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Lubitz SA et al Comparative performance of gene-based warfarin dosing algorithms in a multiethnic population
結論 人種的,民族的に多様な集団において,遺伝子にもとづいたwarfarin用量調整アルゴリズムはwarfarin必要量の変動の1/3~1/2を明らかにした。臨床的変数およびwarfarinに関連する遺伝子変異を追加しても予測は向上しなかった。

目的 遺伝子にもとづいたwarfarin用量調整アルゴリズムは主として同質な集団で開発されており,一般化の可能性はまだ確立されていない。本研究では,人種的,民族的に多様な集団においてアルゴリズムを評価し,付加的な臨床変数や用量に関連する遺伝的変異がアルゴリズムに影響を及ぼすかを検討する。
デザイン 登録研究。
セッティング 多施設,米国。
期間 実施期間は2007年7月~2009年6月。
対象患者 269例。warfarin投与および管理を受けている成人患者;標的PT-INRが2.0~3.0;1週間以上間隔をあけたPT-INR測定が2回連続以上治療域内。
【除外基準】コンプライアンス情報未入手,コンプライアンス評価の質問で不良であった者。
【患者背景】平均年齢は67±14歳。男性62%。人種:白人57%,アフリカ系19%,ヒスパニック系14%,アジア系10%。BMI 29±7kg/m2。喫煙4%。抗凝固薬の主な適応:心房細動73%,深部静脈血栓症または肺塞栓症15%,その他12%。併用薬数5.7±2.9。warfarinと相互作用がある併用薬の数:なし32%,1剤39%,2剤以上30%。
治療法 用量を調整したwarfarinを投与。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
全例における1週あたりのwarfarin用量中央値は35mg(IQR 23-53)であった。
warfarinの用量はCYP2C9p=0.03),VKORC1p<0.001)では異なっていたが,VKORC1 g.106G>T(p=0.27),g.698C>T(p=0.27),CYP4F2*3p=0.15),CYP4F2-rs2189784(p=0.49),CALUp=0.16),GGCXp=0.80),人種/民族(p=0.17)では有意差は認められなかった。

遺伝子にもとづいたwarfarin用量調整アルゴリズム12件について検討したところ,すべてのアルゴリズムはwarfarin必要量の変動を有意に説明した(p<0.001)。各アルゴリズムにより説明できた変動は全体の37%(Eur J Clin Pharmacol 2007;63:1135)から55%(Pharmacogenomics 2008;9:169)であった。
人種,併用薬の数,warfarinと相互作用がある併用薬の数,CYP4F2CALUGGCX変異遺伝子型を追加しても,アルゴリズムの予測能は改善されなかった。

●有害事象
臨床的に重篤な出血イベントは5例に発生し,うち2例は血液製剤の輸血を必要とした。

文献: Lubitz SA, et al. Comparative performance of gene-based warfarin dosing algorithms in a multiethnic population. J Thromb Haemost 2010; 8: 1018-26. pubmed
関連トライアル Couma-Gen, Takeuchi F et al
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