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RE-LY risk of bleeding
結論 脳卒中リスクを有する心房細動患者において,dabigatran 110mg,150mgの両用量はwarfarinに比し,75歳未満では頭蓋内・外出血リスクを抑制した。75歳以上では,頭蓋内出血は両用量とも抑制したものの,頭蓋外出血は用量により異なり,110mgでは同等,150mgでは上昇した。
コメント ダビガトランでは頭蓋内出血のリスクがワルファリンに比し著明に低いことが以前の報告により示されたが,今回注目すべきは(1)75歳以上ではダビガトラン150mg群で頭蓋外出血が増加すること,(2)消化管出血については,ワルファリンに比し特に下部消化管での出血が多いことである。(1)については,高齢者において110mg×2を選択するメリットがある。(2)については,そのメカニズムや対策について今後更なる検討が必要と考える。(是恒之宏

目的 RE-LY試験における出血リスクを検討。
デザイン RE-LYはランダム化,非劣性試験。
セッティング
期間
対象患者 18113例。脳卒中リスクを有する心房細動患者。
【除外基準】―
【患者背景】―
治療法 RE-LYはdabigatran 110mg群(6015例。110mg,1日2回投与),150mg群(6076例。150mg,1日2回投与),warfarin群(6022例。標的INR 2.0~3.0)にランダム化。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
warfarinに比し,dabigatran 110mg群(D110mg群)は大出血リスクが抑制されたが,dabigatran 150mg群(D150mg群)は同等であった。
D110mg群2.87%/年(RR 0.80,95%CI 0.70-0.93,p=0.002),D150mg群3.31%/年(RR 0.93;0.81-1.07,p=0.32),warfarin群3.57%/年。
部位別の出血は以下の通りであった。
頭蓋内出血:D110mg群0.23%/年(p<0.001),D150mg群0.32%/年(p<0.001),warfarin群0.76%/年。
頭蓋外出血:2.66%/年(p=0.42),3.02%/年(p=0.36),2.84%/年。
消化管出血:1.36%/年(上部消化管53%/下部消化管47%,p=0.44),1.85%/年(53%/47%,p<0.001),1.25%/年(75%/25%)。
(消化管出血の部位の割合は,出血部位が判明した症例におけるそれを表す)
生命を脅かす出血:1.24%/年(p<0.001),1.49%/年(p=0.03),1.85%/年。
D110mg群とD150mgの比較では,D150mg群の方が大出血が多かった(p=0.04)。これは主に消化管出血によるものであった。
[年齢による交互作用]
大出血について,年齢による交互作用が認められた。D110mg群では,75歳未満ではwarfarin群に比し抑制されたが(1.89%/年vs. 3.04%/年,RR 0.62;0.50-0.77,p<0.001),75歳以上では同等であった(4.43%/年vs. 4.37%/年,RR 1.01;0.83-1.23,p=0.89,交互作用p<0.001)。
D150mg群では,75歳未満では大出血リスクが抑制されたが(2.12%/年vs. 3.04%/年,RR 0.70;0.57-0.86,p<0.001),75歳以上では上昇傾向がみられた(5.10%/年vs. 4.37%/年,RR 1.18;0.98-1.42,p=0.07,交互作用p<0.001)。
頭蓋内・外出血について,dabigatran両群とも頭蓋外出血では年齢による交互作用がみられたが,頭蓋内出血についてはみられず,頭蓋内出血は年齢にかかわらずdabigatran群で抑制された。
頭蓋外出血【75歳未満】:D110mg群1.76%/年(RR 0.72;0.57-0.90),D150mg群1.91%/年(RR 0.78;0.63-0.98),warfarin群2.44%/年。
【75歳以上】:4.10%/年(RR 1.20;0.97-1.48),4.68%/年(RR 1.39;1.13-1.70),3.44%/年。
頭蓋内出血【75歳未満】:0.14%/年(RR 0.22;0.11-0.45),0.26%/年(RR 0.43;0.25-0.74),0.61%/年。
【75歳以上】:0.37%/年(RR 0.37;0.21-0.64),0.41%/年(RR 0.42;0.25-0.70),1.00%/年。

●有害事象

文献: Eikelboom JW, et al. Risk of Bleeding With 2 Doses of Dabigatran Compared With Warfarin in Older and Younger Patients With Atrial Fibrillation: An Analysis of the Randomized Evaluation of Long-Term Anticoagulant Therapy (RE-LY) Trial. Circulation 2011; 123: 2363-72. pubmed
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