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J-RHYTHM Registry anticoagulation
結論 わが国では脳塞栓リスクが比較的低い心房細動患者にもwarfarinが広く処方されており,患者の半数はCHADS2スコア0か1であった。
コメント 日本における大規模な心房細動のregistryで,今後の解析が注目される。本登録症例ではCHADS2スコア0点でも75%以上にワルファリンが処方されているが,多くの症例が循環器専門医が所属する病院でフォローされているため,日本の実態を示しているとは必ずしも言えない。ワルファリンコントロールの強度,TTRに関しては,現状を示す貴重なデータと評価できる。(是恒之宏

目的 わが国の心房細動患者管理において,warfarinが十分に投与されていないこと,あるいはINRの不適切管理は依然として問題となっている。本論文は,わが国の心房細動患者における抗凝固療法の現況を明らかにする。
デザイン 前向き観察研究。UMIN000001569。
セッティング 多施設(158施設),日本。
期間 登録期間は2009年1~7月。
対象患者 7937例。外来通院しているすべてのタイプの心房細動患者連続例。
【除外基準】1年以上洞調律が保たれている症例,入院患者。
【患者背景】[warfarin投与の有無別]平均年齢は全体(7937例)69.7±9.9歳, warfarin群(6932例)70.0±9.5歳, 非warfarin群(1005例)67.8±11.8歳(p<0.0001)。全体および各群の男性68.9%, 68.7%, 70.2%。心房細動のタイプ(p<0.0001): 発作性37.1%, 33.7%, 60.6%, 持続性14.4%, 15.0%, 10.8%, 永続性48.5%, 51.3%, 28.7%。併存疾患: 高血圧59.1%, 59.9%, 53.3%(p<0.0001), 冠動脈疾患10.1%, 10.3%, 9.4%, 心筋症8.3%, 8.8%, 4.7%(p<0.0001), うっ血性心不全1.3%, 1.3%, 1.1%, 弁膜症13.7%, 14.4%, 9.0%(p<0.0001), 糖尿病18.2%, 18.9%, 13.5%(p<0.0001), 脳卒中/一過性脳虚血発作14.0%, 15.1%, 6.7%(p<0.0001)。CHADS2スコア(p<0.0001)0: 15.6%, 13.7%, 29.1%, 1: 34.0%, 33.5%, 37.3%, 2: 27.8%, 28.9%, 20.5%, 3: 14.4%, 15.4%, 8.0%, 4: 5.7%, 6.1%, 3.5%, 5以上: 2.3%, 2.5%, 1.7%。心拍数(/分)72.5±13.2, 72.6±13.1, 72.0±13.7。SBP(mmHg)125.7±16.1, 125.6±16.1, 127.0±16.5(p=0.0083), DBP(mmHg)73.1±11.1, 73.0±11.2, 73.9±10.6(p=0.0077)。
[年齢別の薬物投与率]warfarinは全体(7937例)87.3%, <70歳(3640例)85.1%,≧70歳(4297例)89.2%。用量2.9±1.2mg/日, 3.2±1.2mg/日, 2.6±1.1mg/日。抗血小板薬25.9%, 22.6%, 28.6%。aspirin 22.3%, 20.2%, 24.1%, ticlopidine 2.9%, 2.0%,3.6%, clopidogrel 1.1%, 0.9%, 1.3%。warfarin+aspirin併用18.5%, 14.8%, 21.7%。
治療法
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
心房細動のタイプは発作性37.1%, 持続性14.4%, 永続性48.5%であった。
全体として 87.3%がwarfarin投与を受けていた(2.9±1.2mg/日)。aspirinを処方されていたのは全体の22.3%であった。
INRについて,年齢別の有意差は認められなかった。
<1.6:全体25.4%,<70歳25.4%,≧70歳25.4%。
1.6~2.6:全体66.0%,<70歳65.8%,≧70歳66.2%。
2.0~3.0:全体35.4%,<70歳37.0%,≧70歳34.1%。
心房細動のタイプ別のCHADS2スコアは以下の通りであった。
0:全体15.7%,発作性20.8%,持続性19.4%,永続性10.6%。
1:全体34.0%,発作性38.5%,持続性32.4%,永続性31.0%。
≧2:全体50.3%,発作性40.7%,持続性48.2%,永続性58.4%。

●有害事象

文献: Atarashi H, et al.; The J-RHYTHM Registry Investigators. Present Status of Anticoagulation Treatment in Japanese Patients With Atrial Fibrillation. Circ J 2011; 75: 1328-33. pubmed
関連トライアル ACTIVE W paroxysmal vs sustained, AFASAK 2 1999, ARISTOTLE-J, Fukuoka Stroke Registry, HAT 1, Hylek EM et al, J-RHYTHM Registry warfarin use, J-RHYTHM target INR values, MOCA, NABOR, SPAF III 1996
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