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Renard A et al Impact of fibrinolysis on immediate prognosis of patients with out-of-hospital cardiac arrest
結論 プロペンシティ解析によると,院外心停止患者に対する線溶療法は蘇生した状態での入院率を改善した。

目的 院外心停止患者に対する線溶療法は,先行研究では望ましい結果は得られていない。本研究では,院外心停止患者について,院外救急医が即座に診断して行う線溶療法の効果を検討する。一次エンドポイント:蘇生した状態での入院率。
デザイン 後ろ向き研究。
セッティング フランス。
期間 治療期間は2005年9月1日~2007年3月28日。
対象患者 1261例。2005年9月1日~2007年3月28日の間にFire Brigade of Parisによる医療を受けた18歳以上の非外傷性院外心停止患者連続例。
【除外基準】線溶療法についてのデータが得られなかった症例。
【患者背景】年齢(p<0.001)は<50歳:線溶療法群23.4%,非実施群17.9%,50~75歳63.5%,37.9%,>75歳13.1%,44.2%。各群の男性80.4%,60.6%(p<0.001)。心停止のbystanderあり71.0%,62.6%。bystanderによる心肺蘇生15.8%,12.9%。自宅での心停止79.4%,75.7%。心臓が原因と推定される42.0%,33.7%。自動体外式除細動器(AED)によるショック実施61.6%,26.3%(p<0.001)。アラームからAED作動までの時間(p=0.001):<8分38.3%,21.7%,8~11分32.7%,44.6%,>11分8.5%,33.7%。
治療法 院外救急医の裁量により線溶療法(alteplase 50mgまたはtenecteplase 100UI/kgを単回ボーラス投与)を実施。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
線溶療法を受けた患者は107例,受けなかった患者は1154例であった。蘇生した状態での入院は線溶療法群51例(47.7%)と,非実施群272例(23.6%)より多かった(p<0.001)。
プロペンシティスコアを用いマッチングさせて比較したところ,線溶療法は蘇生した状態での入院率を上昇させた(補正後OR 1.7,95%CI 1.09-2.68)。この結果は,特にAEDによるショックを受けていない患者で顕著であった(補正後OR 3.61,95%CI 1.88-6.96)。AEDによるショックを受けた患者では,線溶療法の実施は蘇生した状態での入院率に影響を及ぼさなかった(補正後OR 1.08,95%CI 0.61-1.92)。

●有害事象

文献: Renard A, et al. Impact of fibrinolysis on immediate prognosis of patients with out-of-hospital cardiac arrest. J Thromb Thrombolysis 2011; 32: 405-9. pubmed
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