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CURRENT-OASIS 7 undergoing PCI
結論 PCIを受けた急性冠症候群(ACS)患者において,clopidogrelの負荷用量・初期維持用量の2倍用量,7日間投与は通常用量に比し,心血管イベントおよびステント血栓症を抑制した。aspirinは用量別の有意差は認められなかった。
コメント 本試験である CURRENT-OASIS 7の結果を最も重視すべきである。(後藤信哉

目的 CURRENT-OASIS 7のサブ解析として,対象患者をPCI施行例に限定してclopidogrel,aspirinの各レジメンの有効性および安全性を検討。有効性の一次エンドポイント:30日後の心血管死,心筋梗塞(MI),脳卒中の複合。
デザイン CURRENT-OASIS 7の事前に計画されたサブ解析。本試験はランダム化,2×2ファクトリアル(clopidogrelは二重盲検,aspirinはオープン)。NCT00335452。
セッティング 多施設(597施設),39カ国(北米,南米,欧州,アジア,オセアニア)。
期間 試験期間は2006年6月~2009年7月。
対象患者 17263例。CURRENT-OASIS 7対象患者[ACSに合致する症状(ST上昇の有無は問わない),虚血と適合する心電図の変化または心マーカーの上昇が認められる,可能な限り早期(72時間以内)にPCIを施行する予定で冠動脈造影を施行]のうち,当該イベントに対しPCIを施行した症例。
【除外基準】出血リスク上昇または活動性出血など。
【患者背景】平均年齢はclopidogrel 2倍用量群61.2±11.7歳,通常用量群61.2±11.6歳;aspirin高用量群61.1±11.6歳,低用量群61.3±11.7歳。女性24.0%,25.1%;24.9%,24.1%。不安定狭心症/NSTEMI 62.8%,63.4%;63.4%,62.9%。病歴:現喫煙37.5%,36.6%;36.8%,37.3%,高血圧59.4%,58.8%;59.0%,59.2%,脂質異常症40.3%,40.3%;40.4%,40.2%,糖尿病22.3%,22.2%;22.9%,21.6%,MI 17.2%,16.8%;17.1%,16.9%。バイオマーカー上昇67.3%,67.1%;67.1%,67.3%。
治療法 clopidogrelはランダム化直後,冠動脈造影前に投与。
2倍用量群(8560例):初日負荷用量600mg投与後,2~7日目は150mg,1日1回投与,8~30日目は75mg,1日1回投与。
通常用量群(8703例);初日負荷用量300mg投与後,2~30日目は75mg,1日1回投与。
aspirinは初日に両群ともに負荷用量≧300mgを投与し,2~30日目は以下の用量をそれぞれ投与。
高用量群(8624例):300~325mg/日。
低用量群(8639例):75~100mg/日。
抗凝固薬,GP IIb/IIIa受容体拮抗薬の投与,ステントの選択は担当医の判断とし,ビタミンK拮抗薬は最初の7日間は投与不可とした。
追跡完了率
結果

●評価項目
一次エンドポイントについて,clopidogrelでは2倍用量群の方が少なかったが,これは主にMIが抑制されたことによるものであった。aspirinでは用量別の有意差は認められなかった。
clopidogrel:2倍用量群330例(3.9%) vs 通常用量群392例(4.5%), 調整HR 0.86,95%CI 0.74-0.99,p=0.039。
aspirin:高用量群356例(4.1%) vs 低用量群366例(4.2%),調整HR 0.98;0.84-1.13,p=0.76。
一次エンドポイントの各要素およびステント血栓症(definite)は以下の通りであった。
[clopidogrel]
心血管死:160例(1.9%) vs 169例(1.9%),調整HR 0.96;0.77-1.19,p=0.71。
MI:172例(2.0%) vs 226例(2.6%),調整HR 0.79;0.64-0.96,p=0.018。
脳卒中:30例(0.4%) vs 36例(0.4%),調整HR 0.87;0.53-1.41,p=0.56。
ステント血栓症(definite):58例(0.7%) vs 111例(1.3%),調整HR 0.54;0.39-0.74,p=0.0001。
[aspirin]
心血管死:156例(1.8%) vs 173例(2.0%),調整HR 0.90;0.72-1.12,p=0.35。
MI:196例(2.3%) vs 202例(2.4%),調整HR 0.97;0.80-1.19,p=0.80。
脳卒中:37例(0.4%) vs 29例(0.3%),調整HR 1.26;0.77-2.05,p=0.36。
ステント血栓症(definite):81例(0.9%) vs 88例(1.0%),調整HR 0.93;0.68-1.26,p=0.62。
[clopidogrelとaspirinの交互作用]
aspirin高用量群における一次エンドポイントはclopidogrel 2倍用量群で通常用量群に比し抑制されたが(3.5% vs 4.8%,HR 0.72;0.58-0.89,p=0.002),aspirin低用量群では有意差は認められなかった(4.2% vs 4.2%,HR 1.00;0.82-1.24,p=0.916)(交互作用p=0.026)。大出血については交互作用は認められなかった(交互作用p=0.42)。

●有害事象
大出血(本試験定義)は,clopidogrel 2倍用量群で通常用量群よりも有意に増加したが, TIMI定義およびaspirinでは有意な群間差は認められなかった。
(本試験定義)
clopidogrel:1.6% vs 1.1%,調整HR 1.41;1.09-1.83,p=0.009。
aspirin:1.5% vs 1.3%,調整HR 1.18;0.92-1.53,p=0.20。
(TIMI定義)
clopidogrel:1.0% vs 0.7%,調整HR 1.36;0.97-1.90,p=0.074。
aspirin:0.9% vs 0.7%,調整HR 1.29;0.93-1.80,p=0.13。

文献: Mehta SR, et al.; CURRENT-OASIS 7 trial investigators. Double-dose versus standard-dose clopidogrel and high-dose versus low-dose aspirin in individuals undergoing percutaneous coronary intervention for acute coronary syndromes (CURRENT-OASIS 7): a randomised factorial trial. Lancet 2010; 376: 1233-43. pubmed
関連トライアル CLASSICS, CREDO, CURRENT-OASIS 7, FUTURA/OASIS-8, GRAVITAS, Mishkel GJ et al, Moussa I et al, Müller C et al, PCI-CURE, PLATO STE-ACS, TRITON-TIMI 38, TRITON-TIMI 38 early and late benefits, TRITON-TIMI 38 PCI, WOEST
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