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Kruetzelmann A et al Pretreatment diffusion-weighted imaging lesion volume predicts favorable outcome after intravenous thrombolysis with tissue-type plasminogen activator in acute ischemic stroke
結論 tPA静注を受けた虚血性脳卒中患者において,年齢,入院時のNational Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコア,拡散強調画像(DWI)病変容積は転帰良好と関連していた。発症から6時間以内の患者をMRIで選別すると,治療前の灌流強調画像(PWI)病変容積,および発症から治療までの時間は転帰と関連していなかった。
コメント 血栓溶解療法治療前の拡散強調画像の広がり(容積)が3カ月後の転帰の予測因子であることを示した点で,わが国の SAMURAI rt-PA Registry とも共通点が多く興味深いが,ASPECTSの方がより実践的であろう。(岡田靖

目的 MRI(DWI,PWI)はtPA静注によりベネフィットを受けられる患者を選択できる可能性が示唆されている。本解析では,発症から6時間以内にtPA静注を受けた虚血性脳卒中患者において,治療前のDWIおよびPWI病変容積が転帰と関連しているか検討する。
デザイン 後ろ向き観察研究。
セッティング 多施設,ドイツ。
期間
対象患者 174例。ATLANTIS,ECASS,NINDS tPA臨床試験におけるドイツ多施設のpooled dataからMRIにもとづき,発症から6時間以内にtPA静注を受けた中大脳動脈の虚血性脳卒中患者。
【除外基準】表記なし。
【患者背景】年齢中央値は転帰良好群[modified Rankin Score(mRS) 0~1]62(54~69)歳,転帰不良群(mRS 4~6)67(61~75)歳(p=0.001)。女性33.7%,46.2%。左側梗塞72.3%,63.7%。入院時のNIHSS中央値11(7~14),15(12~18)(p<0.001)。発症から治療までの時間中央値170(134~210)分,160(125~210)分。DWI病変容積12.9(4~27)mL ,20(10~48)mL(p=0.001)。PWI病変容積99(38~174)mL ,120(52~216)mL。
治療法 発症から3時間以内の患者に対しては認可されているプロトコールにしたがいtPAを静注。発症から3~6時間経過した患者に対しては,MRI所見にもとづく患者個別の基準にもとづきtPA静注を行った。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
90日後の転帰良好群は83例(48%)で,若く,入院時のNIHSSが低く,DWI病変容積が小さかった。PWI病変容積,発症から治療までの時間は有意差が認められなかった(患者背景の欄参照)。
年齢,入院時のNIHSS,DWI病変容積は転帰良好の独立予測因子であった。
年齢:OR 0.962,95%CI 0.932-0.993,p=0.017。
入院時のNIHSS:OR 0.861,95%CI 0.792-0.935,p<0.001。
DWI病変容積:OR 0.985,95%CI 0.970-1.000,p=0.047。
ROC解析による転帰良好の最適なカットオフ値は以下の通りであった。
年齢:<63歳(感度58%,特異度67%)。
入院時のNIHSSスコア:<13(感度64%,特異度73%)。
DWI病変容積:<16mL(感度59%,特異度64%)。
入院時のNIHSS,DWI病変容積は転帰不良群の独立予測因子であった。
入院時のNIHSS:OR 1.234,95%CI 1.108-1.375,p<0.001。
DWI病変容積:OR 1.014,95%CI 1.001-1.028,p=0.038。

●有害事象

文献: Kruetzelmann A, et al. Pretreatment diffusion-weighted imaging lesion volume predicts favorable outcome after intravenous thrombolysis with tissue-type plasminogen activator in acute ischemic stroke. Stroke 2011; 42: 1251-4. pubmed
関連トライアル EPITHET, Machumpurath B et al, Mikulik R et al 2007, Rost NS et al, Schellinger PD et al, Singer OC et al, SITS-MOST multivariable analysis, Tsivgoulis G et al, 脳梗塞発症後3~4.5時間の時間枠におけるrt-PA静注の有効性および安全性
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