抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
Takeuchi F et al Evaluation of pharmacogenetic algorithm for warfarin dose requirements in Japanese patients
結論 International Warfarin Pharmacogenetics Consortium(IWPC)薬理遺伝学アルゴリズムは,必要とするwarfarin用量が少なく過剰投与リスクのある日本人患者において,臨床応用性を有する。

目的 warfarin用量調整は個人間変動があることから難しく,適切な抗凝固コントロールのために薬理遺伝学が注目を集めている。アジア人はヨーロッパ人に比し,warfarin投与量が少なくても血栓塞栓症発症率が低いなどの人種差があるが,本論文ではこの人種差をふまえ,低用量warfarin療法を受けている日本人患者において,IWPC薬理遺伝学アルゴリズムを検証する。また,アルコール摂取および喫煙がwarfarin必要量に及ぼす影響についても検討する。
デザイン コホート研究。
セッティング 単施設,日本。
期間 表記なし。
対象患者 200例。当該施設の病院ベースコホート研究参加者より選別。
【除外基準】表記なし。
【患者背景】平均年齢67.8±10.3歳。男性136例/女性64例。身長160.3±14.6cm。体重61.4±12.7kg。warfarin用量3.05±1.20mg/日。抗凝固療法の主な理由:心房細動59.5%,人工弁13.5%,深部静脈血栓症/肺塞栓症6%,その他21%。amiodarone使用5.5%。VKORC1 rs9923231遺伝子型;G/G:1.5%,A/G:15.5%,A/A:83%。 CYP2C9遺伝子型;*1/*1:97.5%,*1/*3:2.5%,*3/*3:0%。アルコール:未経験33.5%,過去飲酒18%,現在飲酒48.5%。喫煙:未経験38%,過去喫煙49.5%,現在喫煙12.5%。
治療法 患者の抗凝固は標的PT-INR値(1.6~2.6)で安定して管理された。
追跡完了率
結果

●評価項目
[低用量群(≦10.5mg/週),25例](p=0.046)
薬理遺伝学アルゴリズムは臨床アルゴリズム(遺伝子型データなし)に比し,標的INR値を達成(誤差範囲:≦7mg/週)できた割合が高く(68% vs 36%),warfarin用量を実際より多く予測した割合が低かった(32% vs 64%)。実際より少なく予測した割合は両群とも0%。
[中等度用量群(10.5~31.5mg/週),151例](p=0.613)
薬理遺伝学アルゴリズムと臨床アルゴリズムの間に有意差は認められなかった。標的INR値を達成できた割合:80% vs 79%, warfarin用量を実際より多く予測した割合:1% vs 3%,実際より少なく予測した割合:19% vs 18%。
[高用量群(≧31.5mg/週),24例](p=0.050)
薬理遺伝学アルゴリズムは臨床アルゴリズムに比し標的INR値を達成できた割合が高く(21% vs 0%),warfarin用量を実際より少なく予測した割合が低かった(79% vs 100%)。実際より多く予測した割合は両群とも0%。

アルコール摂取者および喫煙者は非摂取者/非喫煙者に比し,warfarin用量の増加が認められた。過去飲酒+未経験 vs 現在飲酒:4.0mg/週(p=9.5×10-5,r2=0.06),過去喫煙+未経験vs 現在喫煙:3.3mg/週(p=0.03,r2=0.02)。
NNG(number needed to Genotype)は13.3であった。

●有害事象

文献: Takeuchi F, et al. Evaluation of pharmacogenetic algorithm for warfarin dose requirements in Japanese patients. Circ J 2010; 74: 977-82. pubmed
関連トライアル COAG, Couma-Gen, EU-PACT, Lubitz SA et al, MM-WES
関連記事