抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
WARPED Warfarin Associated Research Projects and Other Endeavors
結論 抗凝固療法を受けている患者において,ポリープ切除術後の大腸出血発生率は,warfarinを休薬しても非投与患者に比し高かった。大腸出血の独立予測因子は,抗凝固薬投与,複数のポリープ切除,男性であった。

目的 抗凝固療法がポリープ切除術後の大腸出血リスクを上昇させるかどうかについては明確となっていない。本論文では,ポリープ切除術を伴う待機的大腸内視鏡検査施行患者において,warfarin療法が検査後の大腸出血に及ぼす影響を検討し,大腸出血の予測因子を特定する。一次エンドポイント:30日以内の入院を要する大腸出血(救急来院を含む)。二次エンドポイント:30日以内の非大腸消化管出血による入院,血栓塞栓症による入院,出血または血栓塞栓症による死亡。
デザイン 後ろ向きコホート研究。
セッティング 米国。
期間 大腸内視鏡検査施行期間は2000年1月~2006年12月。追跡期間は30日。
対象患者 1225例。2000年1月~2006年12月に外来でポリープ切除術を伴う待機的大腸内視鏡検査を受けた,18歳以上のKaiser Permanente(48万人以上の会員を擁する非営利総合医療団体)の患者。
【除外基準】緊急消化管出血のための大腸内視鏡検査施行,腸管動静脈奇形による出血の既往,整形外科後の静脈血栓塞栓症予防のためのwarfarin投与など。
【患者背景】平均年齢はAC群69.5±9.6歳,非AC群69.6±9.4歳。各群の男性61.9%,53.5%(p=0.003)。大腸内視鏡検査の適応:癌スクリーン40.1%,49.7%(p=0.001),以前のポリープ切除術の追跡27.1%,26.0%,非緊急直腸出血の追跡18.2%,13.6%(p=0.043)など。抗血小板薬使用19.1%,6.1%(p<0.001)。併存疾患:糖尿病3.1%,3.5%,高血圧37.4%,32.1%,心不全11.8%,1.4%(p<0.001),静脈血栓症の既往10.4%,3.0%(p<0.001),出血の既往12.9%,9.6%。
治療法 ポリープ切除術施行のためwarfarinを休薬した症例(AC群,425例)と,年齢を合致させた(±3歳)warfarin投与を受けていないポリープ切除術施行例(非AC群,800例)を比較。
追跡完了率
結果

●評価項目
ポリープ切除術後の大腸出血はAC群11例(2.6%)と,非AC群2例(0.2%)に比し多かった(p=0.005)。ヘモグロビン≧2gm/dLの低下を伴う出血は9例 vs 2例であった。
以下の評価項目については,有意差は認められなかった;死亡1例(0.2%)vs 1例(0.1%),血栓症1例(0.2%)vs 1例(0.1%),非大腸消化管出血1例(0.2%)vs 0例(0%)。
AC群の出血発生11例において,enoxaparinによる橋渡し療法を受けていたのは4例であった。大腸内視鏡検査前日のINRは1.4±1.4と,AC群の非出血発生例1.3±1.2と同等であった。

大腸出血の独立予測因子は抗凝固薬投与(補正後OR 11.6,95%CI 2.3-57.3),ポリープ除去数(補正後OR 1.2,95%CI 1.1-1.4),男性(補正後OR 9.2,95%CI 1.1-74.9)であった。

●有害事象

文献: Witt DM, et al.; WARPED Consortium. Incidence and predictors of bleeding or thrombosis after polypectomy in patients receiving and not receiving anticoagulation therapy. J Thromb Haemost 2009; 7: 1982-9. pubmed
関連トライアル AFASAK 2 1999, Crowther MA et al, Garcia DA et al, Guerrouij M et al, SPAF II 1996, SPORTIF risk of bleeding, Tafur AJ et al
関連記事