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ONSET/OFFSET dyspnea
結論 呼吸困難はticagrelor投与患者によくみられ,しばしば投与1週目に発生するが,ticagrelorと心肺機能の悪化との関連は認められなかった。
コメント チカグレロー投与後の自覚的な呼吸困難感は,臨床現場においてACS症例へのチカグレロー投与を躊躇させる最大の因子である。PLATO試験では大きな問題ではないとされたが,治療後6週以内に38.6%におこる自覚的な呼吸困難感は大きな問題である。(後藤信哉

目的 ticagrelorはclopidogrelに比し心筋梗塞および急性冠症候群による死亡を抑制したが,副作用として呼吸困難が指摘されている。本論文では,ONSET/OFFSET試験対象患者において,ticagrelor投与が心肺機能の変化と関連しているか検討する。
デザイン 本論文はONSET/OFFSET試験サブ解析。NCT00528411。
セッティング 多施設。米国,英国。
期間 登録期間は2007年10月17日~2009年3月5日。
対象患者 123例。18歳以上;aspirin(75~100mg/日)治療を受けている安定冠動脈疾患患者。
【除外基準】1年以内の急性冠症候群;確診されたうっ血性心不全,慢性閉塞性肺疾患,慢性または活動性喘息,心肺データ解釈に影響を及ぼすおそれのある他の心肺疾患;左室駆出率<35%;FEV1またはFVCが正常値下限未満;前月のたばこ製品の使用;中等度~強度のcytochrome P450 3A阻害剤,強力なCYP3A誘発因子,治療係数が低いCYP3A基質の使用。
【患者背景】平均年齢はticagrelor群62±9歳,clopidogrel群65±8歳,プラセボ群64±8歳。各群の女性25%,26%,17%。喫煙経験者51%,50%,58%。高脂血症95%,96%,100%。高血圧77%,72%,75%。糖尿病21%,19%,42%。
治療法 ONSET/OFFSET試験はticagrelor群(57例。負荷用量180mg,その後維持用量90mg,1日2回を6週間投与),clopidogrel群(54例。負荷用量600mg投与後,翌日より維持用量75mg,1日1回を6週間投与),プラセボ群(12例)にランダム化。
全例にaspirin 75~100mg/日を併用投与。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
治療6週後における呼吸困難の発生はticagrelor群38.6%で,clopidogrel群9.3%(p<0.001),プラセボ群8.3%(p<0.05)に比し多かった。ticagrelor群3例が呼吸困難のため試験薬を中止したが,大部分は軽症かつ24時間未満であった。
ticagrelor群22例の呼吸困難は投与後24時間以内が8例,1週間以内が17例であった。
心/肺機能パラメータは,全群においても,ticagrelor群の呼吸困難発症患者においても,ベースラインと6週後で差はみられなかった。

●有害事象

文献: Storey RF, et al., ONSET/OFFSET Investigators Incidence of dyspnea and assessment of cardiac and pulmonary function in patients with stable coronary artery disease receiving ticagrelor, clopidogrel, or placebo in the ONSET/OFFSET study. J Am Coll Cardiol 2010; 56: 185-93. pubmed
関連トライアル 3T/2R, APPRAISE, CLASSICS, COMMIT, CREDO, CURE, Helft G et al, Mishkel GJ et al, Moussa I et al, OCLA, ONSET/OFFSET, PCI-CLARITY, PCI-CURE, PLATO, PLATO bleeding complications, PLATO cECG substudy, PLATO invasive strategy, PLATO renal function, PLATO stent thrombosis, PLATO undergoing CABG
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