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TRANSFER-AMI risk stratification
結論 STEMI後の血栓溶解療法の治療効果には強い不均一性がみられ,GRACEリスクスコアが低/中等度の症例では早期PCIにより転帰の改善が認められたが,高リスク例では逆に悪化した。

目的 TRANSFER-AMI 試験のpost hoc解析として,STEMI患者において, GRACEリスクスコア(入院時の重症度により院内死リスクを予測する)により早期PCI,標準治療の転帰が異なるか検討する。本解析の一次エンドポイント:30日後の死亡または心筋梗塞再発。
デザイン TRANSFER-AMIはランダム化,非盲検。NCT00164190。
セッティング TRANSFER-AMIは多施設(53施設),カナダ。
期間
対象患者 1059例。tenecteplase投与を受けたSTEMI患者。前壁梗塞または高リスクの特徴(頻脈,低血圧,Killip分類II~III,ECGにて後壁または右心室の障害がみられる)を有する下壁梗塞症例。
【除外基準】登録前の心原性ショック,前月にPCI施行,CABG施行歴, 時宜を得たprimay PCI施行が可能など。
【患者背景】年齢中央値(IQR)は低/中等度リスク例55(49~62)歳,高リスク例75(68~81)歳*。男性82.3%,65.3%*。現喫煙47.4%,17.4%*。高血圧29.4%,52.9%*。脂質異常症26.9%,33.5%。糖尿病13.0%,25.3%*。心筋梗塞既往8.9%,18.2%*。心不全既往0.7%,4.7%*。血圧148(132~164)/86(75~97)mmHg,133(116~148)/77(66~85)mmHg*。症状発現からtenecteplase投与までの時間112(72~175)分,125(85~242)分(p=0.003)。GRACEリスクスコア118(104~133),171(162~190)。
*p<0.001
治療法 TRANSFER-AMIは以下の2群にランダム化。
標準治療群:rescue PCI,遅延冠動脈造影を含む。
早期PCI群:tenecteplase投与から6時間以内にPCI施行可能施設へ至急搬送。
本解析では対象患者をGRACEリスクスコアの点数により低/中等度リスク例(同スコア<155,889例),高リスク例(同スコア≧155,170例)により層別化し,検討。なおGRACEリスクスコア<155は院内死推定リスク≦5%,同≧155は>5%に相当する。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
割り付け治療とGRACEリスクスコアによる重症度の間には強い交互作用が認められた(交互作用p<0.001)。早期PCIは標準治療に比し,低/中等度リスク例では一次エンドポイントを抑制したが(2.9% vs 8.1%,p<0.001),高リスク例では逆に高くなった(27.8% vs. 13.8%,p=0.025)。
一次エンドポイントについて,GRACEリスクスコアを連続型変数として解析した場合(交互作用p<0.001),TIMI STEMIリスクスコアにより層別化した場合(交互作用p=0.001)とも,同様に不均一性が認められた。
30日後の死亡(交互作用p=0.008),1年後の死亡/心筋梗塞再発(交互作用p=0.001)についても同様の不均一性が認められた。

●有害事象

文献: Yan AT, et al.; for the TRANSFER-AMI Investigators. Relationship between risk stratification at admission and treatment effects of early invasive management following fibrinolysis: insights from the Trial of Routine ANgioplasty and Stenting After Fibrinolysis to Enhance Reperfusion in Acute Myocardial Infarction (TRANSFER-AMI). Eur Heart J 2011; 32: 1994-2002. pubmed
関連トライアル ExTRACT-TIMI 25 PCI, MHI Level 1 MI programme, PCI-CLARITY, STEMI患者における早期侵襲治療と標準保存治療の比較, STREAM, TIMI IIIB 1995, TRANSFER-AMI, TRIANA
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