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EPITHET predictors of HT
結論 血栓溶解療法を受けた虚血性脳卒中患者において,治療前の拡散強調画像(DWI)体積および治療後の血圧は出血性変化の予測因子である。DWI体積が非常に大きい患者に対してはtPA静注を控えることを考慮すべきであり,また静注後はより厳密な血圧コントロールが求められる。

目的 虚血性脳卒中患者において,血栓溶解療法後の出血性変化の予測因子を同定。
デザイン 本論文は EPITHET試験(ランダム化)のサブ解析。
セッティング
期間
対象患者 97例。血栓溶解療法の禁忌をもたない,症状発現後3~6時間の虚血性脳卒中患者。
【除外基準】急性治療にもかかわらずSBP>185mmHg,中大脳動脈領域の1/3を超える虚血。
【患者背景】年齢は出血性変化がみられなかった症例70.9±14.3歳,HIが認められた症例71.3±13.1歳,PHが認められた症例74.4±9.1歳。治療までの時間296.5±42.1分,297.9±48.3分,283.2±54.2分。National Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコア(IQR)11(4~23),15(5~25),16(7~26)。心房細動30%,43.8%,78.6%(p=0.003)。再灌流40.6±48.9%,44.6±46.4%,46.1±36.9%。
治療法 症状発現後3~6時間以内にtPAまたはプラセボを投与。
追跡完了率 100%。EPITHET試験から3例除外。
結果

●評価項目
ECASS出血性変化分類による実質性出血(PH)はtPA群11/49例と,プラセボ群4/48例に比し多かった(p=0.049)。
出血性梗塞(HI)はtPA群12/49例と,プラセボ群20/48例に比し多い傾向が認められた(p=0.056)。

DWI体積はPHが認められた症例では63.1±56.1mLと,PHが認められなかった症例の27.6±39.0mLに比し大きかった(p=0.033)。HIが認められた症例は46.5±54.6mL(p=0.186)。

ベースライン時の血圧(SBP,DBP)について,出血性変化の有無による有意差は認められなかった。
治療後24時間の加重平均SBPは,PHが認められた症例では159.4±18.8mmHgと,認められなかった症例の143.1±20.0 mmHgに比し高かった(p=0.011)。DBPも同様であった(85.2±16.4mmHg vs 76.0±12.2mmHg,p=0.036)。

多項式ロジスティック回帰解析によると,PHの予測因子は以下の通りであった;DWI体積(10mL増加ごとのOR 1.16,95%CI 1.03-1.30),治療後24時間の加重平均SBP(10 mmHg上昇ごとのOR 1.59,95%CI 1.14-2.23),治療後24時間の加重平均DBP(10 mmHg上昇ごとのOR 1.75,95%CI 1.10-2.76),心房細動(OR 9.33,95%CI 2.30-37.94)。

●有害事象

文献: Butcher K, et al.; EPITHET Investigators. Postthrombolysis blood pressure elevation is associated with hemorrhagic transformation. Stroke 2010; 41: 72-7. pubmed
関連トライアル ECASS-II blood pressure, EPITHET, SAINT postthrombolysis ICH, SITS-ISTR blood pressure, SITS-MOST multivariable analysis, TIMI II Pilot and Clinical Trial, TIMI II Pilot and Randomized Clinical Trial, Tsivgoulis G et al
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