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Roldan V et al Plasma von Willebrand factor levels are an independent risk factor for adverse events including mortality and major bleeding in anticoagulated atrial fibrillation patients
結論 抗凝固療法を受けている心房細動患者において,von Willebrand因子(vWF)高値(≧221IU/dL)は有害事象の独立予測因子であった。vWF値を塞栓および出血リスクスコアに追加すると,スコアの精度が向上する可能性が示唆された。

目的 抗凝固療法を受けていない心房細動患者ではvWF値は脳卒中および血管イベント発症と関連しているが,抗凝固療法中の患者におけるバイオマーカーの予後予測能については不明である。本試験では,長期抗凝固療法を受けている心房細動患者において,vWF値およびD-ダイマー値が塞栓リスクスコア(CHADS2スコアCHA2DS2VAScスコア),出血リスクスコア(HAS-BLED出血リスクスコア)の精度を向上させるか検討する。
デザイン 前向きコホート研究。
セッティング
期間 追跡期間中央値は828(範囲18~1085)日。
対象患者 829例。6カ月以上安定している,抗凝固クリニックに通院中の永続性/発作性心房細動患者連続例(INR 2.0~3.0)。
【除外基準】弁膜症性心房細動,人工弁,急性冠症候群,6カ月以内の脳卒中(塞栓性/虚血性)または血行動態不安定,6カ月以内の入院または外科的インターベンション。
【患者背景】年齢中央値は76(IQR 70~80)歳。男性50%。高血圧82%。糖尿病25%。心不全36.5%。脳卒中/一過性脳虚血発作既往18%。心血管疾患19%。高コレステロール血症30.5%。現喫煙13%。出血エピソード既往9%。CHADS2スコア2(IQR 2~3)。D-ダイマー257(177~389)ng/mL。vWF 171(131~230)IU/dL。
治療法
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
追跡期間中,有害心血管事象は95例(5.0%/年)に発症した。内訳は脳卒中/一過性脳虚血発作32例(1.7%/年),急性冠症候群36例(1.9%/年),急性心不全27例(1.5%/年)。
多変量解析によると,以下の項目が将来の心血管事象と関連していた。
年齢≧75歳:HR 2.00,95%CI 1.23-3.24,p=0.005。
脳卒中既往:HR 1.81,95%CI 1.14-2.87,p=0.012。
心不全:HR 1.79,95%CI 1.18-2.72,p=0.006。
vWF高値(≧221IU/dL):HR 2.71,95%CI 1.78-4.13,p<0.001。
以下の項目は全死亡と関連していた。
年齢≧75歳:HR 3.26,95%CI 1.71-6.19,p<0.001。
糖尿病:HR 1.92,95%CI 1.17-3.15,p=0.010。
現喫煙:HR 2.76,95%CI 1.56-4.89,p<0.001。
高コレステロール:HR 0.46,95%CI 0.25-0.85,p=0.014。
vWF高値(≧221IU/dL):HR 2.03,95%CI 1.24-3.32,p=0.005。
またvWF高値(≧221IU/dL)は以下の項目と関連していた。
脳卒中:HR 5.04,95%CI 2.40-10.59,p<0.001。
急性冠症候群:HR 3.42,95%CI 1.75-6.70,p<0.001。
心血管死:HR 3.05,95%CI 1.30-7.17,p=0.011。
大出血(ISTH基準):HR 4.47,95%CI 1.86-10.75,p=0.001。
vWFとCHADS2スコア,CHA2DS2VAScスコア,HAS-BLEDスコアを組み合わせることで,有害事象の予測精度がより高まった。
D-ダイマーには予後予測能は見いだせなかった。

●有害事象

文献: Roldán V, et al. Plasma von Willebrand factor levels are an independent risk factor for adverse events including mortality and major bleeding in anticoagulated atrial fibrillation patients. J Am Coll Cardiol 2011; 57: 2496-504. pubmed
関連トライアル ACTIVE W paroxysmal vs sustained, AFASAK 2 1999, J-RHYTHM Registry warfarin use, Poli D et al, Sadanaga T et al, SPAF I-III 1999, SPAF III 1998, SPAF III von Willebrand factor, SPORTIF risk of bleeding, Swedish Atrial Fibrillation cohort study, Themistoclakis S et al
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