抗血栓トライアルデータベース
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GWTG-Stroke “golden hour” patients
結論 虚血性脳卒中患者の8分の1以上,発症時間が判明している症例では4分の1以上が発症から1時間以内に病院に到着していた。これらの患者では経過時間が長い患者に比し血栓溶解療法実施率は高かったが,病院到着から治療までの時間は長くかかっていた。

目的 急性脳虚血患者において,静注血栓溶解療法のベネフィットは強く時間依存的であるが,発症から病院到着までの時間と病院到着から治療開始までの時間には逆相関が認められるという報告がある。本論文はGet With the Guidelines(GWTG)-Strokeデータベースの解析の一つとして,最後に健常状態が確認されてから60分以内に救急部に到着した虚血性脳卒中患者の特徴を検討する。
デザイン コホート研究。
セッティング 多施設(905施設),北米。
期間 治療期間は2003年4月1日~2007年12月30日。
対象患者 106924例。GWTG-Strokeデータベースに登録された虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)患者431170例のうち,最後に健常状態が確認された時間が記録されており,救急車または自家用車で救急部に直接搬送された虚血性脳卒中患者。
【除外基準】直接救急部に搬送されず,最終診断がTIA,最後に健常状態が確認された時間が不明。
【患者背景】平均年齢は60分以内到着群71.3±14.4歳,61~180分到着群72.0±14.3歳,180分経過後到着群70.6±14.2歳*。女性50.8%,52.2%,51.5%(p=0.002)。救急医療による来院79.0%,72.2%,55.0%*。NIHSSスコア中央値(IQR)8(3~16),6(2~12),4(2~9)*。心房細動/粗動既往24.3%,21.7%,16.2%*。脳卒中/TIA既往30.0%,32.0%,29.6%*。冠動脈疾患/心筋梗塞既往29.4%,28.9%,26.3%*。頸動脈狭窄4.2%,4.4%,4.4%。糖尿病23.4%,27.0%,30.8%*。高血圧既往71.9%,73.7%,74.9%*。(*p<0.0001)
治療法
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
最後に健常状態が確認された時間が判明している106924例のうち,発症から病院到着までの時間が60分以内は30220例(28.3%),61~180分は33858例(31.7%),180分超は42846例(40.1%)であった。
試験期間中にtPA静注が行われたのは,最後に健常状態が確認された時間が判明しており,救急部に直接搬送された患者の11.8%であった。
60分以内到着群は61~180分到着群に比し,血栓溶解療法実施率が高かった(27.1% vs 12.9%,OR 2.51,95%CI 2.41-2.61,p<0.0001)。発症から病院到着までの時間と病院到着から治療までの時間に逆相関がみられ(相関係数-0.30),病院到着から治療までの時間は60分以内到着群の方が長かった(平均90.6分 vs 76.7分,p<0.0001)。
60分以内到着群において,病院到着から治療までの時間が60分以内であった割合は18.3%であった。この割合は2003年の12.8%から2007年は19.5%年と経年的に上昇した(年率1.2%)。

●有害事象

文献: Saver JL, et al.; GWTG-Stroke Steering Committee and Investigators. The "golden hour" and acute brain ischemia: presenting features and lytic therapy in >30,000 patients arriving within 60 minutes of stroke onset. Stroke 2010; 41: 1431-9. pubmed
関連トライアル Erlangen Stroke and Thrombolysis Database, Machumpurath B et al, SAINT postthrombolysis ICH, TPA Bridging Study
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