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ATTEMPT
Pooled Analysis of Trials on Thrombectomy in Acute Myocardial Infarction Based on Individual Patient Data
結論 機械的再灌流を施行するST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において,血栓除去術(特に手動式血栓除去術)は臨床転帰を改善した。この効果はGP IIb/IIIa受容体阻害薬(GPI)投与患者において明白であった。

目的 冠動脈インターベンション(PCI)を施行するSTEMI患者において,血栓除去術はより良好な心筋再灌流をもたらす。しかし,血栓除去術の長期成績の検討や,よりよいベネフィットを得られる患者を特定するには,単一試験では検出力が足りない。そこで本論文では,統合解析を行うことにより臨床転帰における血栓除去術の有用性を検討する。
方法 MEDLINEにて,キーワード;“STEMI”“randomized”“thrombus aspiration”“thrombectomy”を用い,PCIと血栓除去術+標準的PCI併用を比較した論文を検索。さらに,TCT,EuroPCR,ACC,AHA,ESCのウェブサイトにて,2003年10月~2008年2月の間の関連アブストラクトおよびスライド発表も検索。言語の制限は設けなかった。
対象:STEMI患者において血栓除去術と標準的PCIを比較,無作為割り付け。
除外:曖昧な割り付け。
対象 2686例(PCI+血栓除去デバイス群1347例,標準的PCI群1339例)。
17試験が該当。そのうち本解析への参加承諾が得られた11試験*1を対象とした。
患者背景:平均年齢は血栓除去術群63±12歳,標準的PCI群63±12歳。男性66%,67%。糖尿病13%,14%。血栓溶解不成功1%,1%。GPI投与67%,66%。再灌流までの時間269±184分,281±212分。多枝疾患41%,42%。開始時のTIMI血流分類0~1 70%,72%。

*1:Antoniucci D et al(2004),REMEDIA(2005),X-AMINE ST(2005),Noel B et al(2005),DEAR-MI(2006),VAMPIRE(2008),Kaltoft A et al(2006),De Luca L al(2006),PIHRATE(2007),EXPIRA(2009),TAPAS(2008)
主な結果 追跡期間(中央値365日,IQR 232~365日)における追跡完了率は99.6%であった。
・一次エンドポイント(全死亡)
 血栓除去術群では標準的PCI群に比し全死亡率が抑制された(p=0.049)。不均一性,統計的不整合性は認められなかった(不均一性p>0.10,I2<50%)。
・MACE
 血栓除去術群では標準的PCI群に比しMACE発症率が抑制された(p=0.011)。不均一性,統計的不整合性は認められなかった(不均一性p>0.10,I2<50%)。
・死亡+MI
 血栓除去術群では標準的PCI群に比し死亡+MIが抑制された(p=0.015)。不均一性,統計的不整合性は認められなかった(不均一性p>0.10,I2<50%)。
・MI
 血栓除去術群の標準的PCI群に比しての優位性は認められなかった(p=0.126)。
・標的血管病変再建術(TLR),標的血管血行再建術(TVR)
 血栓除去術群の標準的PCI群に比しての優位性は認められなかった(p=0.126)。

[サブグループ解析]
・手動式血栓除去術施行例において,血栓除去術群では標準的PCI群に比し死亡が抑制された(p=0.011)。非手動式血栓除去術施行例においては,血栓除去術群の標準的PCI群に比しての優位性は認められなかった(p=0.481)。
・GPI投与例において,血栓除去術群では標準的PCI群に比し死亡が抑制された(p=0.045)。非投与例においては,血栓除去術群の標準的PCI群に比しての優位性は認められなかった(p=0.843)。 
文献: Burzotta F, et al. Clinical impact of thrombectomy in acute ST-elevation myocardial infarction: an individual patient-data pooled analysis of 11 trials. Eur Heart J 2009; 30: 2193-203. pubmed
関連トライアル ACUITY GP IIb/IIIa inhibitors
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