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ACUITY gastrointestinal bleeding
結論 急性冠症候群(ACS)患者において,消化管出血はたとえ大出血の基準に達していなくても深刻な状態であり,独立して死亡率および虚血性合併症と関連する。

目的 抗血栓療法中のACS患者において,消化管出血はよく起こる出血性合併症の一つであるが,消化管出血後の結果についての知見は不足している。本論文は,早期侵襲的治療を受ける中等度~高リスクのACS患者においてbivalirudinの有効性を検討した ACUITY試験のデータを用い,ランダム化後30日以内の消化管出血の発生率,予測因子,転帰を検討する。
デザイン PROBE(prospective,randomized,open,blinded-endpoint)。
セッティング 多施設(450施設),17ヵ国。
期間
対象患者 13819例。中等度~高リスクのACS患者。
【除外基準】―
【患者背景】年齢中央値(IQR)は消化管出血発生例70.0歳(60.0~76.0),非発生例63.0歳(54.0~71.0)(p<0.0001)。男性62.9%,70.0%(p=0.048)。糖尿病35.0%,28.0%(p=0.043)。貧血41.6%,20.7%(p<0.0001)。腎不全33.1%,18.9%(p<0.0001)。
治療法 heparin+GP IIb/IIIa受容体阻害薬群,bivalirudin+GP IIb/IIIa受容体阻害薬群,およびbivalirudin単独群にランダム化。
全例で割付け後72時間以内に血管造影を実施し,医師の判断によりPCI/CABG/薬物治療のいずれかに決定。入院期間中は全例にaspirin 300~325mg/日経口または250~500mg/日静注投与(退院後は75~325mg/日経口を無期限に処方)およびclopidogrel(初回投与量および時期は医師の判断による,PCI施行例は2時間以内に300mg以上を投与,冠動脈疾患例には75mg/日の1年間継続を推奨)を投与。
追跡完了率
結果

●評価項目
30日後の消化管出血は178例(1.3%)に認められた。
消化管出血の予測因子は以下の項目であった。
加齢(10歳上昇ごと):OR 1.61,95%CI 1.35-1.92(p<0.0001)
ベースライン時の貧血:OR 2.05,95%CI 1.42-2.97(p=0.0001)
試験薬投与から血管造影までの時間が長い(10時間延長ごと):OR 1.14,95%CI 1.05-1.23(p=0.0012)
喫煙:OR 1.73,95%CI 1.14-2.64(p=0.011)
1mm以上のST逸脱:OR 1.79,95%CI 1.12-2.85(p=0.015)
糖尿病:OR 1.46,95%CI 1.01-2.10(p=0.044)

消化管出血は以下の項目と強く関連した。
30日後の全死亡:HR 4.87,IQR 2.61-9.08(p<0.0001)
30日後の心臓死:HR 5.35,IQR 2.71-10.59(p<0.0001)
30日後の複合虚血イベント:HR 1.94,IQR 1.14-3.30(p=0.014)
1年後の全死亡:HR 3.97,IQR 2.64-5.99(p<0.0001)
1年後の心臓死:HR 3.77,IQR 2.14-6.63(p<0.0001)
1年後の心筋梗塞:HR 1.74,IQR 1.01-3.02(p=0.047)
1年後の複合虚血イベント:HR 1.90,IQR 1.37-2.64(p=0.0001)

ステント血栓症(ARC基準definite,probable,possible)は消化管出血発生例6例(5.8%)と,非発生例161例(2.4%)に比し多かった(p=0.009)。なお消化管出血発生例のうち5例は致死性であった。

●有害事象

文献: Nikolsky E, et al. Gastrointestinal bleeding in patients with acute coronary syndromes: incidence, predictors, and clinical implications: analysis from the ACUITY (Acute Catheterization and Urgent Intervention Triage Strategy) trial. J Am Coll Cardiol 2009; 54: 1293-302. pubmed
関連トライアル ACUITY, ACUITY 1-year results, ACUITY bivalirudin, ACUITY diabetes mellitus, ACUITY GP IIb/IIIa inhibitors , ACUITY switching to bivalirudin, Berger JS et al, HORIZONS-AMI , ISAR-REACT 3, ISAR-REACT 3 bleeding and MI, OASIS-5 and 6, OPUS-TIMI 16, TRITON-TIMI 38 early and late benefits, TRITON-TIMI 38 PCI
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