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SPOTRIAS University of California San Diego Specialized Program for Translational Research in Acute Stroke
結論 tPA投与を受けた虚血性脳卒中患者において,治療時間および治療後の転帰について性差は認められなかった。

目的 女性は男性より平均余命が長く,脳卒中発症率は加齢により上昇するため,脳卒中による死亡が多い。また,女性は男性に比し治療開始時間が遅い,血栓溶解療法実施率が低いなど,治療面でも性差がみられる。本論文では,虚血性脳卒中患者の診断および治療について ,性差を検討する。
デザイン 前向き登録研究。
セッティング 多施設(6施設),米国。
期間 登録期間は2001年1月~2009年4月。
対象患者 848例。救急部に入院し,tPA投与に関する判断がなされた虚血性脳卒中患者。
【除外基準】他院から搬送,院内にて脳卒中発症,出血性脳卒中。
【患者背景】[tPA投与例]女性148例(50.3%),男性146例(49.7%)。平均年齢は女性72歳,男性68歳(p=0.008)。リスク因子;冠動脈疾患14.9%,30.1%(p=0.002),心筋梗塞8.1%,21.2%(p=0.002),心房細動34.5%,18.5%(p=0.002),糖尿病18.2%,25.3%,高血圧70.3%,65.8%,脂質異常症28.4%,32.9%,喫煙16.2%,33.6%(p=0.001)。
[tPA非投与例]女性242例(44%),男性312例(56%)。平均年齢は女性72歳,男性68歳(p=0.001)。リスク因子;冠動脈疾患17.7%,26.3%(p=0.019),心筋梗塞11.2%,14.4%,心房細動20.7%,18.9%,糖尿病22.7%,19.2%,高血圧64.1%,63.8%,脂質異常症31.8%,32.7%,喫煙16.5%,29.8%(p<0.001)。
治療法 tPA投与。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
tPA投与率は女性38%,男性32%と同等であった。
tPA投与例,非投与例とも男性は喫煙率,冠動脈疾患既往率が高く,tPA投与例において心筋梗塞既往率,心房細動既往率が低かった。
入院時のNational Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコア中央値はtPA投与例:女性13 vs 男性10(p=0.10),非投与例:5 vs. 4(p=0.06)。
治療時間についてはtPA投与例,非投与例とも性差は認められなかった。
tPA投与例:発症から病院まで;女性78±38分 vs. 男性64±38分(p=0.951),発症から治療決定まで;137±41分 vs. 119±41分(p=0.286),発症からボーラスまで;157±51分 vs. 139±51分(p=0.259)。
非投与例:発症から病院まで;女性348±609分 vs. 男性372±609分(p=0.379),発症から治療決定まで;415±609分 vs. 440±609分(p=0.539)。
tPA投与例,非投与例の両方において,女性は男性に比し90日の転帰良好(mRS 0~1)が少なかったが,補正後は有意差は認められなかった。
tPA投与例:22.6% vs. 35.5%,OR 0.58,95%CI 0.28-1.18,p=0.13。
非投与例:47.3% vs. 57.3%,OR 0.83,95%CI 0.43-1.58,p=0.56。

●有害事象

文献: Tafreshi GM, et al. Gender differences in acute stroke treatment: the university of california san diego experience. Stroke 2010; 41: 1755-7. pubmed
関連トライアル Bhatia R et al, CASES elderly patients, ECASS-II blood pressure, Erlangen Stroke and Thrombolysis Database, Machumpurath B et al, rtPA血栓溶解療法の転帰における性差, SAINT postthrombolysis ICH
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