抗血栓トライアルデータベース
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CHARISMA stroke severity
結論 aspirinにclopidogrelを追加しても,血管イベント高リスク者の脳卒中発症率および転帰に影響しなかった。
コメント 本研究から抗血小板薬の併用療法(アスピリン+クロピドグレル)が脳卒中の発症率や転帰を改善しないことが示された。 MATCH研究 BAT研究では抗血小板薬の併用療法が重篤な出血を増加させることが示されていることを加味すると,血栓性疾患の予防,特に脳梗塞予防に抗血小板薬を併用することには慎重な判断が求められるべきであろう。(矢坂正弘

目的 血管リスクの高い高リスク者において,clopidogrelが脳卒中の機能的重症度に影響を及ぼすか検討。本解析の一次エンドポイント:初回脳卒中イベントから3ヵ月後の転帰[modified Rankin Score(mRS)スコア]。
デザイン 本論文は CHARISMA試験の事前に定められていたサブ解析。CHARISMA試験はランダム化,二重盲検。intention-to-treat解析。
セッティング 多施設,複数国。
期間 追跡期間中央値は28ヵ月。
対象患者 436例。CHARISMA試験対象者(血管イベント高リスク者15603例)のうち,脳卒中を発症し,3ヵ月後にmRS評価を実施した症例。
【除外基準】寝たきり,認知症などの身体障害状態。
【患者背景】平均年齢はclopidogrel+aspirin群68.1±9.3歳,aspirin単独群68.2±10.1歳。男性68%,71%。既往:高血圧80%,81%,高コレステロール血症64%,64%,うっ血性心不全9%,6%,心筋梗塞26%,29%,心房細動7%,6%,脳卒中48%,52%,一過性脳虚血発作21%,16%,糖尿病47%,45%。末梢動脈疾患20%,24%。CHARISMA試験の対象となった疾患:なし1.5%,0%,無症候性(リスク因子のみ)18%,15%,症候性脳血管疾患51%,55%,症候性心血管疾患22%,24%,症候性末梢動脈疾患16%,17%。
治療法 CHARISMA試験はclopidogrel 75mg/日+aspirin 75~162mg/日投与群(7802例;clopidogrel+aspirin群)とaspirin 75~162mg/日投与群(7801例;aspirin単独群)にランダム化。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
本解析対象者(脳卒中発症患者)436例の内訳は,clopidogrel+aspirin群202例,aspirin単独群234例と同等であった(相対リスク減少[RRR]14%,95%CI -4-29%,p=0.12)。
脳卒中の病型は以下の通りであった。
虚血性脳卒中:171例(84.7%)vs. 198例(84.6%)。
出血性脳卒中:20例(9.9%)vs. 21例(9.0%)。
不明:11例(5.4%)vs. 15例(6.4%)。
脳卒中発症後3ヵ月の平均mRSスコアはclopidogrel+aspirin群3.6±2.3 vs aspirin単独群3.3±2.1と同等であった(p=0.15)。mRSスコアの分布についても,両群間に差はみられなかった。
脳血管疾患により本試験に参加した患者4320例のうち,追跡期間中に脳卒中を発症したのはclopidogrel+aspirin群103例,aspirin単独群130例であった(RRR 20%,95%CI-3-38%)。脳卒中の病型は虚血性脳卒中91例 vs. 113例,出血性脳卒中10例 vs. 9例。これらの患者におけるmRSスコアはclopidogrel+aspirin群3.4±2.1 vs aspirin単独群3.3±1.9と同等であった(p=0.48)。

●有害事象
[評価項目]に表記。

文献: Hankey GJ, et al.; on behalf of the CHARISMA Trial Investigators. Effect of Clopidogrel on the Rate and Functional Severity of Stroke Among High Vascular Risk Patients: A Prespecified Substudy of the Clopidogrel for High Atherothrombotic Risk and Ischemic Stabilization, Management and Avoidance (CHARISMA) Trial. Stroke 2010; 41: 1679-83. pubmed
関連トライアル AAASPS 2003, ACTIVE A, ACTIVE W, ACTIVE W paroxysmal vs sustained, CAPRIE 2000, CARESS, CHANCE, CHARISMA, CHARISMA atrial fibrillation, CHARISMA bleeding complications, CHARISMA smoking status, CHARISMA subgroup analysis, COMMIT, COMPASS, CREDO, EARLY, ESPRIT , FASTER, MATCH, PCI-CLARITY, PCI-CURE, PRoFESS acute ischemic stroke, PRoFESS disability and cognitive function, SITS-ISTR antiplatelet therapy, SPS3, SPS3 post hoc analysis, TRA 2P-TIMI 50 previous myocardial infarction, TRA 2P-TIMI 50 prior ischemic stroke
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