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REACH 3-year outcomes
結論 高い薬物療法実施率にもかかわらず,症候性アテローム血栓性疾患患者における3年後の再発率,再入院率は高かった。

目的 アテローム性血栓症に関する世界的規模の登録研究である REACH Registry の3年後のイベント発症率を検討。なおREACH Registryは症候性血管疾患患者だけでなくリスク因子保有者も対象としているが,本論文では症候性血管疾患患者についての結果を主に検討する。
デザイン 観察登録研究。
セッティング 多施設(5587施設),44ヵ国。
期間 登録期間は2003年12月~2004年12月。
対象患者 39675例。REACH Registryの対象者は安定症候性血管疾患(心血管疾患[CAD],脳卒中,一過性脳虚血発作,末梢動脈疾患[PAD])または複数の血管疾患リスク因子(高血圧,糖尿病,脂質異常症,頸動脈狭窄症,喫煙など)を有する外来患者。
【除外基準】他の試験に参加中,入院中。
【患者背景】平均年齢は68.5±10.0歳。男性67.8%。高血圧79.3%。糖尿病36.0%。総コレステロール上昇68.7%。肥満(≧30kg/m 2)25.9%。現在の喫煙14.3%。心不全15.0%。心房細動11.4%。
治療法 抗血栓薬使用率は下記の通り(表記はベースライン時→3年後の追跡時)。
何らかの抗血栓薬を1つ以上使用92.4%→92.1%。aspirin単独56.6%→56.9%。aspirin+他の抗血小板薬併用14.5%→12.8%。他の抗血小板薬単独13.6%→14.2%。経口抗凝固薬12.9%→13.5%。
追跡完了率 症候性血管疾患患者における3年間の追跡対象はベースライン時55499例中39675例,データ入手はこのうち32247例(保持率81%)。
結果

●評価項目
全例(症候性疾患患者+リスク因子保有者)における血管イベント(心筋梗塞[MI]/脳卒中/血管死)発症率は1年後4.2%,3年後11.0%であった。

[症候性疾患患者]
血管イベント発症率は1年後4.7%(CAD 4.5%,脳血管疾患[CVD]6.5%,PAD 5.4%),3年後12.0%(同11.6%,15.4%,14.8%)であった。
再入院率は1年後11.4%(CAD 12.4%,CVD 10.1%,PAD 19.2%),3年後21.3%(同23.0%,18.7%,33.6%)であった。
血管イベント+再入院発生率は1年後14.4%(CAD 15.2%,CVD 14.5%,PAD 21.1%),3年後28.4%(同29.7%,28.1%,40.4%)であった。
症候性疾患患者における血管イベント発症率は,リスク因子保有者に比し,1年後,3年後とも高かった;1年後4.7% vs 2.3%(p<0.001),3年後12.0% vs 6.0%(p<0.001)。

[3年後における疾患部位数別の検討]
血管死発生率:症候性血管疾患の部位が複数箇所の患者8.8% vs 1ヵ所の患者4.7%(p<0.0001)。
MI/脳卒中/血管死発生率:17.9% vs 10.5%(p<0.0001)。
MI/脳卒中/血管死/再入院発生率:40.5% vs 25.5%(p<0.001)。

[日本人患者4234例における解析]
全死亡発生率は5.21%(95%CI 4.47-5.94%),血管死発生率は2.42%(95%CI 1.91-2.92%),MI/脳卒中/血管死発生率は8.63%(95%CI 7.67-9.58%),MI/脳卒中/血管死/再入院発生率は17.34%(95%CI 16.10-18.56%)と,他国に比し低かった。

●有害事象

文献: Alberts MJ, et al.; for the REduction of Atherothrombosis for Continued Health (REACH) Registry Investigators. Three-year follow-up and event rates in the international REduction of Atherothrombosis for Continued Health Registry. Eur Heart J 2009; 30: 2318-26. pubmed
関連トライアル CAPRIE 2000, CHARISMA subgroup analysis, REACH 4-year outcomes, REACH Registry, SYNERGY long-term outcomes
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