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SPIRIT III Clinical Evaluation of the Xience V Everolimus Eluting Coronary Stent System in the Treatment of Patients with de novo Native Coronary Artery Lesions
結論 1枝または2枝に新規冠動脈病変がみられる患者において,everolimus溶出ステント(EES)はpaclitaxel溶出ステント(PES)に比し,2年後のイベントを抑制した。
コメント ランダム化試験ではあるが,エンドポイントがソフトであり,かつ,研究者が明確なCDIを公開している研究なので,結果には企業からのマーケットインフルエンスがある可能性を考える必要がある。(後藤信哉

目的 1枝または2枝に新規冠動脈病変がみられる患者において,EESの2年後の安全性および有効性をPESと比較。一次エンドポイント:標的血管不成功(心臓死+心筋梗塞[MI]+虚血による標的血管血行再建術[TVR])。
デザイン ランダム化,単盲検,intention-to-treat解析。NCT00180479。本論文はSPIRIT III(JAMA 2008;299:1903-13)の2年後の結果。
セッティング 多施設(75施設),米国。
期間 登録期間は2005年6月22日-2006年3月15日。
対象患者 1002例。1枝または2枝に新規冠動脈病変がみられる患者(心外膜動脈1枝につき1病変);18歳以上;安定/不安定狭心症または経皮的冠動脈形成術(PCI)を施行する誘発性虚血。
試験対象病変は,視覚的評価により直径50%以上100%未満の狭窄,参照血管径2.5-3.75mm,病変長28mm以下とした。
【除外基準】標的病変に対するPCIを当該手技の前に施行/手技後9ヵ月以内に予定,あるいは非標的病変に対するPCIを90日前に施行/9ヵ月以内に予定;急性または最近のMI;LVEF<30%;抗凝固薬長期使用,最近の大出血,出血性素因,または輸血拒否;抗血小板薬投与中止を要する待機的手術を当該手技後9ヵ月以内に予定;血小板数<10万または>70万/mm3,白血球数<3000/mm3,血清クレアチニン>2.5mg/dL,透析,または肝疾患;6ヵ月以内の脳卒中または一過性脳虚血性発作など。
血管造影的除外基準は,入口部または左主幹病変;>50%狭窄/直径>2mm/前拡張を要する側枝を有する分岐部病変;過度の近位部屈曲,石灰化,血栓;バイパスグラフト部病変;標的血管の>40%狭窄または9ヵ月以内に追加的PCIが必要となる可能性など。
【患者背景】平均年齢はEES群63.2±10.5歳,PES群62.8±10.2歳。各群の男性70.1%,65.7%。糖尿病29.6%,27.9%。高血圧76.2%,74.0%,高コレステロール血症74.2%,71.5%。aspirinの使用;6ヵ月97.4%,97.2%,1年97.4%,97.1%,2年96.2%,95.3%。チエノピリジン系薬剤の使用;6ヵ月94.7%,95.5%,1年71.7%,71.7%,2年59.4%,63.9%。
治療法 EES群(669例),PES群(332例)に2:1の割合でランダム化。
手技中の抗凝固は未分画heparinまたはbivalirudinにより達成された。GP IIb/IIIa受容体拮抗薬の使用は術者の裁量とした。カテーテル法前にaspirin≧300mgを投与。手技前のclopidogrel≧300mg投与を推奨し,全例にてステント植込み後1時間以内の投与を必須とした。プロトコールはaspirin≧80mg/日無期限投与およびclopidogrel 75mg/日,最低6ヵ月投与を推奨とした。clopidogrelの投与期間の延長は主治医の裁量とした。
追跡完了率 2年後の追跡終了は94.9%。
結果

●評価項目
1-2年後のステント血栓症はEES群0.2% vs PES群1.0%(p=0.10), MIは0.5% vs 1.7%(p=0.12)とEES群の方が少ない傾向を示し,心臓死(両群とも0.3%,p=1.0),TVR(2.9% vs 3.0%,p=1.0)は同等であった。
[2年後の結果]
EES群はPES群に比し一次エンドポイント(心臓死,MI,TVR)を32%抑制し(10.7% vs 15.4%,HR 0.68;95%CI 0.48-0.98,p=0.04),主要有害心イベント(心臓死,MI,標的病変血行再建術)を45%抑制した(7.3% vs 12.8%,HR 0.55;0.36-0.83,p=0.004)。
ステント血栓症は,本試験の定義では1.0% vs 1.7%(p=0.35),ARC definiteは1.0% vs 0.7%(p=1.00)であった。
チエノピリジン系薬剤中止時期別のステント血栓症発症率(本試験定義)は,継続した466例では両群とも0.6%(p=1.0),6ヵ月以前に中止した107例では2.8% vs 2.9%(p=1.0),6ヵ月以降に中止した360例では0.4% vs 2.6%(p=0.10)であった。

●有害事象

文献: Stone GW, et al.; SPIRIT III Investigators. Randomized comparison of everolimus-eluting and paclitaxel-eluting stents: two-year clinical follow-up from the Clinical Evaluation of the Xience V Everolimus Eluting Coronary Stent System in the Treatment of Patients with de novo Native Coronary Artery Lesions (SPIRIT) III trial. Circulation 2009; 119: 680-6. pubmed
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