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Obach V et al Multimodal CT-assisted thrombolysis in patients with acute stroke: a cohort study
結論 脳梗塞患者に対する血栓溶解療法について,multimodal CTのルーチン使用は全体の有効性を高める可能性が示された。ベネフィットは,発症から治療までの経過時間が3時間を超える患者の方が3時間以内の患者より大きいようである。
コメント 本研究はtherapeutic time windowを超えた症例におけるtPA血栓溶解療法の可否の検討にmultimodal CT(CT,CT angiography,CT perfusion imageの組み合わせ)が有用であることを示した点で評価される。(矢坂正弘

目的 脳梗塞患者に対するalteplase静注において,multimodal CT[CT/CT angiography(CTA)/CT perfusion(CTP)]のルーチン使用から得られる効果を評価する。
デザイン コホート研究。
セッティング 単施設,スペイン。
期間 患者治療期間は2005~2009年。
対象患者 368例[multimodal CT群106例+対照群262例(plain CTのみ224例,CT+CTA 38例)]。2005~2009年の間に血栓溶解療法を受けた脳梗塞患者。
【除外基準】表記なし。
【患者背景】年齢中央値はmultimodal CT群73.3(IQR 65.2~81.6)歳,対照群73.0(65.0~81.0)歳。ベースライン時のNational Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコア 9(4~14),10(IQR 5~18)。治療までの時間140(IQR 107~205)分,135(108~170)分。治療までの時間が3時間超28%,16%(p=0.003)。血管内治療26%,11%(p<0.001)。
治療法 2005年1月~2008年9月,alteplase静注は脳梗塞発症から3時間以内に入院した患者に選択され,血管内治療は経過時間が3時間超の少数の患者に対し行われた。2008年10月,入院時にmultimodal CTが可能となり,発症から4.5時間以内の患者に対しalteplase静注を行うようになった。CTP/CTAはalteplase静注後施行され,近位部閉塞が明らかになった場合は血管内治療が開始された。発症からの経過時間が4.5時間を超える患者(13例),目覚めに症状を呈していた患者(6例)では,CTP/CTAは治療前に行われ,条件を満たす場合は血管内治療が考慮された。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
3カ月後の転帰良好[modified Rankin Score(mRS)≦2]はmultimodal CT群59例(56%)で,対照群106例(41%)(p=0.008)に比し増加した(adjusted OR 2.88;95%CI 1.50-5.52)。
multimodal CTを用いた血栓溶解療法の効果は,発症からの経過時間が3時間超の症例の方が,3時間以内の症例より顕著であった(3時間超:adjusted OR 4.48;1.68-11.98,3時間以内:adjusted OR 1.31;0.80-2.16; 交互作用 p=0.043)。

●有害事象
死亡率(14% vs. 15%),症候性頭蓋内出血(ECASS II定義)(5% vs. 7%)は同等であった。

文献: Obach V, et al. Multimodal CT-assisted thrombolysis in patients with acute stroke: a cohort study. Stroke 2011; 42: 1129-31. pubmed
関連トライアル ECASS, Masjuan J et al, Mattle HP et al, Mikulik R et al 2009, RECANALISE, Schellinger PD et al, Toni D et al
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