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DECLARE-LONG II Drug-Eluting Stenting Followed by Cilostazol Treatment Reduces Late Restenosis in Patients with Long Coronary Lesions
結論 ステント長の長いzotarolimus溶出ステント植込み後に抗血小板薬3剤併用療法を受けた患者は,2剤併用療法を受けた患者に比し,遠隔期内径損失,内膜増殖率,血管造影上の再狭窄発生率が低減し,結果として12カ月後の標的病変に対する血行再建術施行リスクが抑制された。
コメント 以前にBMSでの検討で示されたシロスタゾールの再狭窄予防効果が,DESでも示されたことになる。(後藤信哉

目的 長い固有冠動脈病変に対しzotarolimus溶出ステント(ZES)植込みを施行した患者において,抗血小板薬3剤併用療法(aspirin,clopidogrel,cilostazol)の新生内膜過形成に対する有効性を,2剤併用療法(aspirin,clopidogrel)と比較する。有効性の一次エンドポイント:8カ月後の血管造影上の遠隔期ステント内径損失。安全性のエンドポイント:出血(TIMI出血基準),有害事象,試験薬中止率。
デザイン ランダム化,二重盲検。intention-to-treat解析。NCT00589927。
セッティング 多施設(10施設),韓国。
期間 登録期間は2007年12月~2008年12月。
対象患者 499例。18歳以上の安定狭心症または急性冠症候群患者で,長い固有冠動脈病変(長さ≧25 mm,径狭窄率≧50%,目視による参照径≧2.5mm)を有する症例。
【除外基準】左主幹部病変;グラフト部病変;LVEF<30%;最近の血液疾患あるいは白血球数<3000mm3,血小板数<10万mm3,またはその両方;肝機能障害(AST/ALTが正常値上限の3倍以上の上昇);腎障害既往または血清クレアチニン≧2.0mg/dL;側枝分岐部にステント植込みの予定;ST上昇型心筋梗塞など。
【患者背景】平均年齢は3剤併用群60.9±9.1歳,2剤併用群62.1±9.0歳。各群の男性70.0%,71.5%。高血圧58.4%,64.7%。糖尿病36.8%,33.7%。高コレステロール血症42.4%,45.0%。現喫煙30.4%,30.1%。PCI既往7.2%,6.4%。心筋梗塞既往4.0%,3.2%。診断:安定狭心症44.0%,50.6%,不安定狭心症44.8%,40.2%,急性心筋梗塞11.2%,9.2%,LVEF 60.7±6.7%,59.8±7.9%,多枝疾患34.8%,37.3%。標的血管:左前下行枝59.6%,62.2%,左回旋枝16.0%,11.6%,右冠動脈24.4%,26.1%。標的血管におけるステント長合計37.3±12.5mm,39.1±12.9mm。
治療法 ZES(ステント長≧30 mm)植込み後,以下の2群にランダム化。
3剤併用群:250例。aspirin,clopidogrel,cilostazol投与。
2剤併用群:249例。aspirin,clopidogrel,プラセボ投与。
手技の24時間以上前およびその後,全例にaspirin(負荷用量200mg,その後200mg/日無期限),clopidogrel(負荷用量300mg,その後75mg/日12カ月以上)を投与。cilostazol 200mgまたはプラセボは手技後1時間以内に投与し,その後100mg,1日2回8カ月投与。
ステント植込みは標準的な方法で行い,血管内超音波,GP IIb/IIIa受容体拮抗薬静注の使用は術者の裁量とした。
追跡完了率 8カ月後の追跡造影は3剤併用群213例(85.2%),2剤併用群215例(86.3%),12カ月後の臨床経過追跡は244例,246例。
結果

●評価項目
8カ月後のステント/セグメント内径損失はいずれも3剤併用群の方が小さく,その結果ステント/セグメント内再狭窄も3剤併用群の方が少なかった。
ステント内径損失:3剤併用群0.56±0.55 mm vs. 2剤併用群0.68±0.59 mm,p=0.045,絶対減少0.12,95%CI 0.02-0.22。
セグメント内径損失:0.32±0.54 mm vs. 0.47±0.54 mm,p=0.006,絶対減少0.15,95%CI 0.04-0.42。
ステント内再狭窄:23例(10.8%)vs. 41例(19.1%),RR 0.57,95%CI 0.35-0.91,p=0.016。
セグメント内再狭窄 :26例(12.2%)vs. 43例(20.0%),RR 0.61,95%CI 0.39-0.96,p=0.028。
12カ月後,虚血による標的病変血行再建術施行率は3剤併用群の方が低かった;5.2% vs. 10.0%,RR 0.52,95%CI 0.27-0.99,p=0.042。
12カ月後,主要有害心血管事象は3剤併用群の方が低い傾向がみられた(7.2% vs. 12.0%,p=0.07)。
血管内超音波法容積解析による内膜増殖率は,3剤併用群22.1±9.9%と2剤併用群27.1±13.2%に比し低かった(p=0.017)。

●有害事象
出血は両群とも同等であった。
TIMI大出血:6例(2.4%)vs. 2例(0.8%),p=0.16。
TIMI全出血:18例(7.2%)vs. 17例(6.8%),p=0.87。
有害事象による試験薬中止は3剤併用群の方が多かった;18.8% vs. 12.2%,p=0.02。

文献: Lee SW, et al.; DECLARE-LONG II Study Investigators. A randomized, double-blind, multicenter comparison study of triple antiplatelet therapy with dual antiplatelet therapy to reduce restenosis after drug-eluting stent implantation in long coronary lesions: results from the DECLARE-LONG II (Drug-Eluting Stenting Followed by Cilostazol Treatment Reduces Late Restenosis in Patients with Long Coronary Lesions) trial. J Am Coll Cardiol 2011; 57: 1264-70. pubmed
関連トライアル ADAPT-DES, DECLARE-DIABETES, DES LATE, EXCELLENT, KAMIR, KAMIR triple vs. dual antiplatelet therapy, OPTIMIZE, PRODIGY, PRODIGY type of stent, PRODIGY in-stent restenosis, REAL-LATE / ZEST-LATE, RESET, Sarafoff N et al, SPIRIT III, Yoon Y et al
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