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IPSS antithrombotic treatments
結論 幼児期発症動脈性虚血性脳卒中の治療法は虚血性脳卒中の病型や地理的要因により異なるが,抗凝固療法が一般に用いられていた。早期有害転帰の予測因子は動脈疾患,両側性虚血,入院時の意識レベル低値であった。

目的 幼児期発症動脈性虚血性脳卒中は臨床試験が行われておらず,治療法が国や施設で異なる。本論文では,急性期治療法の内容および早期転帰を検討する。
デザイン コホート研究。
セッティング 多施設(33施設),10ヵ国。
期間 登録期間は2003年1月1日~2007年10月1日。
対象患者 661例。2003年1月1日~2007年10月1日の間に診断を受けた生後28日~19歳の動脈性虚血性脳卒中および脳静脈洞血栓症患者。
【除外基準】原発性出血性脳卒中,分水界梗塞(神経血管画像における血管閉塞以外),脳室周囲白質軟化症,血栓溶解薬投与。
【患者背景】年齢中央値は心疾患患者2.5(0.1~18.5)歳,解離患者6.7(1.4~17.3)歳,鎌状赤血球病患者7.9(0.8~17.5)歳,その他6.1(0.1~19.0)歳。男児61%,81%,41%,58%。
治療法 病型別の各急性期治療施行率は下記の通りであった。
心疾患患者(134例):抗凝固療法単独48例(37%),抗血小板療法単独31例(24%),抗凝固薬+抗血小板薬併用19例(15%),抗血栓療法非施行33例(25%)。
解離患者(47例):31例(66%),3例(6%),10例(21%),3例(6%)。
鎌状赤血球病患者(39例):3例(9%),7例(22%),1例(3%),21例(66%)。
その他(441例):89例(21%),136例(32%),73例(17%),132例(31%)。
追跡完了率 抗血栓薬使用に関する追跡完了は640/661例,早期転帰に関する追跡完了は612/661例。
結果

●評価項目
抗凝固薬使用に関連する病型は解離(OR 14.09,95%CI 5.78-37.01,p<0.0001),心疾患(OR 1.87,95%CI 1.20-2.92,p=0.01)であった。
抗凝固薬非使用に関連する因子は鎌状赤血球病(OR 0.12,95%CI 0.02-0.95,p=0.04),米国の病院への登録(OR 0.56,95%CI 0.39-0.80,p=0.002)であった。
抗血小板薬使用に関連する病型はもやもや病(OR 4.88,95%CI 2.13-11.12,p=0.0002)であった。
抗血小板薬非使用に関連する因子は解離(OR 0.47,95%CI 0.22-0.99,p=0.047),意識レベル低値(OR 0.45,95%CI 0.31-0.64,p<0.0001),両側性虚血(OR 0.32,95%CI 0.20-0.52,p<0.0001)であった。

退院時の転帰は神経学的欠損453例(74%),死亡22例(3%),頭蓋内出血35例(5%)であった。疾患別の解析は下記の通り。
心疾患患者:神経学的欠損86例(70%),死亡11例(8%),頭蓋内出血8例(6%)。
解離患者:37例(84%),1例(2%),4例(9%)。
鎌状赤血球病患者:25例(68%),0例,1例(3%)。
その他:305例(75%),10例(2%),22例(5%)。
有害転帰の予測因子は動脈疾患(OR 1.83,95%CI 1.16-2.89,p=0.009),両側性虚血(OR 1.83,95%CI 1.03-3.25,p=0.04),入院時の意識レベル低値(OR 1.95,95%CI 1.25-3.02,p=0.003)であった。

●有害事象

文献: Goldenberg NA, et al.; International Pediatric Stroke Study Group. Antithrombotic treatments, outcomes, and prognostic factors in acute childhood-onset arterial ischaemic stroke: a multicentre, observational, cohort study. Lancet Neurol 2009; 8: 1120-7. pubmed
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