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PROTECT AF Watchman Left Atrial Appendage System for Embolic Protection in Patients with Atrial Fibrillation
結論 非弁膜症性心房細動(NVAF)患者の脳卒中予防において,経皮的左心耳閉鎖はwarfarinに比し非劣性を示した。デバイス群にて安全性有害事象が多く認められたが,主に周術期合併症であり,左心耳閉鎖は長期warfarin療法の代替療法となる可能性がある。

目的 NVAF患者の90%超において,血栓は左心耳由来と言われている。本試験はWatchman*による経皮的左心耳閉鎖の有効性および安全性を,長期warfarin療法と比較する。有効性の一次エンドポイント:脳卒中(虚血性/出血性),心血管死または原因不明の死亡,全身性塞栓症の複合。安全性の一次エンドポイント:過度の出血に関連するイベント(頭蓋内または消化管出血),手技関連合併症(重篤な心嚢液貯留,デバイス塞栓症,手技関連脳卒中)の複合。
*:経中隔アプローチにて留置する,左心耳入口部を覆う自己拡張型デバイス。
デザイン ランダム化,非盲検,非劣性試験。intention-to-treat解析。NCT00129545。
セッティング 多施設(59施設),3ヵ国(チェコ,ドイツ,米国)。
期間 登録期間は2005年2月~2008年6月。平均追跡期間は18±10ヵ月。
対象患者 707例。18歳以上;CHADS2スコア1以上の発作性/持続性/永続性NVAF患者。
【除外基準】AF以外にwarfarinの長期服用を要する併存疾患を有する,左心耳血栓,心房中隔瘤を伴う卵円孔開存および右左シャント,可動性大動脈粥腫,症候性頸動脈疾患など。
【患者背景】平均年齢はデバイス群71.7±8.8歳,対照群72.7±9.2歳。各群の男性70.4%,70.1%。CHADS2スコア1:33.9%,27.0%,2:34.1%,36.1%,3:19.0%,20.9%,4:8.0%,9.8%,5:4.1%,4.1%,6:0.9%,2.0%。TIAまたは脳梗塞の既往17.7%,20.1%。AFの病型:発作性43.2%,40.6%,持続性21.0%,20.5%,永続性34.6%,38.1%,不明1.3%,0.8%。
治療法 デバイス群(463例),対照群(244例。目標INR 2.0~3.0)に2:1でランダム化。
デバイス群ではWatchmanによる経皮的左心耳閉鎖術を施行。植込み後,デバイスの内皮細胞被覆化促進のためwarfarinを45日間投与した。45日後,6ヵ月後,12ヵ月後に経食道心エコー(TEE)を施行し,45日後に左心耳の完全閉鎖またはデバイス周辺の残余血流(幅<5mm)が確認された場合warfarin投与を中止。その後は6ヵ月後の追跡調査来院までclopidogrel 75mg,1日1回,およびaspirin 81~325mg,1日1回を投与し,それ以降はaspirinのみ無期限投与した。
追跡完了率 100%。
結果

●評価項目
デバイス群の植込み成功は408例(88%)で得られ,45日後の追跡では349例(86%)がTEE基準に合致し,warfarinを中止した。対照群では,INRが治療域内に留まったのは時間の66%であった。
1065患者・年の追跡にて,有効性のエンドポイントはデバイス群3.0/100患者・年(95%CI 1.9-4.5)と,対照群4.9/100患者・年(95%CI 2.8-7.1)に比し抑制され,非劣性の確率は>99.9%であった(RR 0.62;0.35-1.25)。脳梗塞は2.2/100患者・年 vs 1.6/100患者・年(RR 1.34;0.60-4.29,非劣性の確率71.8%),心血管死または原因不明の死亡は0.7/100患者・年 vs 2.7/100患者・年(RR 0.26;0.08-0.77,非劣性の確率>99.9%),出血性脳卒中は0.1/100患者・年 vs 1.6/100患者・年(RR 0.09;0.00-0.45,非劣性の確率>99.9%),全身性塞栓症は0.3/100患者・年 vs 0。

●有害事象
安全性のエンドポイントはデバイス群7.4/100患者・年(95%CI 5.5-9.7),対照群4.4/100患者・年(95%CI 2.5-6.7)に発生した(RR 1.69;1.01-3.19)。心嚢液貯留は22例(4.8%)vs 0例,大出血は16例(3.5%)vs 10例(4.1%),手技関連脳梗塞は5例(1.1%)vs 0例,デバイス塞栓症は3例(0.6%)vs 0例,出血性脳卒中は1例(0.2%)vs 6例(2.5%)。

文献: Holmes DR, et al.; PROTECT AF Investigators. Percutaneous closure of the left atrial appendage versus warfarin therapy for prevention of stroke in patients with atrial fibrillation: a randomised non-inferiority trial. Lancet 2009; 374: 534-42. pubmed
関連トライアル ACS後の心房細動患者におけるwarfarin使用と転帰, ACTIVE W, ACTIVE W paroxysmal vs sustained, AFASAK 2 1999, AFFIRM subgroup analysis, AMADEUS, ARISTOTLE, ARISTOTLE previous stroke/TIA, ARISTOTLE risk score, AVERROES previous stroke/TIA, BAATAF, BAFTA, CASSIOPEA, EAFT 1993, ENGAGE AF-TIMI 48, ESPRIT , J-ROCKET AF, JAST, JNAF-ESP, NASPEAF, Ostermayer SH et al, Pengo V et al, Poli D et al, RE-LY, RE-LY previous TIA or stroke, RE-LY quality of INR control, ROCKET AF, ROCKET AF major bleeding, ROCKET AF post hoc analysis, ROCKET AF previous stroke/TIA, ROCKET AF renal dysfunction, SIFA, SPAF, SPAF II 1994, SPAF II 1996, SPAF III 1996, SPAF III 1998, SPAF III 1998, SPORTIF elderly patients, SPORTIF II , SPORTIF III, SPORTIF INR control, SPORTIF pooled analysis, SPORTIF risk of bleeding, SPORTIF V, Veterans Affairs Stroke Prevention
in Nonrheumatic Atrial Fibrillation
, warfarinによるNVAF患者の脳卒中予防, WASID, 新規経口抗凝固薬4剤のwarfarinに対する有効性・安全性
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