抗血栓トライアルデータベース
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Fontan Anticoagulation Study
結論 フォンタン手術後の2年間の血栓症予防効果について,warfarinとaspirinは同等であった。両群における血栓症発生率は十分抑制されているとは言い難く,代替アプローチを考慮すべきである。

目的 フォンタン手術後,重大な合併症として血栓症があげられるが,至適抗血栓療法は明確になっていない。本試験では,術後のwarfarinまたはaspirin投与の安全性,有効性を比較する。一次エンドポイント:血栓イベント(静脈/動脈)。
デザイン ランダム化,オープン。intention-to-treat解析。NCT00182104。
セッティング 多施設(6施設),カナダ。
期間 登録期間は1998~2003年。
対象患者 111例。フォンタン手術施行予定患者。
【除外基準】長期抗凝固療法の適応病態を有する,出血高リスク,試験薬に対する禁忌を有するなど。
【患者背景】フォンタン手術施行時の年齢はwarfarin群5.1±3.4歳,aspirin群4.6±2.3歳。各群の男性69%,60%。おもな心臓欠陥:三尖弁閉鎖症19%,19%,左室性単心室15%,23%,両大血管右室起始症15%,7%,肺動脈閉鎖および心室中隔欠損9%,2%,不安定房室中隔欠損11%,7%,左心低形成17%,14%,エブスタイン奇形2%,2%,その他/複数の原因13%,26%。
治療法 warfarin群およびaspirin群にランダム化し,試験薬を2年間投与。
warfarin群:54例。24時間以内にheparin 10~20単位/kg/時を投与し,経口投与に耐えられるようになったらwarfarin負荷用量(0.1mg/kg)投与。warfarinはその後INR 2.0~3.0を維持するよう用量を調整し,INRが2.0を超えたらheparinは中止とした。warfarinの用量はINRの数値にもとづき調整した(INR 2.0~3.0:用量調整せず,1.1~1.4:20%増量,1.5~1.9:10%増量,3.1~3.5:10%減量,>3.5:warfarinは<3.5になるまで中止し,その後20%減量して再開)。
aspirin群:57例。経口投与に耐えられるようになったらaspirin 5mg/kg/日を投与。heparin投与,モニターは行わなかった。
追跡完了率 95%。
結果

●評価項目
血栓症,出血に関連しない死亡が2例認められた。
血栓症はwarfarin群13例(24%,臨床によるもの3例,エコーによるもの10例),aspirin群12例(21%,臨床によるもの4例,エコーによるもの8例)に発生,すべて静脈血栓塞栓症であった。warfarin群における発見時のINRは平均2.2であった。
kaplan-Meier解析によると,2年間の血栓イベント発生率は両群で同等であった(warfarin群24% vs. aspirin群14%,p=0.45)。

●有害事象
大出血の発生は各1例(aspirin群の1例は試験薬投与前に発生した脳出血,warfarin群の1例は消化管出血で,発生時のINRは11.9)であった。
小出血はwarfarin群18例(33%)で,aspirin群8例(14%)に比し多かった(p=0.03)。

文献: Monagle P, et al.; Fontan Anticoagulation Study Group. A multicenter, randomized trial comparing heparin/warfarin and acetylsalicylic acid as primary thromboprophylaxis for 2 years after the Fontan procedure in children. J Am Coll Cardiol 2011; 58: 645-51. pubmed
関連トライアル APROPOS, Crowther MA et al, Crowther MA et al, IST 1997, Jaffer AK et al, Pengo V et al, PROTECT AF, SPORTIF V, STARS, THRIVE, TPT, WAPS
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