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CLOVIS
Clinical Implications of Clopidogrel Non-response in Cardiovascular Patients
結論 clopidogrelのノンレスポンダーにおいて虚血性イベント再発率は高かったが,試験間の不均一性が認められた。ノンレスポンスに関連した虚血性イベントリスクは,近年より正確に定義されている。試験間の不均一性はGP IIb/IIIa受容体拮抗薬の相互作用およびノンレスポンスを定義するカットオフ値の違いによるものかもしれない。
コメント クロピドグレルresponder,non responderなどが各種の血小板機能検査により恣意的に定義されている。本メタ解析では,恣意的な定義にかかわらず血小板機能検査によりresponderと定義された症例とnon responderと定義された症例のイベント発症率を比較した。両者にはイベント発症率において差違を認めたが,メタ解析としては試験間の不均一性も高いことを指摘している。血小板凝集率にてクロピドグレルの反応性を評価するという方法論自体に問題があると筆者は理解している。(後藤信哉

目的 先行研究にてclopidogrelノンレスポンダーにおける冠動脈イベントリスクが報告されているが,統計学的不均一性については解明されていない。本論文では,clopidogrelレスポンダーとノンレスポンダーについて,虚血性イベント発症率を比較するメタ解析を行う。また,不均一性についても検討する。
方法 電子データベース(MEDLINE,Embase,Web of Science,Cochrane Central Register of Controlled Trials,Pascal)および2005~2008年に開催された国際会議のアブストラクトについて,検索語;“ADP”“aggregation”“clopidogrel”を組み合わせて,以下の基準に合致する論文を検索。(1)clopidogrel投与を受け,症候性アテローム血栓症を有する,(2)多血小板血漿およびADPをアゴニストとして,light transmission aggregometry(LTA)にてclopidogrelに対する生物学的反応を評価,(3)GP IIb/IIIa受容体拮抗薬またはNSAIDs投与の24時間以上後にLTAを実施。関連のある場合は(4)虚血イベントを前向きにモニター,(5)前向きコホートまたはRCT(clopidogrelに対する反応と独立して治療が割り付けられた場合)。出版形式,言語の制限は設けなかった。電子データベースの検索の最終更新は2009年1月9日に行った。一部の論文については参考文献のハンドサーチも行った。
対象 15試験*が該当。
3960例(ノンレスポンダー996例+レスポンダー2964例)。
*:Muller et al(2003),Gurbel et al(2003),Mobley et al(2004),Matetzky et al(2004),Cuisset et al(2006),Hochholzer et al(2006),Campo et al(2006),Frere et al(2007),Angiolillo et al(2007),Buonamici et al(2007),Schwonberg et al(2007),Liu et al(2008),Gurbel et al(2008),Geisler et al(2008),Yong et al(2009)。
主な結果 ・虚血性イベント再発
虚血性イベント再発はノンレスポンダー群151例(15%)と,レスポンダー群121例(4%)に比し多かった(RR 3.53,95%CI 2.39-5.20,p<0.0001)。試験間の不均一性が認められた(Cochran p=0.01,I2=52%)。

試験の発表年とRRの間に相関が認められた(R2=0.42,p=0.01)。2007年以降発表の8試験では,2006年以前発表の6試験に比しRRが低かった(2007年以降:RR 2.93,95%CI 2.29-3.76;2003~2006年:RR 6.62,95%CI 3.67-11.93)(p=0.01)。
 
 clopidogrelノンレスポンスの定義について,ADP最大凝集カットオフ値が>65%と高かった3試験では,同値が≦65%の7試験に比しRRが高かった(>65%:RR 5.75,95%CI 3.21-10.33;≦65%:RR 2.88,95%CI 2.33-3.72)(p=0.03)。

GP IIb/IIIa受容体拮抗薬投与率10%以上の7試験では不均一性が認められたが(RR 3.83,95%CI 2.86-5.12,Cochran p=0.003,I2=70%),10%未満の6試験では不均一性は認められなかった(RR 2.45,95%CI 1.68-3.60,Cochran p=0.88,I2=0)。
文献: Combescure C, et al.; CLOpidogrel and Vascular ISchemic Events Meta-analysis Study Group. Clinical implications of clopidogrel non-response in cardiovascular patients: a systematic review and meta-analysis. J Thromb Haemost 2010; 8: 923-33. pubmed
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