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VALIANT gastrointestinal bleeding
結論 心筋梗塞(MI)後の患者において,抗血小板薬2剤併用,非白人,アルコール依存症の既往,加齢,NYHAクラス3または4,抗凝固療法,糖尿病,eGFR低下,男性は消化管出血の予測因子であった。

目的 一定の見解が得られていないMI後における消化管出血のリスク因子について,VALIANT 試験(心不全かつ/または左室収縮機能障害を合併したMI後の患者において,valsartanとcaptoprilの死亡抑制効果を比較。N Engl J Med 2003; 349: 1893-906)のデータを用い検討。
デザイン VALIANT 試験はランダム化比較試験。
セッティング
期間 追跡期間中央値は24.7ヵ月。
対象患者 14703例。VALIANT 試験の対象者は心不全かつ/または左室収縮機能障害を合併したMIを発症後10日以内の患者。
【除外基準】臨床上重大な心臓弁膜症,SBP<100mmHgかつ血清クレアチニン>2.5mg/dLなど。
【患者背景】年齢中央値は消化管出血非発生群65.8(四分位範囲56.2~73.8)歳,消化管出血発生群73.2(65.7~78.3)歳(p<0.001)。男性68.9%,74.5%。非白人6.4%,19.4%(p<0.001)。MI前のうっ血性心不全14.7%,22.5%(p=0.032)。糖尿病23.0%,37.8%(p=0.001)。脂質異常症29.9%,39.2%(p=0.046)。MI後のeGFR(mL/分/1.73m2)中央値68.8,61.9(p=0.0002)。アルコール依存症の既往1.7%,6.1%(p=0.001)。開始時LVEF中央値34.0%,31.0%(p=0.008)。ランダム化時の抗血栓薬:aspirin 91.3%,86.73%。他の経口抗血小板薬(チエノピリジン)24.7%,36.7%(p=0.006)。GP IIb/IIIa拮抗薬6.6%,11.2%。ヘパリン51.7%,51.0%。経口抗凝固薬9.4%,12.2%。
治療法
追跡完了率
結果

●評価項目
追跡期間中,重篤な消化管出血は98例(0.7%)に発生した。内訳は,上部消化管21例(21.4%),下部消化管16例(16.3%),不明(内視鏡検査非施行)61例(62.3%)。
多変量解析によると,消化管出血の予測因子は以下のものであった;抗血小板薬2剤併用(HR 3.18;1.91-5.29,p<0.001),非白人(HR 3.26;1.89-5.61,p<0.001),アルコール依存症の既往(HR 4.71;2.02-11.01,p<0.001),加齢(10歳上昇ごと)(HR 1.51;1.21-1.90,p<0.001),NYHAクラス3または4 (HR 2.27;1.41-3.64,p=0.001),抗凝固療法(HR 2.13;1.28-3.52,p=0.003),糖尿病(HR 1.76;1.13-2.74,p=0.013),eGFR(10mL/分/1.73m2低下ごと)(HR 1.18;1.03-1.34,p=0.015),男性(HR 1.82;1.10-3.01,p=0.021)。
重篤な消化管出血が発生した98例のうち,追跡期間中に35例(35.7%)が死亡した(うち心血管死は21例)。消化管出血は死亡リスク上昇と関連していた;補正後HR 2.54;1.66-3.89。

●有害事象

文献: Moukarbel GV, et al. Gastrointestinal bleeding in high risk survivors of myocardial infarction: the VALIANT Trial. Eur Heart J 2009; 30: 2226-32. pubmed
関連トライアル REACH serious bleeding, SOLVD 1998, TRIUMPH nuisance bleeding
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