抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
Herner SJ et al Evaluation of venous thromboembolism risk following hospitalization
結論 外来での静脈血栓塞栓症(VTE)発症と90日前までの入院には強い関連が認められた。また,入院中の予防的薬物療法は明らかに不足していた。

目的 外来でのVTE発症と90日前までの入院との関連を検討し,入院中の抗凝固薬使用率,VTEの予測因子を評価する。主要評価項目:VTE診断日/健診日の90日前までの入院。
デザイン matched case-control study。
セッティング 多施設,米国。
期間 対象患者のVTE診断期間は2005年1月~2007年12月。
対象患者 13132例(VTE群2190例+対照群10942例)。
[VTE群]18歳以上,2005年1月~2007年12月に外来でVTEの診断を受けたKPCO(Kaiser Permanente Colorado;約50万人の会員を擁するコロラド州の非営利総合医療団体)の患者。
[対照群]年齢(±3歳),通院日(合致したVTE群のVTE診断日から±30日に健診のため外来を受診)を合致させたKPCOの会員をVTE群1例につき最大5例登録。なお対照群はVTE診断日/健診日の180日前から90日後まで継続してKPCOの会員であった者から抽出した。
【除外基準】入院中のVTE発症。
【患者背景】平均年齢はVTE群63.1±17.0歳,対照群63.0±17.0歳。各群の女性54.4%,61.0%*。併存疾患:狭心症1.5%,0.5%*,癌16.2%,3.4%*,慢性腎疾患6.9%,1.6%*,糖尿病3.1%,0.7%*,心不全4.4%,0.9%*,過凝固疾患2.8%,0.3%*,心筋梗塞1.2%,0.1%*,肥満8.0%,1.7%*,末梢動脈疾患2.6%,0.4%*,脳卒中既往3.5%,0.8%*,VTE既往18.5%,0.2%*,呼吸器疾患15.6%,5.0%*。エストロゲン療法8.0%,9.2%。慢性疾患スコア中央値4.0,1.0*
*p<0.001
治療法
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
90日前までの入院はVTE群560例(25.6%),対照群151例(1.4%)に認められた(補正後OR 18.2,95%CI 14.1-23.6,p<0.001)。VTE群における退院からVTE発症までの期間は中央値16日(IQR 6-34)であった。
90日前までにKPCOの一次コンタクト病院2施設に入院していた患者(VTE群439例,対照群132例)のうち,入院中に抗凝固療法を受けていたのはVTE群53.5%,対照群47.0%であった(p=0.186)。VTE群において,入院中の抗凝固療法施行率は適応病態別にかかわらず同等であった(産婦人科33.3%,内科53.7%,一般外科50.8%,整形外科64.9%,p=0.364)。
VTEの関連因子は以下の通りであった。
年齢:OR 0.97,95%CI 0.95-0.98。
癌の診断:OR 1.97,95%CI 1.08-3.58。
入院の回数:OR 1.96,95%CI 1.22-3.15。
入院の適応病態(産婦人科に対し);一般外科:OR 12.91,95%CI 3.72-44.91。
整形外科:OR 18.61,95%CI 4.53-76.44。
内科:OR 17.00,95%CI 4.85-59.58。
入院の長さ:OR 1.17,95%CI 1.07-1.27。
慢性疾患スコア:OR 1.11,95%CI 1.04-1.19。

●有害事象

文献: Herner SJ, et al. Evaluation of venous thromboembolism risk following hospitalization. J Thromb Thrombolysis 2011; 32: 32-9. pubmed
関連トライアル ENDORSE, Kucher N et al
関連記事