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Orken DN et al Cerebral microbleeds in ischemic stroke patients on warfarin treatment
結論 warfarin投与を受けている虚血性脳血管疾患患者において,脳内微小出血が検出された症例は高齢で,白質病変が多く認められたが,warfarin投与の影響について一定の見解は得られなかった。
コメント ワルファリン服用患者にみられるmicrobleedsの症例対照研究。ワルファリン投与を受けている脳血管疾患患者と,これからワルファリン投与が予定されている虚血性脳卒中患者との間にmicrobleedsの頻度の差はなく,本論文の結果からはむしろ加齢や長期間の高血圧症の合併が白質病変とともにmicrobleedsの有無に関与していることが示唆される。血圧値の比較や高血圧の罹患歴および重症度とmicrobleedsの関係をさらに踏み込んで分析し,虚血性脳卒中患者に対するワルファリン治療の一助とすることが今後の方向性であろう。(岡田靖

目的 心原性脳塞栓症予防のためにwarfarin投与を受けている患者において,脳内出血を予防することは非常に重要である。脳内微小出血は原発性脳内出血患者の半数以上から検出されるが,脳内出血の今後の発症または再発を予測し,さらに脳内出血が起こりやすい状態を示すものとされている。本論文では,warfarin投与を受けている虚血性脳卒中患者において,脳内微小出血の頻度を検討する。
デザイン 症例対照研究。
セッティング 単施設,トルコ。
期間
対象患者 246例。warfarin治療群141例*1+対照群105例*2
*1:warfarin投与中で,頭蓋MRIの禁忌のない虚血性脳血管疾患患者。
*2:急性虚血性脳卒中のために入院しており,warfarin治療の候補となっている患者連続例。
【除外基準】[対照群]warfarin投与歴がある。
【患者背景】平均年齢はwarfarin群65.79±12.18歳,対照群65.24±12.06歳。女性59例,46例。高血圧112例,77例。糖尿病27例,30例。脳卒中の既往26例,29例。心疾患108例,86例。高コレステロール血症67例,40例。warfarin治療の適応:心塞栓源(major)88例,71例,同(minor)40例,19例,その他13例,15例。
治療法
追跡完了率
結果

●評価項目
MRIは,warfarin治療群は外来通院時,対照群ではwarfarin投与開始前に行われた。
gradient-echo MRIにて確認された脳内微小出血は,warfarin治療群で31例(22%)と,対照群(warfarin未投与)17例(16%)との有意差は認められなかった(p=0.25)。脳内微小出血病変の数は,軽度(1~5個)25例 vs 13例,中等度(5~10個)2例 vs 2例,重度(>10個)4例 vs 2例。
warfarin治療群のうち,脳内微小出血が認められた症例(31例)では,認められなかった症例(110例)に比し,高齢で(69.64±10.68歳 vs 64.70±12.40歳,p=0.04),白質病変が多く認められた(74% vs 53%,p=0.008)。warfarin投与期間の長さは同等であった(平均投与期間:3.80±3.77年 vs 3.94±3.05年,p=0.83。投与期間>5年:29% vs 31%,p=0.84)。出血性合併症も8例 vs 15例と同等であった(p=0.10)。このうち脳内出血は1例 vs 1例であった。

●有害事象

文献: Orken DN, et al. Cerebral microbleeds in ischemic stroke patients on warfarin treatment. Stroke 2009; 40: 3638-40. pubmed
関連トライアル BAT, ECASS III additional outcomes, PREVAIL subanalysis, SAINT postthrombolysis ICH, 抗血栓薬使用,脳内微小出血および脳内出血
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