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PERFORM Prevention of Cerebrovascular and Cardiovascular Events of Ischaemic Origin with Terutroban in Patients with a History of Ischaemic Stroke or Transient Ischaemic Attack
結論 非心原性虚血性脳卒中患者の二次予防について,terutrobanはaspirinに対する非劣性基準を満たさず,安全性の優越性も認められなかった。世界的に見ると,有効性,忍容性,費用の面からaspirinは引き続き脳卒中二次予防のゴールドスタンダードである。
コメント 抗血小板薬の無作為化比較試験では PROFESS に次ぐ大規模試験。新規経口抗血小板薬であるterutrobanはアスピリンに対する非劣性を証明できず,ex-vivoではin-vivo効果の期待通りにはいかないということであろうか。今回,TIAを定義し,エントリー基準に加えた点が注目される。より早期からのエントリーが望まれるが,他の治療薬の効果を相殺して抗血小板薬の有効性を明らかにすることは課題が多い。アスピリンは今も標準治療である。(岡田靖

目的 最近発症した非心原性虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)患者において,選択的なトロンボキサン-プロスタグランディン受容体拮抗薬で,新規経口抗血小板薬のterutrobanがaspirinに比し二次予防効果に優れるか検討する。一次エンドポイント:致死的/非致死的虚血性脳卒中,致死的/非致死的心筋梗塞(MI),血管死(失血死を除く)の複合。
デザイン ランダム化,二重盲検,非劣性試験(非劣性マージン1.05)。intention-to-treat解析。ISRCTN66157730。
セッティング 多施設(802施設),46カ国。
期間 ランダム化期間は2006年2月22日~2008年4月7日。追跡期間は28.3±7.7カ月。
対象患者 19120例[追跡期間中に1施設(20例)が脱落したため,解析対象は19100例]。55歳以上,登録の3カ月~48時間前に虚血性脳卒中または網膜虚血を発症,あるいは過去8日間にTIAを発症した患者。
【除外基準】認知障害または認知症,長期経口抗凝固療法を必要とする心原性塞栓症。
【患者背景】平均年齢はterutroban 群67.2±7.9歳,aspirin群67.3±7.9歳。各群の男性63%,62%。人種:白人84%,84%,アジア系12%,12%,黒人2%,2%。BMI 27.1±4.3,27.1±4.3。血圧138.5/80.2mmHg,138.0/80.0mmHg。喫煙:未経験48%,49%,現喫煙27%,26%,6カ月以上前に禁煙25%,25%。病歴:高血圧84%,83%,高コレステロール血症48%,48%,高トリグリセリド血症9%,9%,糖尿病28%,27%,虚血性脳卒中既往15%,15%,TIA既往7%,8%,狭心症9%,10%,MI 8%,8%,末梢動脈疾患4%,4%。治療背景:抗血小板薬93%,93%(aspirin 87%,86%,dipyridamole 9%,10%,clopidogrel 7%,8%)。試験登録イベント:虚血性脳卒中90%,89%,網膜虚血<1%,<1%,TIA 10%,10%。病型:アテローム血栓性脳梗塞10%,11%,アテローム血栓性脳梗塞と考えられる41%,42%,ラクナ梗塞10%,10%,心原性脳塞栓症1%,1%,アテローム血栓性とラクナ梗塞の合併15%,14%,不明22%,21%。虚血性脳卒中発症から割り付けまで26.8±23.9日,26.9±23.8日。TIA発症から割り付けまで5.6±5.1日,5.9±5.5日。modified Rankin Score(mRS) 0:22%,22%,1:38%,38%,2:22%,23%,3:11%,10%,4:6%,6%。
治療法 以下の2群にランダム化。
terutroban群:9556例。terutroban 30mg/日投与。
aspirin群:9544例。aspirin腸溶錠100mg/日投与。
割り付け翌日から朝1回の投与を開始した
追跡完了率 脱落は58例(<1%)。
結果

●評価項目
terutrobanのaspirinに対する有効性が示される可能性が非常に低かったため,2009年10月,データモニタリング委員会の勧告により早期終了した。
一次エンドポイントはterutroban群1091例(11%),aspirin群1062例(11%)で,非劣性基準に合致しなかった(HR 1.02,95%CI 0.94-1.12)。
全虚血性脳卒中:781例(8%)vs. 763例(8%),HR 1.02;0.92-1.13。
全MI:159例(2%)vs. 129例(1%),HR 1.23;0.98-1.56。
血管死:215例(2%)vs. 224例(2%),HR 0.95;0.79-1.15。
二次エンドポイント(全脳卒中,全MI,他の血管死の複合など),三次エンドポイント(心疾患による入院,心臓死,障害の残るまたは致死的脳卒中など)についても有意差は認められなかった。

●有害事象
大出血,頭蓋内出血は同等であったが,terutroban群で小出血が多かった。
大出血:211例(2%)vs. 210例(2%),HR 1.01;0.83-1.22。
頭蓋内出血:146例(2%)vs. 121例(1%),HR 1.20;0.94-1.53。
小出血:1147例 (12%)vs. 1045例(11%),HR 1.11;1.02-1.21。

文献: Bousser MG, et al.; PERFORM Study Investigators. Terutroban versus aspirin in patients with cerebral ischaemic events (PERFORM): a randomised, double-blind, parallel-group trial. Lancet 2011; 377: 2013-22. pubmed
関連トライアル AAASPS 2003, CARESS, CAST, CSPS 2, EAFT 1993, EARLY, ESPRIT , ESPRIT 2006, Georgiadis D et al, 2009, IST 1997, JETS-1, MATCH, 脳卒中/TIA既往患者におけるaspirin+dipyridamole併用とaspirin単独投与の比較
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