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RIETE fatal bleeding
結論 静脈血栓塞栓症(VTE)治療中の患者において,患者の特性および臨床検査値は致死的出血高リスクを同定することができる。

目的 RIETE(急性VTE患者レジストリー)のデータを用い,急性VTE発症後3ヵ月の致死的出血について,発生率およびリスク因子を評価し,致死的出血高リスク患者を同定することができるか検討する。評価項目:急性VTE発症後3ヵ月の致死的出血。
デザイン RIETEは前向き登録研究。
セッティング 多施設,5ヵ国(スペイン,フランス,イタリア,イスラエル,ブラジル)。
期間 本解析の対象患者の登録期間は2008年11月まで。追跡期間は3ヵ月。
対象患者 27962例。客観的検査(深部静脈血栓症:静脈造影または超音波検査,肺塞栓症:肺血管造影,肺シンチグラフィ,ヘリカルCTスキャン)により確診された症候性急性深部静脈血栓症または肺塞栓症患者連続例。
【除外基準】抗凝固療法を受けていない,他の試験に参加。
【患者背景】表記なし。
治療法 患者は各参加施設の基準にもとづき抗凝固薬の投与を受けた。初期療法は低分子量heparin(LMWH)22120例(91%),未分画heparin 1838例(7.5%),血栓溶解薬237例(1.0%),その他86例,その後の治療法は抗ビタミンK薬17072例(70%),LMWH 6111例(25%)。
追跡完了率 87%。
【脱落理由】同意撤回,追跡不能など。
結果

●評価項目
大出血発生は546例(2.24%),うち致死的出血は135例(0.55%)であった。致死的出血の内訳は消化管40%,頭蓋内25%,尿生殖器5.1%,血腫16%,その他13%。出血発生時のINR値は不明。
致死的出血は以下の項目(VTE診断時)と独立して関連しており,致死的出血リスクスコアは以下のように決定された。
VTE診断時の年齢が75歳超:OR 2.16,95%CI 1.49-3.16,p<0.001(致死的出血リスクスコア1点)。
転移性癌:OR 3.80,95%CI 2.56-5.64,p<0.001(2点)。
4日以上のベッド上臥床:OR 1.99,95%CI 1.40-2.83,p<0.001(1点)。
30日以内の大出血:OR 2.64,95%CI 1.44-4.83,p=0.002(1.5点)。
プロトロンビン時間異常:OR 2.09,95%CI 1.34-3.26,p=0.001(1点)。
血小板数<10000/μL:OR 2.23,95%CI 1.16-4.29,p=0.016(1点)。
CrCl <30 mL/分:OR 2.27,95%CI 1.49-3.44,p<0.001(1点)。
貧血:OR 1.54,95%CI 1.07-2.22,p=0.021(1点)。
遠位部DVT:OR 0.39,95%CI 0.16-0.95,p=0.038(-1点)。
致死性出血リスクスコア別の致死的出血発生率は以下の通りであった。
低リスク例(リスクスコア<1.5点,本解析対象者の64%):0.16%,95%CI 0.11-0.23。
中等度リスク例(1.5~4点,34%):1.06%,95%CI 0.85-1.30。
高リスク例(同>4点,2.2%):4.24%,95%CI 2.76-6.27。

●有害事象

文献: Nieto JA, et al.; Riete Investigators. Fatal bleeding in patients receiving anticoagulant therapy for venous thromboembolism: findings from the RIETE registry. J Thromb Haemost 2010; 8: 1216-22. pubmed
関連トライアル ENDORSE, fondaparinux によるVTE予防療法における大出血および死亡, Garcia DA et al, RIETE, van Gogh Studies prophylaxis
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