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メタ解析
PPCIを行うSTEMI患者におけるabciximabと小分子の有用性
Benefits from small molecule administration as compared with abciximab among patients with ST-segment elevation myocardial infarction treated with primary angioplasty
結論 初回血管形成術(PPCI)を施行するST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において,血管造影,心電図,臨床転帰についてのabciximabの有用性は,小分子(eptifibatide/tirofiban)と同等であった。

目的 PPCIを施行するSTEMI患者において,abciximabの有用性は確立されている。一方,小分子(eptifibatide/tirofiban)はその血小板凝集阻害の可逆性,また経済性より注目されている。これまでいくつかのRCTが行われているが,両者の差を論じるには検出力不足であった。そこで本メタ解析では,abciximabが小分子に比しすぐれているか検討する。
方法 MEDLINE,CENTRAL,学術集会抄録(Circulation,J Am Coll Cardiol,Eur Heart J,Am J Cardiol)より,1990年1月~2008年10月に出版された論文について,PPCIを施行するSTEMI患者においてGP IIb/IIIa受容体阻害薬の補助的使用のベネフィットを評価したランダム化比較試験を検索。また,TCT,EuroPCR,ACC,AHA,ESCにて2002年1月~2008年10月に行われた,口頭かつ/またはスライドでの発表も検索に含めた。キーワード:randomized trial,myocardial infarction,reperfusion,primary angioplasty,GP IIb/IIIa inhibitors,abciximab,tirofiban,eptifibatide。
選定基準:無作為割り付け,完全な臨床データの入手が可能。
除外基準:追跡データが90%未満など。言語の制限は設けなかった。
対象 6試験が該当(高用量tirofiban 5試験,eptifibatide 1試験。Ernst NM et alの標準用量tirofiban群は本解析からは除外した)。
2197例(abciximab群1082例,小分子群1115例)。

(表記は順に期間,症例数,試験薬の投与時期)
Ernst NM et al
2002~2003年, 59例(abciximab群30例,高用量tirofiban群29例),周術期。
Danzi GB et al
2002年,100例(abciximab群50例,高用量tirofiban群50例),周術期。
MULTISTRATEGY
2004~2007年,744例(abciximab群372例,高用量tirofiban群372例),手技前。
STRATEGY
2003~2004年,175例(abciximab群88例,高用量tirofiban群87例),手技前。
FATA
2005~2007年,692例(abciximab群341例,高用量tirofiban群351例),手技前および周術期。
EVA-AMI
2006~2007年,429例(abciximab群203例,高用量tirofiban群226例),周術期。
主な結果 ・手技後のTIMI血流グレード3(完全灌流)
abciximab群89.8%,小分子群89.1%と,有意差は認められなかった(OR 1.03,95%CI 0.78-1.36,p=0.72,不均一性p=0.62)。
・ST逸脱改善
 abciximab群67.8%,小分子群68.2%と,有意差は認められなかった(OR 0.96,95%CI 0.78-1.17,p=0.66,不均一性p=0.3)。
・30日後の死亡率
 abciximab群2.2%,小分子群2.0%と,有意差は認められなかった(OR 1.14,95%CI 0.64-2.04,p=0.66,不均一性p=0.62)。
・30日後の再梗塞
 abciximab群1.2%,小分子群1.2%と,有意差は認められなかった(OR 0.94,95%CI 0.44-2.04,p=0.88,不均一性p=0.2)。
・大出血
 abciximab群1.3%,小分子群1.9%と,有意差は認められなかった(OR 0.69,95%CI 0.36-1.34,p=0.27,不均一性p=0.44)。
文献: De Luca G, et al. Benefits from small molecule administration as compared with abciximab among patients with ST-segment elevation myocardial infarction treated with primary angioplasty: a meta-analysis. J Am Coll Cardiol 2009; 53: 1668-73. pubmed
関連トライアル BRAVE-3, FATA, ISAR-REACT 4, MULTISTRATEGY, RAPPORT, SPEED(GUSTO-IV Pilot), TARGET, TIMI 14, 初回PCIを施行するSTEMI患者における小分子GPI投与のタイミング
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