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TOSS-2 Trial of Cilostazol in Symptomatic Intracranial Arterial Stenosis II
結論 症候性頭蓋内アテローム硬化性狭窄患者において,cilostazolの狭窄進展予防効果は示されなかった。
コメント TOSS-1でアスピリン+シロスタゾールがアスピリン単剤に比べて有意な狭窄部進展抑制効果を示したが,アスピリン+クロピドグレルを対照とした本検討では示されなかった。サロゲートマーカーとしてMR血管撮影による狭窄度を用いた場合には,より大規模で長期の観察が必要であったかもしれない。(岡田靖

目的 症候性頭蓋内アテローム硬化性狭窄患者における狭窄進展予防について,cilostazol+aspirin併用の有効性をclopidogrel+aspirin併用と比較する。エンドポイント:症候性頭蓋内アテローム硬化性狭窄の進展(MRAによる)。
デザイン 無作為化,二重盲検試験。臨床イベントおよび安全性の解析はintention-to-treat解析,MRIによるエンドポイントはfull analysis setを用いて解析。NCT00130039。
セッティング 多施設(20施設),4カ国(東アジア)。
期間 登録期間は2005年8月~2008年5月。
対象患者 457例。35歳以上,症候性頭蓋内アテローム硬化性狭窄をともなう虚血性脳卒中患者で,症状発現から2週間以内の症例。
【除外基準】動脈解離/もやもや病など非アテローム硬化性血管障害,当該脳卒中に対し血栓溶解療法を施行,塞栓性心疾患,当該症候性狭窄の近位部に重篤な動脈狭窄を有する,当該狭窄に対し再灌流療法を予定。
【患者背景】年齢はcilostazol群66.42±11.33歳,clopidogrel群64.58±11.11歳。各群の男性52.6%,49.8%。高血圧76.3%,68.4%。糖尿病45.3%,39.6%。喫煙41.8%,41.8%。脳卒中家族歴30.2%,20.9%(p=0.025)。脂質異常症48.3%,46.7%。National Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコア3.1±3.1,3.4±3.0。症候性狭窄の部位:中大脳動脈81.0%,82.2%,脳底動脈19.0%,17.8%。症候性狭窄の重症度:軽度29.7%,32.9%,中等度37.1%,32.0%,重度31.0%,34.2%。当該イベントから無作為割付までの経過8.03±3.34日,7.82±3.15日。
治療法 以下の2群に無作為割付。
cilostazol群:232例。cilostazol 100mg 1日2回投与。
clopidogrel群:225例。clopidogrel 75mg 1日1回投与。
全例にaspirin 75~150mg 1日1回,7ヵ月投与。スタチンおよびアテローム硬化性リスク因子改善薬の投与を強く推奨した。
追跡完了率 追跡MRI非施行はcilostazol群30例,clopidogrel群18例。
結果

●評価項目
症候性頭蓋内アテローム硬化性狭窄の進展はcilostazol群20例(9.3%),clopidogrel群32例(15.5%)と同等であった(OR 0.61,p=0.092)。cilostazol群で血清リポ蛋白濃度の改善がみられた。
心血管イベント(非致死性脳卒中,非致死性心筋梗塞,血管死)はcilostazol群15例(6.4%),clopidogrel群10例(4.4%)と同等であった(p=0.312)。内訳は,非致死性脳卒中11例(4.7%)vs. 6例(2.6%)(p=0.324),非致死性心筋梗塞3例(1.3%)vs. 2例(0.8%)(p=0.624),血管死1例(0.4%)vs. 2例(0.8%)(p=0.607)。
新規虚血病変についてもcilostazol群34例(18.7%),clopidogrel群23例(12.0%)と同等であった(p=0.078)。

●有害事象
大出血はcilostazol群2例(0.9%),clopidogrel群6例(2.6%)と同等であった(p=0.163)。

文献: Kwon SU, et al. Efficacy and safety of combination antiplatelet therapies in patients with symptomatic intracranial atherosclerotic stenosis. Stroke 2011; 42: 2883-90. pubmed
関連トライアル APPRAISE, CAPRIE 1996, CAPRIE 2000, CARESS, CASISP, CASPAR , CHARISMA, CHARISMA bleeding complications, CHARISMA subgroup analysis, CLARITY-TIMI 28, CLASSICS, COGENT, COMPASS, CREDO, CSPS 2, CSPS post hoc analysis, CURE, DECLARE-DIABETES, DECLARE-LONG II, KAMIR, Lee WH et al, PLATO, PLATO renal function, PLATO total events, PRODIGY, PRoFESS acute ischemic stroke, TRA 2P-TIMI 50 prior ischemic stroke, TRILOGY ACS, TRITON-TIMI 38, Yoon Y et al, 急性脳梗塞/TIA患者への抗血小板療法:2剤併用療法と単剤療法の比較
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