抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
メタ解析
PCI施行STEMI患者におけるLMWHとUFHの比較
Low-molecular-weight heparins vs. unfractionated heparin in the setting of percutaneous coronary intervention for ST-elevation myocardial infarction: a meta-analysis
結論 初回血管形成術(pPCI)を受けたST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において,低分子量heparin(LMWH)は未分画heparin(UFH)に比し死亡率および大出血を減少させた。LMWHのベネフィットは,ベースライン時のリスクが高い患者ほど大きかった。

目的 UFHはPCIを受けるSTEMI患者に対する標準治療とされており,現行のガイドラインでも使用が推奨されている。しかし,その推奨はプラセボと比較したデータにもとづくものではなく,またLMWHの使用については議論が分かれている。本メタ解析は,最近行われた観察研究やランダム化比較試験(RCT)をもとに,pPCIまたは線溶療法後PCIを受けたSTEMI患者においてLMWHとUFHの比較検討を行う。
方法 MEDLINE,CENTRAL,Google scholar databases(1993年1月~2011年3月)を検索。検索用語はlow-molecular-weight-heparins,unfractionated heparin,angioplasty,ST-elevation myocardial infarction。未発表文献,主要学会(ACC,AHA,ESC,TCT,EuroPCR)での発表,検索された文献のハンドサーチも実施。
対象 10試験,16286例(LMWH群6622例,UFH群9664例)。pPCIまたは線溶療法後PCIを受けたSTEMI患者においてLMWHとUFHを比較したRCTおよび非RCT。
LMWHは,9試験ではenoxaparinを投与,1試験では85%にはenoxaparin,残りの15%にはdalteparin,nadroparin,tinzaparin,certoparin を投与。
ランダム化の有無:RCT 1試験,非RCT 9試験。
主な結果 ・死亡率(9試験,14620例)
pPCI施行例では,LMWHはUFHに比し死亡を低減させた(RR 0.51,95%CI 0.41-0.64,p<0.001,ARR=3%,NNT=33)。不均一性は認められなかった(p=0.63)。
血栓溶解後PCI施行例では,LMWHのベネフィットはみられなかった(RR 1.01,95%CI 0.78-1.32,p=0.92)。不均一性は認められなかった(p=0.32)。

・大出血(10試験,16286例)
pPCI施行例では,LMWHはUFHに比し大出血(RR 0.68,95%CI 0.49-0.94, p=0.02,ARR=2.0%,NNT=50)を低減させた。不均一性は認められなかった(p=0.70)。
血栓溶解後PCI施行例では,LMWHのベネフィットはみられなかった(RR 0.91,95%CI 0.66-1.25,p=0.56)。不均一性は認められなかった(p=0.08)。

メタ回帰分析では,ベースライン時のリスクが高い患者ほどLMWHのベネフィットが大きかった(r=0.72,p=0.02)。
文献: Navarese EP, et al. Low-molecular-weight heparins vs. unfractionated heparin in the setting of percutaneous coronary intervention for ST-elevation myocardial infarction: a meta-analysis. J Thromb Haemost 2011; 9: 1902-15. pubmed
関連トライアル ACS患者に対するenoxaparinとUFHの比較, ExTRACT-TIMI 25, ExTRACT-TIMI 25 clopidogrel, ExTRACT-TIMI 25 PCI, OASIS-6, PCI施行中におけるenoxaparinとUFHの比較, SYNERGY
関連記事