抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
RE-LY quality of INR control
結論 心房細動患者において,warfarinと比較したdabigatran 150mgの脳卒中発生率の抑制,同110mgの出血発生率の抑制,両用量の頭蓋内出血発生率の抑制は,いずれも施設ごとのPT-INRコントロールの質とは関連せず,一貫していた。PT-INR コントロール不良の施設では,dabigatranの全血管イベント,非出血性イベント,死亡の抑制効果はコントロール良好の施設に比し大きかった。
コメント PT-INRコントロール不良の施設では,ダビガトランとワルファリンのoutcomeに差が大きく出たという結果であるが,本来かかる解析は,施設の平均TTRをもとに行うのではなく,個々の患者ごとにTTRの評価を行い,層別すべきと考えられる。その上で,ダビガトラン群はまとめて1つの結果とし,個々のTTR不良~良好群と比較したデータを見たいものである。(是恒之宏

目的 warfarinの有効性および安全性はPT-INR治療域内時間(TTR)に関連する。本論文はRE-LY試験のサブ解析として,試験参加施設の平均TTR(cTTR)を用いてエンドポイントを検討する。有効性の一次エンドポイント:脳卒中または全身性塞栓症。安全性の一次エンドポイント:大出血。
デザイン RE-LYはPROBE(prospective,randomized,open,blinded-endpoint),非劣性試験。dabigatranの2群間は盲検化。NCT00262600。
セッティング 本論文の対象は多施設(906/951施設),複数国。
期間
対象患者 18024例。RE-LY対象患者(確診された心房細動患者で,以下の1項目以上に該当する:脳卒中または一過性脳虚血の既往;うっ血性心不全またはLVEF<40%;75歳以上;65歳以上で糖尿病,高血圧,冠動脈疾患のいずれかをともなう)のうち,cTTR値が得られた施設の患者。
【除外基準】重篤な心臓弁障害,最近の脳卒中,出血リスク上昇の状態,クレアチニンクリアランス<30mL/分,活動性肝疾患。
【患者背景】年齢は<57.1%群70.0±9.5歳,57.1~65.5%群71.3±8.8歳,65.5~72.6%群72.1±8.3歳,>72.6%群72.5±7.8歳*。各群の男性60%,65%,65%,64%(p=0.0014)。心房細動の病型:持続性38%,29%,32%,28%*,発作性30%,35%,33%,34%*,永続性32%,36%,35%,38%*CHADS2スコア;0~1:28%,32%,32%,35%*,2:37%,35%,35%,36%,3~6:35%,33%,33%,29%*。脳卒中既往15%,13%,12%,10%*。心筋梗塞既往14%,17%,18%,17%*。心不全38%,33%,29%,27%*
*p<0.0001。
治療法 RE-LYはdabigatran 110mg群,同150mg群,warfarin群(月1回以上PT-INRを測定しPT-INR 2~3を維持するよう投与)の3群にランダム化。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
cTTRの四分位数は<57.1%(4510例),57.1~65.5%(4564例),65.5~72.6%(4445例),>72.6%(4505例)であった。また,日本の平均TTRは58%であった。
dabigatran群とwarfarin群の比較において,cTTRと一次エンドポイント予防との間に相互作用は認められなかった(110mg群:相互作用p=0.89,150mg群:相互作用p=0.20)。
頭蓋内出血についても同様に,cTTRとは関係なくdabigatran群の方が低かった(110mg群:相互作用p=0.71,150mg群:相互作用p=0.89)。
全血管イベント(脳卒中,全身性塞栓症,肺塞栓症,心筋梗塞,死亡,大出血)についてはdabigatran両群ともcTTRとの相互作用が認められた(110mg群:相互作用p=0.036,150mg群:相互作用p=0.0006)。
全死亡については,相互作用は認められなかった(110mg群:相互作用p=0.066,150mg群:相互作用p=0.052)。

●有害事象
dabigatran群とwarfarin群の比較において,110mg群ではcTTRと大出血との間に相互作用は認められなかったが(相互作用p=0.50),150mg群では相互作用が認められた(相互作用p=0.03)。

文献: Wallentin L, et al.; RE-LY investigators. Efficacy and safety of dabigatran compared with warfarin at different levels of international normalised ratio control for stroke prevention in atrial fibrillation: an analysis of the RE-LY trial. Lancet 2010; 376: 975-83. pubmed
関連トライアル AFASAK 2 1999, AMADEUS, ARISTOTLE, ARISTOTLE previous stroke/TIA, ARISTOTLE risk score, ARISTOTLE time in therapeutic range, ARISTOTLE type and duration of AF, BAFTA, dabigatran,rivaroxaban,apixabanの間接比較, ENGAGE AF-TIMI 48, Hylek EM et al, JNAF-ESP, Lakkireddy D et al, Larsen TB et al, Majeed A et al, PROTECT AF, RE-ALIGN, RE-COVER, RE-COVER II , RE-LY, RE-LY Asian subgroup, RE-LY cardioversion, RE-LY concomitant use of antiplatelet, RE-LY exposure of VKA, RE-LY intracranial hemorrhage, RE-LY Japanese population, RE-LY periprocedural bleeding, RE-LY previous TIA or stroke, RE-LY risk of bleeding, RE-MEDY & RE-SONATE, RE-NOVATE, RELY-ABLE, ROCKET AF, ROCKET AF post hoc analysis, ROCKET AF previous stroke/TIA, ROCKET AF renal dysfunction, SPAF III 1996, SPORTIF II , SPORTIF III, SPORTIF pooled analysis, SPORTIF V, カテーテルアブレーション施行患者におけるdabigatranの安全性および有効性, 心房細動患者の脳卒中予防におけるwarfarinの心筋梗塞保護効果, 新規経口抗凝固薬4剤のwarfarinに対する有効性・安全性, 人工股関節,膝関節全置換術施行患者のVTE予防におけるdabigatranの有効性および安全性
関連記事