抗血栓トライアルデータベース
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Italian AT-500 Registry
結論 心房細動患者の脳卒中リスクスコアであるCHA2DS2VAScスコアは,血栓塞栓リスク予測について高い感度を有していた。心房細動の存在/期間/持続時間を考慮に入れることで,リスクスコアを改善する可能性が示唆された。
コメント 以前よりsmall studyにおいて,24時間未満の発作性心房細動でおさまっている症例では24時間以上続く症例に比べて,脳梗塞の発症が少ないことが報告されている。今回も,心房細動の期間/持続時間を考慮することによりリスクスコアを改善する可能性を示している。問題は,日常診療において正確な持続時間を把握することが困難である点である。自覚症状のみで持続時間は正確にはわからないため,特殊なペースメーカー植込みがされた患者においてのみ有用であると考えておいた方がよい。(是恒之宏

目的 心房細動患者の脳卒中リスクスコアについて,不整脈持続時間を考慮することにより予測能精度が上がるか検討する。
デザイン
セッティング
期間 追跡期間は1年。
対象患者 568例。二腔ペースメーカー植込みを受け,発作性心房性頻脈性不整脈の既往を有する患者。
【除外基準】
【患者背景】年齢≧75歳はAFフリー群31%,AF-5分群38%,AF-24時間群37%,65~74歳48%,46%,34%。各群の女性41%,64%,47%。うっ血性心不全1.2%,1.7%,1.3%。高血圧44%,49%,51%。糖尿病7.8%,7.3%,8.5%。血栓塞栓症既往1.2%,0.6%,2.2%。血管疾患14%,25%,18%。
治療法 抗血栓療法は,aspirin:AFフリー群30%,AF-5分群23%,AF-24時間群18%,経口抗凝固薬:19%,22%,42%,aspirin+経口抗凝固薬:6%,1.7%,4%。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
毎日の不整脈持続時間よりAFフリー群(最長持続時間≦5分/日,166例),AF-5分群(最長持続時間5分超24時間未満/日,179例),AF-24時間群(最長持続時間≧24時間,223例)の3群に分け,比較を行った。また脳卒中リスクスコア(CHADS2スコアCHA2DS2VAScスコア)によっても分類し,検討した。
追跡期間1年において,14例(2.5%)に血栓塞栓イベントが発症した。内訳は脳塞栓12例,末梢塞栓2例で,AFフリー群2例(1.2%),AF-5分群3例(1.7%),AF-24時間群9例(4.0%)であった。
不整脈持続時間を脳卒中リスクスコアに追加すると各スコアの予測能精度が改善された。
CHADS2単独:C統計量0.653,95%CI 0.50-0.81(p=0.051)。
CHADS2+不整脈持続時間:C統計量0.713,95%CI 0.56-0.86(p=0.007),感度79%,特異度63%。
CHA2DS2VASc単独:C統計量0.898,95%CI 0.84-0.96(p<0.001)
CHA2DS2VASc+不整脈持続時間:C統計量0.910,95%CI 0.86-0.93(p<0.0001),感度93%,特異度42%。

●有害事象

文献: Boriani G, et al.; for the Italian AT-500 Registry Investigators. Improving Stroke Risk Stratification Using the CHADS2 and CHA2DS2-VASc Risk Scores in Patients With Paroxysmal Atrial Fibrillation by Continuous Arrhythmia Burden Monitoring. Stroke 2011; 42: 1768-70. pubmed
関連トライアル Abraham JM et al, ACTIVE W paroxysmal vs sustained, Friberg L et al, NABOR, Pearce LA et al, SPAF I-III 2000, SPAF III 1998
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