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Garcia Rodriguez LA et al (Circulation) Risk of upper gastrointestinal bleeding with low-dose acetylsalicylic acid alone and in combination with clopidogrel and other medications
結論 低用量aspirinは上部消化管出血リスクを上昇させたが,このリスクはclopidogrel,経口抗凝固薬,非ステロイド性抗炎症薬,高用量コルチコステロイドの併用によりさらに上昇した。

目的 心血管疾患患者における低用量aspirin,clopidogrelの単独または併用療法は二次予防の標準療法であるが,一方で上部消化管出血リスクを上昇させることが先行研究から示唆されている。本解析では,抗血小板薬投与患者における上部消化管出血リスクを検討する。
デザイン コホート研究,ネスティドケースコントロール解析。
セッティング 多施設,英国。
期間 登録期間は2000年1月1日~2007年12月31日。
対象患者 症例群2049例+対照群20000例。
2000年1月1日~2007年12月31日にプライマリケア医により恒久的にTHIN(英国のプライマリケアデータベース)に登録された40~84歳の患者で,登録期間が2年以上,薬剤処方歴が1年以上の患者のうち,症例群:上部消化管(胃,十二指腸)出血患者,対照群:年齢,性別,暦年を一致させた者をランダム抽出。
【除外基準】開始日以前の癌/食道静脈瘤/マロリー・ワイス症候群/アルコール依存症/肝疾患/凝固障害,開始日に65歳以上で追跡期間は1年以上あるが記録がない症例,食道出血,下部消化管出血。
【患者背景】―
治療法
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
多変量ロジスティック回帰分析によると,消化管出血リスクは以下により上昇した。
(非使用に比し)
低用量aspirin:RR 1.80,95%CI 1.59-2.03。
clopidogrel:RR 1.67,95%CI 1.24-2.24。
経口抗凝固薬:RR 1.75,95%CI 1.39-2.20。
(低用量aspirin単独に比し)
低用量aspirin+clopidogrel:RR 2.08,95%CI 1.34-3.21。
低用量aspirin+抗凝固薬:RR 2.00,95%CI 1.15-3.45。
低用量aspirin+低~中用量非ステロイド性抗炎症薬:RR 2.63,95%CI 1.93-3.60。
低用量aspirin+高用量経口コルチコステロイド:RR 4.43,95%CI 2.10-9.34。
以下の薬剤では有意差は認められなかった。
低用量aspirin+スタチン:RR 0.99,95%CI 0.81-1.21。
低用量aspirin+低用量経口コルチコステロイド:RR 1.01,95%CI 0.58-1.77。
リスク因子は以下の通りであった。
現喫煙(喫煙未経験に比し):RR 1.45,95%CI 1.27-1.66。
アルコール摂取25単位/週以上(2単位/週未満に比し):RR 1.52,95%CI 1.20-1.93。
消化不良/胃炎(既往なしに比し):RR 1.55,95%CI 1.37-1.74。
消化性潰瘍(既往なしに比し):RR 3.33,95%CI 2.78-3.99。
複雑性消化性潰瘍(既往なしに比し):RR 4.43,95%CI 3.57-5.50。

●有害事象

文献: García Rodríguez LA, et al. Risk of upper gastrointestinal bleeding with low-dose acetylsalicylic acid alone and in combination with clopidogrel and other medications. Circulation 2011; 123: 1108-15. pubmed
関連トライアル ACTIVE W CHADS2 score, CHARISMA bleeding complications, CHARISMA post hoc analysis, MATCH, SITS-ISTR antiplatelet therapy
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