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SEPIA-ACS1 TIMI 42 Study Program to Evaluate the Prevention of Ischemia with direct Anti-Xa inhibition in Acute Coronary Syndromes 1-Thrombolysis in Myocardial Infarction 42
結論 非ST上昇型急性冠症候群(ACS)患者において,otamixaban 0.100~0.140mg/kg/時注入は虚血事象を抑制する可能性が示唆された。安全性は未分画heparin(UFH)+eptifibatide併用と同様であった。

目的 現在,非ST上昇型ACS患者における治療の要はUFHであるが,凝固因子への作用が間接的であるなどの問題がある。一方,otamixabanは直接的,選択的に第Xa因子を抑制する新規抗凝固薬である。本試験ではその5種類の用量について,有効性および安全性をUFH+eptifibatide併用と比較し,第III相試験における最適用量を同定する。有効性の一次エンドポイント:7日後の全死亡+心筋梗塞(MI)+緊急の血行再建術+GP IIb/IIIa受容体拮抗薬(GPI)による救済,PCI施行中の血栓性合併症。安全性の一次エンドポイント:7日後のTIMI出血基準による大出血またはCABGに関連しない小出血。
デザイン ランダム化,二重盲検,phase II,投与量決定試験。NCT00317395。
セッティング 多施設(196施設),36ヵ国。
期間 登録期間は2006年6月19日~2008年11月19日。追跡期間は180日。
対象患者 3241例。年齢18歳以上;安静時に10分以上持続する,ACSを示唆する症状の発現から24時間以内;隣接する複数の誘導で0.1mV以上の新規または新規と推定されるST逸脱,または心筋壊死を示唆する心マーカーの正常値上限を超える上昇;早期侵襲的治療の予定。
【除外基準】ACSのためランダム化前に24時間を超える抗凝固療法を実施,経口抗凝固薬を要する,eptifibatideに対する禁忌(30日以内の出血または既知の出血性素因,>200/110mmHgの重篤な高血圧,6週間以内の大手術または外傷,脳卒中[30日以内]または出血性脳卒中[時期を問わない]の既往,クレアチニンクリアランス<30mL/分,腎臓透析),血小板数<10万/μL,INR≧2,ランダム化前30日以内のPCI施行,心原性ショック。
【患者背景】平均年齢はotamixaban 0.035群60.0±13.1歳,0.070群61.6±11.3歳,0.105群61.7±11.3歳,0.140群61.5±11.3歳,0.175群61.3±11.6歳,UFH+eptifibatide群61.0±11.5歳。各群の男性73.6%,67.5%,72.1%,69.8%,69.4%,66.6%。
治療法 otamixaban 5群*1およびUFH+eptifibatide群*2にランダム化。
*1:0.08mg/kgボーラス静注後,以下の用量(mg/kg/時)をPCI終了時まで注入;0.035(125例),0.070(676例),0.105(662例),0.140(658例),0.175(671例)。
*2:449例。UFH 60IU/kg(最大量4000IU)ボーラス静注後,12IU/kg/時(初回最大量1000IU/時)をPCI終了時まで+eptifibatide 180μg/kg(最大量22.6mg)ボーラス静注後,2.0μg/kg/分(最大15mg/時)(クレアチニンクリアランス<50mL/分の場合は1.0μg/kg/分)をPCI終了18~24時間後まで静注。
PCI非施行例では,試験薬は診断的冠動脈造影後に投与中止,もしくは適応がある限り入院4日目まで継続投与。CABG施行例では少なくとも手技の3時間前までに投与中止。
担当医の裁量により,救済的GPI投与を許可。また,aspirin,clopidogrel未投与例では,ガイドラインにしたがい試験期間中の両薬剤の投与を推奨。登録前に開始された抗凝固薬は中止し,UFH中止の90~150分後,または低分子量heparin最終投与の8~12時間後に試験薬投与を開始。
追跡完了率 7日後の追跡不能は15例。
結果

●評価項目
有効性の一次エンドポイントは, otamixaban 0.035群9例(7.2%,RR 1.16;0.56-2.38),0.070群31例(4.6%,RR 0.74;0.45-1.21),0.105群25例(3.8%,RR 0.61;0.36-1.02),0.140群24例(3.6%,RR 0.58;0.34-1.00),0.175群29例(4.3%,RR 0.69;0.42-1.15)と,UFH+eptifibatide群28例(6.2%)に比し,有意な効果は得られなかった。otamixaban 5群の発生率の傾向に有意差は認められなかった(傾向p=0.34)。
死亡は0.8%,1.3%,1.2%,1.2%,1.2%,1.8%,MIは4.0%,1.6%,1.4%,2.0%,1.8%,3.1%,緊急の血行再建術は0.8%,0.3%,0.8%,0.3%,0.6%,0.7%,救済的GPI投与は3.2%,2.2%,1.4%,0.8%,1.2%,1.1%,PCI施行中の血栓性合併症は6.2%,5.0%,2.9%,3.5%,3.2%,2.4%。
なお,データモニタリング委員会はotamixaban最低用量(0.035 mg/kg/時)は抗凝固が不十分であるとして,同群への登録を早期に中止した。

●有害事象
安全性の一次エンドポイントの発生率は,0.035群2例(1.6%,RR 0.61;0.14-2.70),0.070群11例(1.6%,RR 0.61;0.27-1.38),0.105群20例(3.1%,RR 1.15;0.57-2.32),0.140群22例(3.4%,RR 1.26; 0.63-2.52),0.175群36例(5.4%,RR 2.02;1.06-3.85),UFH+eptifibatide群12例(2.7%)で,最高用量群(0.175 mg/kg/時)は有意に多かったが(p=0.0273),他の4群では有意差は認められなかった。otamixaban 5群の発生率に用量依存性が認められた(傾向p=0.0001)。

文献: Sabatine MS, et al. Otamixaban for the treatment of patients with non-ST-elevation acute coronary syndromes (SEPIA-ACS1 TIMI 42): a randomised, double-blind, active-controlled, phase 2 trial. Lancet 2009; 374: 787-95. pubmed
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