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Hallevi H et al Identifying patients at high risk for poor outcome after intra-arterial therapy for acute ischemic stroke
結論 ヒューストン動脈内血栓溶解療法(HIAT)スコアは,再開通症例においてもIAT後の転帰不良の可能性を評価する。同スコアは患者コホートの比較や臨床試験の結果を評価する際に有用である。

目的 ルーチンの臨床診療にてIATを受けた脳卒中患者において,動注によるベネフィットが得られない患者を同定。
デザイン 後ろ向き観察研究。
セッティング 多施設(2施設),米国。
期間 対象患者の治療期間は,テキサス大学ヒューストン校(UTH)群1998-2007年,カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA,検証コホート)群1992年7月-2007年12月。
対象患者 190例+検証コホート175例。UTHにて1998-2007年にIATを受けた脳卒中患者。IAT施行を考慮する基準は以下の通り;脳卒中チームによる最初の診断/日常生活に支障をきたすような症状/大血管閉塞(疑いまたは確認された)から6時間以内の脳卒中,かつ入院時CTのhypodensityが中大脳動脈領域の1/3未満。tPA静注療法適格者については,tPA静注後,経頭蓋ドップラー/CT/MRIにて再開通が認められず,静注終了時に臨床的改善がみられない場合に同様の基準が適用された。
検証コホートは,UCLAにて1992年7月-2007年12月に症状発現から8時間以内にIATを受けた患者。
【除外基準】症状発現の>8時間後に治療など。
【患者背景】平均年齢はUTH群62±14歳,UCLA群70±17歳(p<0.001)。各群の入院時のNational Institute of Health stroke scale(NIHSS)スコア(IQR)19(16.5-22.5),17(12-22)。入院時の血糖値144±55mg/dL,136±56 mg/dL。死亡率22.1%,16.6%。転帰不良(modified Rankin Score[mRS] 4-6)66%,48%(p<0.001)。
治療法
追跡完了率
結果

●評価項目
IATを受けた患者190例の内訳はprimary IAT 74例(38.9%),補助的IAT 116例(61.1%)であった。
脳内出血は13例(6.8%)に発症した。再開通率は75.6%であった。
190例のうち,転帰良好(mRS 0-3)は64例,転帰不良(mRS 4-6)は126例であった。
転帰不良の予測因子は年齢(OR 1.028,p=0.049),入院時のNIHSSスコア(OR 1.084,p=0.013),入院時の血糖値(OR 1.011,p=0.031)であった。
上記の結果より,ヒューストンIAT(HIAT)スコアが考案された。年齢>75歳,入院時のNIHSSスコア>18,入院時の血糖値>150mg/dLを各1ポイントとすると,転帰不良および死亡の割合は以下の通りであった;0:43.9%/10.5%,1:65.2%/19.1%,2:97.1%/42.9%,3:100%/44.4%。
再開通率は0:79.2%,1:72.5%,2:71.0%,3:88.9%と各スコアで同様であった(p=0.6)。
検証コホートにおいて,転帰不良発生率および死亡率は類似した傾向がみられた。

●有害事象

文献: Hallevi H, et al.; UCLA Intra-Arterial Therapy Investigators. Identifying patients at high risk for poor outcome after intra-arterial therapy for acute ischemic stroke. Stroke 2009; 40: 1780-5. pubmed
関連トライアル Bern Stroke Project, Bhatia R et al, De Marchis GM et al, Mattle HP et al, MERCI and Multi MERCI, PREVAIL subanalysis, SAINT postthrombolysis ICH, Saqqur M et al, SITS-MOST multivariable analysis
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