抗血栓トライアルデータベース
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DAC Dialysis Access Consortium
結論 血液透析患者において,徐放性dipyridamole+aspirin併用療法は,新規に作成されたグラフトの狭窄リスク減少,および開存期間の改善について,有意ではあるが軽微な効果を示した。

目的 血液透析を施行する患者において,徐放性dipyridamole+aspirinが血管アクセス狭窄を抑制し,新規に作成した動静脈グラフトの無援助一次開存(primary unassisted patency)期間を延長するか検討。一次エンドポイント:グラフト血栓症の初発,隣接する正常血管径の50%以上の狭窄を是正するためのアクセス手技施行,他の外科的手技(感染のためなど)と定義される動静脈グラフト無援助一次開存(血栓症発症または介入の必要のない開存)の喪失。二次エンドポイント:累積グラフト不全(ランダム化から透析のためのアクセス部位完全喪失までの時間と定義),全死亡など。
デザイン ランダム化,二重盲検。NCT00067119。
セッティング 多施設(13施設),米国。
期間 登録期間は2003年1月1日~2007年7月31日,追跡終了は2008年1月31日(患者登録が予定より遅れたため,登録期間を1.5年,追跡期間を半年それぞれ延長した)。
対象患者 649例。成年(州によるが18歳以上)に達している;血液透析のための新規の動静脈グラフト作成を予定;現在血液透析を実施中,またはランダム化後6ヵ月以内に血液透析を実施予定の患者。
【除外基準】出血リスク上昇または既知の出血性疾患;活動性の食道炎/胃炎/消化性潰瘍疾患;血小板数<75000/mm3;進行性肝疾患;aspirin以外の抗凝固薬/抗血小板薬を必要とする,コントロール不良の高血圧など。
【患者背景】平均年齢は徐放性dipyridamole+aspirin群59.1±13.5歳,プラセボ群57.5±14.9歳。各群の男性41%,38%。BMI 30.8±8.6,30.5±8.2。糖尿病66%,60%。心血管疾患39%,42%。脳血管疾患15%,16%。末梢動脈疾患17%,15%。aspirin使用40%,44%。ランダム化前の血液透析期間23.3±28.6ヵ月,28.3±43.2ヵ月。
治療法 アクセス手術(開存グラフト留置など)成功2日以内に,徐放性dipyridamole+aspirin群*(321例),プラセボ群(328例)にランダム化。なおランダム化は施設,アクセス部位(前腕/代替部位)により層別化を行った。
*:徐放性dipyridamole 200mg+aspirin 25mgの合剤を1日2回投与。
追跡完了率 一次エンドポイント確認前の試験薬中止は徐放性dipyridamole+aspirin群66例(21%),プラセボ群57例(17%)。
結果

●評価項目
1 年の時点での無援助一次開存率は,徐放性dipyridamole+aspirin群28%(95%CI 23-34)と,プラセボ群 23%(95%CI 18-28)に比し絶対差 5%と無援助一次開存期間が有意に延長した(HR 0.82,95%CI 0.68-0.98,p=0.03)。
累積グラフト不全は50% vs 53%(HR 0.95,95%CI 0.76-1.19),死亡は33% vs 35%(HR 1.00,95%CI 0.76-1.31),グラフト不全+死亡の複合は65% vs 66%(HR 1.01,95%CI 0.83-1.24)と,有意差は認められなかった。

●有害事象
重篤な有害事象は175例(55%,1.19件/患者・年)vs 174例(53%,1.47件/患者・年)(HR 0.93,95%CI 0.75-1.15),出血は37例(12%,0.20件/患者・年)vs 40例(12%,0.24件/患者・年)(HR 0.86,95%CI 0.55-1.35)と有意差は認められなかった。出血の内訳は以下の通り;中等度~小出血7% vs 8%,大出血2% vs 3%,生命にかかわる出血3% vs 2%,致死的出血1% vs 0%。

文献: Dixon BS, et al.; DAC Study Group. Effect of dipyridamole plus aspirin on hemodialysis graft patency. N Engl J Med 2009; 360: 2191-201. pubmed
関連トライアル AAASPS 2003, ACTIVE A, Agnew TM et al, Antiplatelet Therapy after Coronary Artery Bypass Graft Surgery, APPRAISE-2, ASPIRE, Brooks N et al, Brown BG et al, CABADAS, CASPAR , CHARISMA, Chesebro JH et al 1982, CREDO, D'Addato M et al, Dialysis Access Consortium Study , EARLY, ESPRIT , ESPS-2 1996, GESIC, Hockings BE et al, JASAP, McCollum C et al, Pfisterer M et al, POISE-2, PRoFESS, PRoFESS acute ischemic stroke, PRoFESS disability and cognitive function, Rajah SM et al 1985, Rajah SM et al 1994, REAL-LATE / ZEST-LATE, SPS3, Sreedhara R et al, TRITON-TIMI 38, VA Cooperative CABG, VA Cooperative Study 1989, White HD et al, WHS, 脳卒中/TIA既往患者におけるaspirin+dipyridamole併用とaspirin単独投与の比較
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