抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
SITS-ISTR blood pressure
結論 脳梗塞患者において,血栓溶解療法後の収縮期高血圧は転帰不良と強く相関していた。高血圧の既往を有する患者において降圧療法を最長7日まで見合わせることは転帰不良と相関する一方,新規に認められた中等度の高血圧患者に対し降圧療法を開始することは転帰良好と相関する。

目的 脳梗塞患者において,血栓溶解療法静注中および静注後の血圧の至適管理についてはまだよくわかっていない。本解析では, SIST-ISTR試験のデータを用い,血圧と降圧療法の関連について検討する。
デザイン 前向き登録研究。
セッティング 多施設(403施設),28ヵ国。
期間 登録期間は2002年12月~2007年10月。
対象患者 11080例。SIST-ISTR試験登録者(血栓溶解療法を受けた脳梗塞患者)。
【除外基準】―
【患者背景】[高血圧既往あり]年齢は第1群72(64-77)歳,第2群71(62-77)歳。女性43.5%,42.9%(p=0.71)。National Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコア12(8-17),15(9-19),症状発現から治療まで143(115-168)分,145(120-170)分(p=0.007),SBP 160(142-170)mmHg,150(135-165)mmHg,DBP 84(75-93)mmHg,80(71-90)mmHg。
[高血圧既往なし]年齢は第3群68(59-75)歳,第4群62(50-72)歳。女性36.4%,38.9%(p=0.18)。NIHSSスコア12(8-17),12(8-17),症状発現から治療まで145(115-165)分,145(119-170)分(p=0.27),SBP 154(140-168)mmHg,140(130-157)mmHg,DBP 84(77-90)mmHg,80(71-90)mmHg。
(数値は中央値[四分位範囲]または%を示す。p値は第1群vs第2群または第3群 vs第4群,表記のないものはp<0.001)
治療法 血圧はベースライン時,血栓溶解療法の2,24時間後に計測。
患者は高血圧の既往および血栓溶解療法後7日以内の降圧療法により以下の4群に分類された;第1群:高血圧の既往を有し,降圧療法を受けた患者(5612例),第2群:高血圧の既往を有するが,降圧療法を受けなかった患者(1573例),第3群:高血圧の既往はないが,降圧療法を受けた患者(995例),第4群:高血圧の既往はなく,降圧療法を受けなかった患者(2632例)。
追跡完了率 データ不明は268例(2.4%)。
結果

●評価項目
多変量解析によると,血栓溶解療法の2,24時間後の収縮期高血圧は,連続変数としてはSITS-MOST定義による症候性出血(p<0.0001),RCT定義による症候性出血(p<0.0001),3ヵ月の死亡(p=0.0004),機能的自立率の低さ(p<0.0001)と関連していた。カテゴリ変数としては,症候性出血と線形連関,死亡とU字形相関,機能的自立と釣り鐘型相関を示した。転帰が最も良好(死亡率が最も低く,自立率が最も高い)であったのはSBP 141-150mmHgの患者であった。
転帰が最も不良であったのは第2群であり,第4群に比し,症候性出血(OR 1.86,95%CI 1.34-2.68,p=0.0004),死亡(OR 1.62,95%CI 1.41-1.85,p<0.0001)が多く,自立(OR 0.89,95%CI 0.80-0.99,p=0.04)は少なかった。第1群では第4群に比し,症候性出血(OR 1.09,95%CI 0.83-1.51,p=0.58),自立(OR 1.03,95%CI 0.93-1.10,p=0.80)は有意差が認められなかったが,死亡(OR 0.82,95%CI 0.73-0.92,p=0.0007)は少なかった。第3群は第1群と同様の結果であった。

●有害事象

文献: Ahmed N, et al.; SITS Investigators. Relationship of blood pressure, antihypertensive therapy, and outcome in ischemic stroke treated with intravenous thrombolysis: retrospective analysis from Safe Implementation of Thrombolysis in Stroke-International Stroke Thrombolysis Register (SITS-ISTR). Stroke 2009; 40: 2442-9. pubmed
関連トライアル CASES elderly patients, ECASS-II blood pressure, Engelter ST et al, Georgiadis D et al, 2006, Helsinki Stroke Thrombolysis Registry, Helsinki Stroke Thrombolysis Registry, ICARO-2, J-MARS, Kellert L et al, Madrid Stroke Network, Mattle HP et al, MERCI and Multi MERCI, Mikulik R et al 2009, SAINT postthrombolysis ICH, SAMURAI, Sarikaya H et al, Sarikaya H et al, Sarikaya H et al (obese), Sarikaya H et al (posterior circulation stroke), Schellinger PD et al, SITS-ISTR, SITS-ISTR 2010, SITS-ISTR antiplatelet therapy, SITS-ISTR early neurological improvement, SITS-ISTR elderly, SITS-ISTR sex differences, SITS-ISTR young patients, SITS-MOST, SITS-MOST multivariable analysis, Toni D et al, Tsivgoulis G et al, TTT-AIS, VISTA baseline severity, 内頸動脈閉塞に続発する脳梗塞に対するtPA静注および動脈内血管内療法, 頸動脈解離による虚血性脳卒中に対する血栓溶解療法
関連記事