur M et al, Seet RC et al, SITS-ISTR antiplatelet therapy, SITS-ISTR elderly, SITS-ISTR young patients, SITS-MOST multivariable analysis, SPOTRIAS, TPA Bridging Study, TTT-AIS, Tutuncu S et al, 虚血性脳卒中患者に対するIV/IA併用療法
関連記事