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TAIST hemorrhagic transformation
結論 無症候性出血性変化は大脳皮質症候群をともなう虚血性脳卒中,大血管または心原性の虚血性脳卒中において増加した。無症候性出血性変化は急性期のヘパリン(tinzaparin)投与により増加せず,また3カ月後,6カ月後の機能転帰に影響を及ぼさなかった。

目的 虚血性脳卒中患者においてtinzaparin(175抗Xa IU/kg/日,100抗Xa IU/kg/日)の有効性および安全性をaspirin(300mg/日)と比較したTAIST試験のデータを用い,無症候性出血性変化と病型,原因,転帰,治療との関連を検討。
デザイン TAISTはランダム化,二重盲検。
セッティング
期間
対象患者 1297例。TAIST試験対象者(発症から48時間以内の虚血性脳卒中患者)のうち,評価可能なクオリティの追跡CT画像が得られた症例。
【除外基準】ランダム化前のCTスキャンにて出血が認められた患者。
【患者背景】年齢は非無症候性出血性変化群(855例)71.9±11.0歳,無症候性出血性変化群(434例)71.0±10.9歳。男性52.6%,59.4%(p=0.02)。平均SBP 158.1±22.8mmHg,154.2±22.0mmHg(p=0.006),DBP 85.4±12.0mmHg,83.6±12.2mmHg(p=0.012)。TIA既往17.8%,13.4%。脳卒中既往12.9%,13.8%。心筋梗塞既往14.4%,17.5%。高血圧既往49.5%,48.2%。糖尿病既往18.2%,12.5%(p=0.009)。脂質異常症13.4%,18.9%(p=0.006)。心房細動既往9.0%,17.5%(p<0.001)。現喫煙26.5%,27.6%。スカンジナビア脳卒中スケール38(30~45),26(14~34)(p<0.001)。梗塞容積1.55±6.19cm 3,10.4±12.2cm 3p<0.001)。
治療法 TAISTはtinzaparin 175抗Xa IU/kg/日群(430例),同100抗Xa IU/kg/日群(439例),aspirin 300mg/日群(430例)にランダム化し,試験薬を10日間投与。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
day 10において,無症候性出血性変化はtinzaparin 175 抗Xa IU/kg/日群135例(31.4%),同100 抗Xa IU/kg/日群158例(36.0%), aspirin 300mg/日群141例(32.8%)で,有意差は認められなかった(p=0.44)。病変容積も11.1±12.8cm3,10.3±12.4cm3,10.2±12.4cm3と同等であった(p=0.82)。
Oxford Community Stroke Project分類で検討すると,無症候性出血性変化は全前方循環脳卒中(OR 11.5,95%CI 7.1-18.7),部分的前方循環脳卒中(OR 7.2,95%CI 4.5-11.4)でラクナ梗塞に比し増加した。
TOAST分類で検討すると,無症候性出血性変化は大血管脳卒中(OR 15.1,95%CI 9.4-24.3),心原性脳塞栓(OR 14.1,95%CI 8.5-23.5)で小血管疾患に比し増加した。
梗塞体積などを補正後,無症候性出血性変化は3カ月後,6カ月後の転帰[modified Rankin Score(mRS)Barthel Index]に影響を及ぼしていなかった。

●有害事象

文献: England TJ, et al.; on behalf of the TAIST Investigators. Asymptomatic Hemorrhagic Transformation of Infarction and Its Relationship With Functional Outcome and Stroke Subtype: Assessment From the Tinzaparin in Acute Ischaemic Stroke Trial. Stroke 2010; 41: 2834-9. pubmed
関連トライアル Camerlingo M et al, CAST, CAST-IST, ESPRIT , FRISC, HAEST subanalysis, IST 1997
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