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ISAR-REACT 3A Intracoronary Stenting and Antithrombotic Regimen: Rapid Early Action for Coronary Treatment 3A
結論 clopidogrel負荷用量投与後PCIを受けた心筋マーカー陰性の患者において,未分画heparin(UFH)100U/kg投与は歴史的対照の140U/kg投与に比し,正味の臨床ベネフィットが得られた。これは主に出血が減少したためであった。
コメント 本試験は仮説を検証するランダム化比較試験ではない。一般的に未分画heparinの用量を減少させようとする方向性を支持する試験であるともいえる。(後藤信哉

目的 ISAR-REACT 3試験において,UFH 140U/kgの正味の臨床転帰はbivalirudinと同等であったものの,出血リスクが上昇した。本試験は心筋マーカーが陰性のPCI施行患者において,UFH を100U/kgに減量することにより正味の臨床転帰が改善するか検討する。歴史的対照としてISAR-REACT 3の140U/kg群との比較を行い,さらに,同試験bivalirudin群との非劣性の検討も行う。一次エンドポイント:正味の臨床転帰(30日以内の全死亡,心筋梗塞,緊急標的血管血行再建術,入院中のREPLACE-2出血基準大出血)。
デザイン オープン,単群試験。NCT00735280。
セッティング 多施設(3施設),ドイツ。
期間 登録期間は2008年8月~2010年2月。
対象患者 2505例。ISAR-REACT 3と同一(インターベンションの2時間以上前にclopidogrel 600mg前投与された後PCI施行を受ける,心筋マーカー陰性の安定/不安定狭心症患者)。
歴史的対照:ISAR-REACT 3の140U/kg群(2281例),bivalirudin群(2289例)。
【除外基準】ISAR-REACT 3と同一。
【患者背景】年齢は本試験UFH 100U/kg群67.9(60.0~74.4)歳ISAR-REACT 3の140U/kg群67.5(60.2~74.2)歳,bivalirudin群67.8(60.4~73.8)歳。女性22.1%,23.2%,23.8%。糖尿病a 30.3%,27.9%,27.0%。現喫煙14.9%,14.8%,14.3%。高血圧a91.1%,89.6%,88.9%。高コレステロール血症a, b71.5%,78.7%,80.8%。狭心症a, b:不安定22.6%,18.2%,18.4%,安定77.4%,81.8%,81.6%。病変数a, b:1枝13.5%,20.1%,19.7%,2枝24.6%,28.8%,27.7%,3枝61.8%,51.0%,52.6%。ap<0.05(UFH 100U/kg群vs bivalirudin群),bp<0.001(UFH 100U/kg群vs 140U/kg群)
治療法 全例に,ガイドワイヤーが病変部を通過する前にUFH 100U/kgボーラス投与。活性凝固時間(ACT)モニタリングは必須ではなく,追加ボーラス投与は行わなかった。全例にclopidogrel 600mgをPCIの最低2時間前に,またaspirin 325~500mgも投与した。活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)が<50秒になりしだいシースを抜去し,用手的圧迫を実施した。
手技後はaspirin 80~325mg/日無期限投与。clopidogrelは退院まで(最大3日間)75~150mg/日投与,その後75mg/日を,ベアメタルステント施行例では最低1ヵ月,薬剤溶出性ステント施行例では6ヵ月間投与。
追跡完了率 30日間の追跡終了は2484/2505例。
結果

●評価項目
一次エンドポイントはUFH 100U/kg群183例(7.3%)で,ISAR-REACT 3の140U/kg群199例(8.7%)に比し抑制された(未補正HR 0.81,95%CI 0.67-1.00,p=0.045,補正HR 0.75,95%CI 0.60-0.92)。
内訳は,死亡:5例(0.2%)vs 4例(0.2%)。
心筋梗塞:99例(4.0%)vs 110例(4.8%)。
緊急標的血管血行再建術:22例(0.9%)vs 17例(0.7%)。
REPLACE-2出血基準大出血は91例(3.6%)vs 104例(4.6%)であった(未補正HR 0.79,95%CI 0.59-1.05,p=0.11,補正HR 0.71,95%CI 0.53-0.97,p=0.03)。
TIMI出血基準大出血は16例(0.6%)vs 24例(1.1%)に発生した。
一次エンドポイントについて,UFH 100U/kg群とISAR-REACT 3のbivalirudin群との差は-1%で,非劣性基準に合致した(非劣性p<0.001,HR 0.78,95%CI 0.65-0.93)。

●有害事象
[評価項目]に表記。

文献: Schulz S, et al.; for the Intracoronary Stenting and Antithrombotic Regimen: Rapid Early Action for Coronary Treatment (ISAR-REACT) 3A Trial Investigators. ISAR-REACT 3A: a study of reduced dose of unfractionated heparin in biomarker negative patients undergoing percutaneous coronary intervention. Eur Heart J 2010; 31: 2482-91. pubmed
関連トライアル ACUITY, ACUITY bivalirudin, ACUITY switching to bivalirudin, ARMYDA-5 PRELOAD, CREDO, ExTRACT-TIMI 25 clopidogrel, HORIZONS-AMI , ISAR-REACT 3, ISAR-REACT 3, ISAR-REACT 3 bleeding and MI, OASIS-6, PCI-CURE, PRAGUE-8
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